東京国立博物館と凸版印刷、バーチャルリアリティ技術を活用した共同プロジェクトを発表
東京国立博物館と凸版印刷がバーチャルリアリティ技術を活用する共同プロジェクトを発表
~文化遺産を「体験」する新しい鑑賞スタイルに向けて~
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館(所在地:東京都台東区、館長:佐藤禎一、以下 東京国立博物館)と凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:足立直樹、以下 凸版印刷)は東京国立博物館の収蔵品や研究成果を元に、凸版印刷のバーチャルリアリティ(以下VR)技術を用いた文化遺産の公開モデルを開発する共同プロジェクトを進めています。
2007年10月より東京国立博物館資料館にシアターを開設、VR技術とデジタルアーカイブ技術を活用して制作した超高精細VR映像を上映公開いたします。
共同プロジェクトでは次のような目標を定め、今後さまざまな実験と検証を行なっていきます。
1.東京国立博物館の収蔵品を中心とした文化遺産のデジタルアーカイブによる情報蓄積。
2.VR技術の活用による文化遺産の新しい公開手法の開発。
3.シアターによる来館者向け事業の展開。
【VRについて】
VRとは、コンピュータで生成された三次元空間の中を移動しながら、あたかもその場にいるかのような感覚を体験できるデジタル表現技術です。このたび東京国立博物館に超高精細の映写装置と大型スクリーンを備えたシアターを開設する運びとなりました。
シアター内で上映されるVR映像は、文化遺産の形や色を正確に保存する、デジタルアーカイブの技術を元に制作したものです。通常の展示空間では間近で見ることができない貴重な文化遺産の細かな形や色を表現するのみならず、普段は入れない内部の構造、完成当時の文化遺産の姿なども再現することが可能になります。
さらに、東京国立博物館の収蔵品情報や研究活動成果などの詳しい解説を作品とともに紹介することで、文化遺産について理解をより深く促します。
これらの実験と検証を本シアターで行うことを通じて、鑑賞者の「作品を観る」という体験をより深めることを目指します。この共同プロジェクトでは、多くの人々が文化遺産に親しみ、新たな魅力を発見するきっかけを作り、従来の展示にはなかった新しい文化遺産の鑑賞スタイルを創造する拠点となる活動を行います。
【VR公開モデル】
(※ 関連資料を参照してください。)
【背景】
東京国立博物館では以前から従来の展示手法に加えて、来館者サービスのより一層の充実を図るため、研究内容や所蔵品を公開する新しい展示方法を求めていました。
一方、凸版印刷は、これまで培ってきた高精細の画像処理技術やカラーマネジメント技術、そして三次元CGコンテンツの企画制作力を活用したデジタルアーカイブに取り組んできました。1997年よりデジタルアーカイブの表現手法として「トッパンVRシステム」を開発し、今日まで研究と開発を重ねています。システムで上映する作品作りにおいてもノウハウを積み重ね、現在では圧倒的な映像の質と芸術性、学術性が高く評価され、各地のさまざまな展覧会などで活用されています。
今後は、技術力、制作力、企画力をさらに発展させ、VR技術やVRシアター活用の方法を深めていきます。
(※ VR公開モデルは関連資料を参照してください。)