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2025'02.01.Sat
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2007'09.05.Wed

富士経済、世界の主要白物・小物家電製品の生産動向調査結果を発表

-06年、中国の生産実績No.1は36品目中29品目。2011年に向けさらに集中化-
世界の主要白物・小物家電製品の生産動向を調査


 総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町03-3664-5811)は、07年4月から6月にかけて、世界の主要な白物・小物家電の06年の生産実績を調査し11年までを予測した。
 対象36品目は、「衣住関連」、「調理関連」、「空調・給湯関連」、「パーソナルケア関連」の各分野に分け、対象地域を日本、中国、その他アジア(韓国、東南アジア・オセアニア、インド、その他)、北米、中南米(ブラジル、その他)、欧州(西欧、中・東欧、ロシア)、中東・アフリカの7地域に分けて分析した。調査は参入企業約80社へのヒアリングを中心に関係資料を参考にして行なった。
 その結果を報告書「グローバル家電市場総調査2007」にまとめた。

<調査結果のまとめ>
 白物家電や小物家電は生活に密着しており、地域ごとの文化・風土・生活習慣の違いにより製品特性や需要動向の差が大きい。日本や欧米諸国は成熟市場であるが、BRICsなど新興市場では、経済成長を背景とした生活水準の向上で需要増が期待されている。こうした有望市場では、グローバルに生産を展開する日系メーカーや欧米メーカー、外資系企業の受託生産で技術力を培い大きく成長した中国・韓国の大手メーカー、地域ローカルメーカーなど多くの企業が参入し競合している。特に中国メーカーは外資系企業のOEM生産から脱却して自社ブランド製品を強化し、需要が拡大する中国やその周辺諸国に勢力を拡大する動きが見られる。
 日系メーカーはハイエンド製品のみを国内で集中生産し、欧米系メーカーも大物白物家電は東欧や中南米へ、小物家電は中国へ生産移管を進めるという傾向がより強く現れている。

 06年の調査対象家電製品全体では、

(1)中国の生産量がNo.1は、36品目のうち29品目
 1)衣住関連機器 洗濯機 アイロン 掃除機 温水洗浄便座
 2)調理関連機器 冷蔵庫 ガスレンジ/ガスコンロ 電子レンジ トースター ジューサー/ミキサー コーヒーメーカー フードプロセッサー ジャーポット 炊飯器
 3)空調・給湯関連機器 ルームエアコン 換気扇 扇風機 空気清浄機 除湿機 加湿器
 4)パーソナルケア関連機器 メンズシェーバー 脱毛器/レディースシェーバー ヘアードライヤー 電動ハブラシ 血圧計 体重計/体組成計 体温計 美顔器 マッサージチェアー ハンディ・マッサージャー

(2)日本がNo.1の品目 住宅用太陽光発電システム、ヒートポンプ式給湯機

(3)欧州がNo.1の品目 衣類乾燥機、テレビドアホン、食器洗浄乾燥機、IHクッキングヒーター

(4)北米がNo.1の品目 ディスポーザー


1.主要な品目市場

○家庭用コーヒーメーカー 06年6,400万台 11年予測1億2,680万台 06年比98.1%増
 中国で最近コーヒーブームが起こっており、コーヒー文化が都市部を中心に根付いて来ている。今後は自宅への移行がキーポイントとなる。中国のコーヒー文化の浸透がまだ一部の都市に限られ、コーヒー豆の価格も高いため、現在の国内市場は小規模である。しかし食文化の欧米化が進んでおり今後市場は確実に広がって行く。北米ではここ数年二桁台の伸びを見せ、フランスなど欧州においても同様の現象が見られる。欧米以外への浸透と欧米諸国での安定した買換え需要のため成長が予測される。
 06年の最大の生産供給地、中国では6,195万台を生産して世界の生産シェアの97%を占めた。
 2011年には1億2,625万台、生産シェアのほぼ100%と予測する。
 06年のトップメーカーは、Jarden(アメリカ)900万台、Hamilton Beach/Proctor-Silex(アメリカ)600万台、Applica(アメリカ)600万台、Philips(オランダ)500万台、Tsann Kuen(台湾)400万台、と続く。象印マホービンが40万台で12位である。

