新日鉄エンジニアリング、シャフト炉式ガス化溶融施設でアスベスト無害化処理試験を実施
アスベスト無害化処理試験の実施
新日鉄エンジニアリング株式会社(社長羽矢惇)、環境ソリューション事業部(事業部長山田良介)は、環境省の研究補助事業として、実稼動中のシャフト炉式ガス化溶融施設でのアスベスト無害化処理試験(以下、本試験)を実施致します。
弊社は、既に平成18年1月に環境省の委託により非飛散性アスベスト廃棄物無害化処理試験を20t/日規模の試験設備を用いて実施し、シャフト炉式ガス化溶融炉特有の二重シール受入と高温溶融処理がアスベストの無害化に有効で、周辺環境にも影響を与えない安全な処理方式であることを実証しています。この結果に基づき、本試験では、北九州エコエナジー株式会社の産業廃棄物処理施設(320t/日)を用い実稼動施設での検証を行うものです。
アスベスト処理の社会的ニーズは益々高まっており、環境省の認定設備制度等の整備も進んでいます。弊社としましては今回の検証結果等を踏まえ本技術の実用化に取組み、社会問題解決に貢献していく所存です。
1.環境省研究補助事業名
名称:「平成18年度次世代廃棄物処理技術基盤整備事業」
事業名:「アスベストの無害化処理技術の開発」
2.実機試験の概要
・実施場所北九州エコエナジー株式会社(北九州市若松区)
・実施期間平成19年8月6日(月)~8月9日(木)
・処理内容アスベスト廃棄物(スレート材約11t、成形保温材約23t、)と産業廃棄物(ASR等)との混合処理
・検証内容運転状態の確認と共に、排ガス、溶融飛灰及び処理再資源化物、周辺環境における分析値評価を行い、無害化の確認をします。
・特記事項本試験にあたりましては、処理試験対象物として受け入れるアスベスト廃棄物の区別保管・投入、試験用の安全処置として煙突前に集じんフィルタの追加設置等、周辺環境への影響がなきよう配慮しております。
【参考】
1.北九州エコエナジー株式会社会社・施設概要
北九州エコタウン内に立地するリサイクル事業各社でリサイクルした後の残渣、自動車シュレッダーダスト(ASR)、その他の廃棄物をガス化溶融設備で適正処理し、メタル・スラグとしての再資源化や排熱を利用した発電によるリサイクルを行う施設。
詳細は以下の通り。
(会社概要)
所在地:福岡県北九州市若松区響町一丁目62番地
代表者:窪田琢也
資本金:12億円
(施設概要)
処理能力:320t/日(160t/日×2炉)
処理方式:シャフト炉式ガス化溶融炉
発電出力:14,000kw
2.アスベストとは?
石綿ともいわれ、天然に存在する繊維状の鉱物のこと。日本では主に、クリソタイル、アモサイト、クロシドライトの3種類が使用されていた。
3.ASRとは?
Automobile shredder Residueの略。廃自動車からエンジン・バッテリー等を取り外し、破砕した後、金属分を選別回収した後の残渣。主に、プラスチック系を多く含み、一部残存した金属分を含んだ混合廃棄物。
※参考画像を参照
以 上