日本HP、「LTO-4」規格準拠で暗号化にも対応したテープドライブの新製品を発表
LTO-4規格準拠、従来比2倍のデータ記録が可能で、暗号化にも対応したテープドライブ新製品を発表
- バックアップソフトウェアをバンドルし、LTO-4の暗号化機能がすぐに利用可能 -
日本ヒューレット・パッカード株式会社(略称:日本HP、本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:小田 晋吾)は本日、大容量のデータ記録を高速に行うことが可能な磁気テープの最新規格「LTO Ultrium Generation 4」(通称LTO-4)準拠の新製品「HP StorageWorks LTO-4 Ultrium 1840テープドライブ(以下、LTO-4 Ultrium 1840)」を発表します。
近年、個人情報保護法や日本版SOX法といった法規制とそれに伴う内部統制や大規模災害時の事業継続性確保といった観点から、データバックアップの重要性が改めて認識されています。ディスクを使用したバックアップも普及しつつありますが、信頼性や持ち運びの便利さ、外部保管の容易さから磁気テープによるバックアップの需要も根強くあります。現在日本の磁気テープ装置の市場において、LTOは半分以上のシェアを占めており、今後も成長が見込まれています。
日本HPは、この成長が予想されるLTOの出荷台数において33.0%と圧倒的なシェアを誇っており(*1)、まさにテープストレージのリーディング・カンパニーと言えます。
この度発表する新製品は定評あるLTOの信頼性や使いやすさを維持しながら、データ容量と性能を大幅に強化した最上位モデルです。カートリッジ1本当たりのデータ容量は1.6TB(圧縮時)と従来のLTO-3の2倍になり、転送速度も240MB/秒(圧縮時)と従来の約1.5倍と、性能が大幅に向上しました。また、LTO-4の特長である暗号化機能についても、製品に無償でバンドルされるHPのバックアップソフトウェア「HP Data Protector Express Software シングルサーバ版」との併用により、即日利用可能です。
*1:2006年上半期国内LTOドライブ出荷台数シェア
出典:IDC Japan, 2/2007「国内テープドライブ/テープオートメーション市場
2006年上半期の分析と2007年~2010年の予測」(J7400303)
<本日発表の新製品>
製品名:HP StorageWorks LTO-4 Ultrium 1840テープドライブ(内蔵型)
希望小売価格:1,029,000円(税抜 980,000円)
出荷開始:8月下旬
製品名:HP StorageWorks LTO-4 Ultrium 1840テープドライブ(外付型)
希望小売価格:1,060,500円(税抜 1,010,000円)
出荷開始:8月下旬
LTOの最新規格であるLTO-4に準拠した今回の新製品の主な特長は、以下の通りです。
<テープドライブでの暗号化に対応>
情報漏洩事故の多発など、社会的にもバックアップの際のデータ暗号化が求められつつあります。「LTO-4 Ultrium 1840」は、テープドライブの標準機能として暗号化を提供するため、サーバやネットワーク上で暗号化を行う場合と異なり、比較的安価に、かつパフォーマンスを落とさず暗号化を行うことが可能です。また、データ圧縮後に暗号化するため、大容量のデータも効率よく保管することができます。
LTO-4は規格自体に暗号化の機能が盛り込まれていますが、実際はドライブに対応した暗号化ソフトウェアがなければ、その機能を利用することはできません。「LTO-4 Ultrium 1840」には、暗号化対応のバックアップソフトウェア「HP Data Protector Express Software シングルサーバ版」が無償バンドルされており、導入後すぐに暗号化バックアップ機能が利用可能です。
<HP独自の「データレートマッチング機能」により高信頼性を実現>
テープストレージでは、テープの読み取りや書き込みの際に停止や再ポジショニングを繰り返すと、メディアやヘッドに負担がかかり、バックアップの性能にも影響が出ます。それを防ぐために、HPではホストから転送されるデータ量を1/1000秒ごとにチェックして適正な転送レートに変えるデータレートマッチング機能を従来から搭載してきました。「LTO-4 Ultrium 1840」では、このデータレートマッチング機能によりデータ転送速度を40MB/秒から120MB/秒の間で動的に変化させ、テープの停止・再ポジショニングが頻発するのを防ぎます。