○家庭用ルームエアコン 06年7,993万台 11年予測8,980万台 06年比12.3%増
 欧州での需要増、中国での更なる普及や東南アジア、インド、中東などにおける市場成長が期待され、今後も増加すると見られる。
 中国では都市部の需要があるものの大都市では既に飽和状態であると言われている。現地メーカー間の過剰生産による競争の激化、05年のエネルギー消費効率(EER)規制から、上位メーカーはハイエンド製品への展開に力を入れつつあり、今後は2極化の進展や下位メーカーの淘汰が進むと見られる。
 欧州では近年の気温上昇を背景に、ドイツ、スペイン、イタリアなどの中南欧で需要が増加しており、今後もその傾向が続くと予測される。その他アジア市場では経済成長による購買力向上を背景に、インドなどを中心に市場の成長が期待される。欧州、アジア地域での需要増が見込まれるため、供給地である中国やその他アジア地域での生産が増加すると見込まれる。特にインドを含むその他アジア地域で生産・販売共に中国以上の高い伸びが予測される。
 06年の生産を地域別に見ると、日本を除くアジアの生産が87%に達し、中国は5,400万台を生産した。今後も引き続き中国や欧州の需要増が見込まれるため、中国の生産が増加して11年には5,900万台と予測する。
 06年のトップメーカーは、LG Electronics(韓国)で、1,100万台、以下Gree/珠海格力(中国)、Midea/広東美的(中国)、Haier/海爾(中国)と続き、松下電器産業が427万台の5位である。

○テレビドアホン 06年265万台 11年予測352万台 06年比32.8%増
 住宅用のテレビ付インターホンが対象で日本が最大市場で、韓国が日本に次ぐ規模である。日本や韓国ではカラーへの代替が進むが、その他の地域ではモノクロ製品が中心である。日本では新築住宅の標準設備になると共に、防犯ニーズの高まりから既築住宅に於ける通常のインターホンからの買い替えや賃貸住宅での採用が期待される。
 韓国はその他アジア市場の約80%を占め、今後も好調な集合住宅建設を背景に需要増が予想される。近年ではテレビドアホン機能に加えて、住宅の空調や照明のコントロールが可能なホームネットワーク機器としての採用が増加している。欧州ではイタリアが市場の中心であり欧州市場の10~15%を占め、スペイン、ドイツなどが続く。今後はロシア・東欧諸国などでの市場創出・拡大が期待されている。
 06年の生産を地域別に見ると欧州が75万台、日本が66万台、次いで中国が65万台、その他アジアで57万台となっている。今後は中国が生産拠点、生産移管先として成長し、11年には世界トップの95万台を生産すると予測する。
 日系メーカーは海外生産拠点として中国やタイに進出している。中国では現地メーカーなどによる欧州企業のOEMも行われている。欧州メーカーのハイエンド品は欧州の生産拠点で生産されると見られる。
 06年のトップメーカーは、アイホン(日本)44万台で、COMMAX(韓国)40万台、FERMAX(スペイン)26万台と続く。

○ヒートポンプ式給湯機 06年57万台 11年予測151万台 06年比164.9%増
 日本では空気熱源方式のヒートポンプ式電気給湯機「エコキュート」が国の地球温暖化防止施策や電力会社のオール電化住宅推進施策の後押しで市場を拡大している。欧州市場は、土壌熱源方式が全体の約56%を占める。ヒートポンプ式給湯機は日本と欧州に市場が限定されており規模はまだ小さいものの、エネルギー効率の高い温水器として両市場共に高い伸びが見込まれる
 欧州ではスウェーデンが最大市場で欧州全体の約30%、次いでドイツ約23%、フランス約15%、そしてスイスが5%を占める。スウェーデンでは、新築住宅の90%がヒートプンプを利用した暖房機や給湯器を採用しており、空気熱源式の比率は約38%となっている。近年のガス・石油価格の高騰のため、新築住宅向けを中心にヒートポンプ式に注目が集まっており、参入メーカーの性能向上、環境意識の高まりを背景に市場は拡大しつつある。
 06年の生産を地域別に見ると、日本の生産が54%、欧州が42%を占めている。今後も引き続き日本や欧州の需要増が見込まれるため、日本の生産は11年には98万台を予測する。06年のトップメーカーは、松下電器産業で8万台。その他三菱電機、コロナ、ダイキン工業などを加えた日系メーカーの合計生産台数が31万台、海外メーカーではBBT Thermotechnik(ドイツ)が4万台である。


2.4分野および主要品目の動向

 調査対象の06年の総市場規模は14億1,908万台(除 家庭用太陽光発電システム)。その内、衣住関連機器は2億7,165万台、調理関連機器は4億9,048万台、空調・給湯関連機器は3億446万台、パーソナルケア関連機器は3億5,249万台。総市場は拡大しており、今後も対前年比4%前後で11年まで成長していくと考えられる。特に、冷蔵庫や電子レンジなどの白物家電が日欧米の買い替え需要と中国などの普及率向上などにより堅調な伸びを示し、また、コーヒーメーカーやIHクッキングヒーターなどの好調な市場が後押しする。また洗濯機がBRICsで好調に伸びており、今後もこれらの国での成長率が大きく影響していくと思われる。ルームエアコンは欧州やインド、扇風機は東南アジア地域の普及が期待される。

