キリンファーマとテルモ、医療分野の事業強化で業務・資本提携
キリンとテルモ、業務・資本提携について基本契約を締結
キリンファーマ株式会社(社長 浅野克彦、以下キリンファーマ社)とテルモ株式会社(社長 高橋晃、以下テルモ社)は、医療分野の事業を強化し、将来の成長戦略をより強固にするため、業務提携することを決定しました。この業務提携と併せて、提携基盤強化を目的とした資本提携も行うことに合意し、キリングループの持ち株会社であるキリンホールディングス株式会社(社長 加藤壹康、以下キリン社)を含めた3社で、7月19日に業務・資本提携に関する基本契約を締結しました。
キリンファーマ社とテルモ社は、プレフィルドシリンジ製剤※1の共同研究開発を行うなど、これまでも事業での連携を行ってきましたが、この関係をさらに強化し、将来の医療用医薬品および医療機器事業の多角的かつ幅広い展開を図るためには、より強固なパートナーシップを構築する必要があるとの認識で一致し、今回の提携に至りました。
この提携基盤強化を目的に、3社で資本提携を行い、2007年12月末までにキリンファーマ社がテルモ社の株式を、テルモ社がキリン社の株式を、それぞれ100億円相当取得する予定です。
※1 プレフィルドシリンジ製剤:予め注射器に充填された医薬品製剤。薬剤を投与する際、アンプルやバイアルから注射器に移しかえる必要がないため、感染や薬剤の入れ間違えの事故を防ぐ、病院業務の効率化に役立つなど、多くのメリットがある。
【 業務・資本提携の概要 】
(1)業務提携の概要
両社の業務提携の概要は以下のとおりです。
・プレフィルドシリンジ製剤の研究開発・製造における連携の強化
・テルモ社の保有するリポソーム技術※2とキリンファーマ社の創薬技術を融合した製品の研究開発の検討
・慢性腎臓病治療に対する共同事業などの検討
※2 リポソーム技術:脂質から成る極めて小さい微粒子。リポソームの膜や内部に薬剤を封入することによって、薬剤を特定の部位に送ることができることから、DDS(Drug Delivery System)技術のひとつとして注目されている。リポソームを用いることで、従来より薬効を高め副作用を抑えることが期待される。
(2)資本提携の概要
それぞれの取得予定株式数と発行済株式総数に対する割合は以下のとおりです。
・キリン社 発行済株式総数 984,508,387株
その内、テルモ社が取得する予定株式数 5,491,489株(発行済総数の約0.6%)
・テルモ社 発行済株式総数 210,876,260株
その内、キリンファーマ社が取得する予定株式数 2,164,503株(発行済総数の約1.0%)
※いずれも2007年7月18日の東証終値の株価で試算
※各社の概要は、添付資料をご参照ください。