また、ホスト障害時にOSとユーザデータの両方をテープメディアから直接リカバリできる「HP One-Button Disaster Recovery(OBDR)機能」を搭載しており、万一のホスト障害にもボタンひとつの操作で迅速なサーバ復旧が可能です。
<LTOメディアの下位互換性を保証し、投資を保護>
一般にテープメディアは、過去の資産を有効活用できるように下位互換性が保証されています。今回発表の「LTO-4 Ultrium 1840」では、2世代前までのメディアの読み取り、1世代前のメディアの書き込みが可能です。
・読み取り:LTO-2、3のR/Wメディア、LTO-3のWORM(*2)メディア
・書き込み:LTO-3のR/Wメディア、LTO-3のWORMメディア
HPはLTOの規格策定に携わるとともに、第6世代までの製品開発ロードマップを発表しています。これによって、HPはテープストレージ分野への継続的な投資、お客様の投資の保護を約束し、過去の資産の継承を可能にします。
*2:WORM(Write Once Read Many)
一度だけ書き込むことができ、消去や変更ができない記録メディアのこと。LTO規格では、LTO-3から対応している。
■「HP ProLiant ラック割キャンペーン」の対象製品にテープバックアップ製品を追加
現在実施中の「HP ProLiantラック割キャンペーン」の対象オプション製品に今回発表の「LTO-4 Ultrium 1840」の他、以下のテープバックアップ製品を追加します。HP ProLiant ラックマウント型サーバと対象のテープバックアップ製品を一緒に購入することで、通常希望小売価格より33%引きの価格で購入することが可能です。
キャンペーン価格適用のテープバックアップ製品:
DATドライブ (USB/SCSI、内蔵/外付の全てのタイプ)
Ultirumドライブ (SCSI/SAS、内蔵/外付けの全てのタイプ)
テープエンクロージャの全モデル
テープオートローダの全モデル
MSLテープライブラリの全モデル
キャンペーン期間:2007年9月28日(金) 申し込み分まで
キャンペーンの詳細は以下のURLを参照してください。
http://www.hp.com/jp/storage/rac_discount
■省電力・環境保護に対するHPの取り組み~Green Storage~
データの読み取り/書き込み時以外はリールを止めておくことができるテープメディアは、常に通電してディスクを回転させ続けるディスクドライブに比べて、消費電力を大幅に抑えることができます。地球温暖化防止のためにCO2排出量を抑えることが世界的な課題となっている現在、テープストレージは環境保護の観点からも優れた製品と言うことができます。HPは、消費電力を抑えて大量のデータを効率よく保存するため、頻繁に使用しないデータはテープに保存することを推奨しています。
また、ディスクストレージである「HP StorageWorks EVA(Enterprise Virtual Array)」ファミリにおいても、仮想化の技術を用いて容量効率を高め、無駄なディスク増設を防ぐなど、電力消費を抑えるための技術開発も行っています。EVAでは仮想化技術やハードウェアの改良などを通じて、電力効率の45%向上と性能の最大24%向上を実現したという報告もあります。
さらにHPでは、お客様のデータセンタが抱える排熱問題にフォーカスし、「サーマル・アセスメント・サービス」や「サーマル・プランニング・サービス」を通してシステムの安定稼動と電力消費の抑制のための指針を提供しています。今回発表のテープストレージ新製品の開発や、ディスクストレージ製品の電力および冷却コストを削減する取り組みを継続し、省電力・環境保護に対する取り組みを積極的に行っています。
■今回の新製品に関する情報は、以下のURLを参照してください。
http://www.hp.com/jp/storage_new
■HP StorageWorksに関する製品情報は、以下のURLを参照してください。
http://www.hp.com/jp/storage/
文中の社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
■お客様からのお問い合わせ先
カスタマー・インフォメーションセンター TEL:03-6416-6660
ホームページ:http://www.hp.com/jp/