06年から11年の生産推移

(1)衣住関連機器(8品目) 2億7,165万台
 中国が1億4,595万台で53.7%を占め、11年には55.5%に集中が進むと予測する。06年では、次いでその他アジアが4,003万台(84.7%)、欧州3,726万台(13.7%)、北米2,607万台(9.6%)、中南米1,090万台(4.0%)、日本1,079万台(4.0%)となった。洗濯機、衣類乾燥機、掃除機の3品目は基本的に需要地生産であり、各エリア特性に合わせた製品が各地ごとに生産されている。これらの製品では洗濯機を中心に今後の市場の成長が期待されるBRICs市場を抱える中国その他アジア、中南米などでの生産増が見込まれる。今のところ需要地が限定されているディスポーザーや温水洗浄便座、テレビドアホン、住宅用太陽光発電システムの生産はそれぞれの需要地か参入メーカーが持つ中国やアジア地域の海外生産拠点で行われている。

(2)調理関連機器(11品目) 4億9,048万台
 中国が3億4,893万台で全体市場の71.1%を占め、11年には76.5%に集中化が進むと予測する。続いてその他アジア4,975万台(10.1%)、欧州3,762万台(7.7%)、北米2,037万台(4.2%)、中南米1,775万台(3.6%)、日本1,476万台(3.0%)の生産実績であった。
 コーヒーメーカーやトースターなどの小物調理家電は、コストダウンを目的とした中国での生産がほとんどであり、今後も中国への生産集中が進むと考えられる。現在、Applica(アメリカ)やSEB(フランス)は製品の一部をそれぞれメキシコとフランスで生産しているが、価格競争に対応するため、中国に生産移管を進めている。冷蔵庫や電子レンジといった白物家電の生産拠点は中国以外にも分散しており、日本、東南アジア/韓国/インドなどのその他アジア、北米、ブラジル/メキシコを含む中南米、西欧/中・東欧/ロシアを含む欧州において、需要地生産型で生産活動が行われている。

(3)空調・給湯関連機器(7品目) 3億446万台
 中国が2億3,813万台で全体の78.2%を占め、11年には80.6%に集中が進むと予測する。続いてその他アジアが2,937万台(9.6%)、日本が1,243万台(4.1%)、欧州が1,039万台(3.4%)、北米が969万台(3.2%)、となった。中心製品はルームエアコンと扇風機である。扇風機は中国企業が中心となって世界に供給しており、ルームエアコンも中国・韓国系企業による中国生産が多数を占めている。その他の換気扇、空気清浄機、加湿器、除湿機などの中で高機能製品は自国生産が維持され、中・低価格品は低コストの中国やその他アジア地域での生産が増加すると見られる。こうしたことからこの分野は今後も中国やその他アジア地域での生産の増加が予測される。

(4)パーソナルケア関連機器(10品目) 3億5,249万台 
 中国が2億7,786万台で全体の78.8%を占め、11年には82.3%に集中が進むと予測。欧州4,570万台(13.0%)、その他アジア1,467万台(4.2%)、北米590万台(1.7%)、日本568万台(1.6%)、という実績であった。近年、ますます価格競争が激しくなっており、日欧米メーカーは、コストダウンの見込める中国での生産、また、中国OEMメーカーからの製品供給で販売を展開している。中国には、多くのOEMメーカーがあり日欧米企業へのOEM生産を行っているが、同時に、自社ブランドの強化を図る中国/香港/台湾メーカーも現れており、OEMメーカーから脱却する現象が見られるようになってきた。


3.調査の概要

<調査方法>
 富士経済の専門調査員による参入企業、業界関連企業、関連団体などへのインタビューによるヒアリング結果を基に、各種統計データ、その他の公開情報、既存刊行資料を参考にして分析した。

<調査実施期間>
 2007年4月~6月

<調査対象> 
 調査対象36品目の関連企業 約80社
 (1)衣住関連機器       8品目
 (2)調理関連機器      11品目
 (3)空調・給湯関連機器    7品目
 (4)パーソナルケア関連機器 10品目


以上

資料タイトル:「グローバル家電市場総調査2007」
体 裁:A4判 311頁
価 格:97,000円(税込み101,850円)
調査・編集:富士経済 大阪マーケティング本部 第3事業部
      TEL06-6228-2020(代) FAX06-6228-2030
発行所:株式会社 富士経済
    〒103-0001東京都中央区日本橋小伝馬町2-5 F・Kビル
    TEL03-3664-5811(代) FAX03-3661-0165
    e-mail:info@fuji-keizai.co.jp
    URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ http://www.fuji-keizai.co.jp


<お問い合わせ>
 富士経済グループ 広報部 TEL0120-156-711


(※ 報告書目次は関連資料を参照してください。)

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