協和発酵、「夜尿症に関するアンケート」調査結果を発表
平成19年8月7日
夜尿症が保護者、夜尿症児共にストレスの多い疾患と判明
「夜尿症に関するアンケート」集計結果
保護者はストレスを「よく感じている」「時々感じている」が8割以上、夜尿症児本人も7割以上
協和発酵(社長:松田 譲)は、2006年12月~2007年5月にかけてインターネットを使用し、夜尿症児をお持ちの252家族に対して「夜尿症に関するアンケート」を実施しました。今回の調査から、保護者、夜尿症児本人とも多数の方がストレスを感じていることが明らかになりました。ストレスの原因は、保護者では「夜尿の後片付け」「夜尿が治らないこと」「宿泊行事への参加」、夜尿症児本人では「夜尿が治らないこと」「宿泊行事への参加」「オムツに関すること」という順番でした。
● 夜尿を週半分以上している割合が81%
夜尿の頻度は、「毎晩」が55%、「週4日~6日」が合計で26%、「週1~3日」が合計で13%という結果でした。過半数の児童は毎晩夜尿をしており、81%の夜尿症児で週の半分以上しているという結果でした。【グラフ1参照】
● 保護者も夜尿症児本人もストレスを感じている疾患
夜尿症に関してのストレスは保護者で、「よく感じている」「時々感じている」が合計で83%。夜尿症児本人も合計で74%と多数の方が感じられています。「全く感じていない」保護者は4%、夜尿症児本人は6%と非常に少ないという結果でした。【グラフ2参照】
● 保護者のストレス要因は「夜尿の後片付け」が51%
ストレスと感じている要因の質問に対して保護者は、「夜尿の後片付け」が51%、「夜尿が治らない」が49%、「宿泊行事への参加」が46%と続きました。その他の項目では、「オムツに関すること」や「子どもの成長への悪影響」など、平均2.9項目の選択がありました。【グラフ3参照】
● 夜尿症児本人のストレス要因は「夜尿が治らない」が64%
夜尿症児本人のストレスと感じていることは、「夜尿が治らない」が64%、「宿泊行事への参加」が45%、「オムツに関すること」が36%と続きました。平均2.2項目の選択がありました。【グラフ4参照】
● 夜尿が治ってほしい時期は、どの年代も1~2年後
夜尿が治ってほしい時期については、5~6歳、7~8歳、9~10歳のどの年代でも1~2年後という回答が大半を占め、全体的に保護者よりも夜尿症児本人のほうが、より早く治ってほしいという傾向がありました。 【グラフ5参照】
日本夜尿症学会理事長で埼玉こどもクリニック院長の赤司俊二先生は、この結果を受けて次のように述べています。
夜尿症は学童期児童の約5%に認められる頻度の高い疾患です。夜尿が治らないのは「育て方が悪い」、「愛情不足」、「甘やかし」、「夜おこさない」、「ストレス」のためなどといった間違った世間の目に親は悩み、「夜尿をしていることは恥ずかしい」、「周囲からばかにされる」、「泊まりの行事に参加できない」など、子どもも多くのストレスを感じて、時にいじめ、登校拒否、ひきこもりの原因にもなっています。アンケートをみても、保護者、子ども本人の多数が、夜尿でなんらかのストレスを感じていることがわかります。
夜尿症は「排尿機構の発達障害」のための病気であることは世界的にも認められており、決して本人、親御さんにはなんの責任もないものです。親御さんの多くは「子どもの夜尿が治らないのは親、本人に原因がある」と認識し、「もうすぐ治るに違いない」と考え、本人も「何か悪いこと」、「恥ずかしいこと」をしていると考えて、病院、診療所を受診することを躊躇されている方が沢山いらっしゃいます。
また、アンケートでも、夜尿が「1~2年以内に治ること」を希望されています。学童期の夜尿が自然に治る割合は、1年間に10人に1~2人程度で、大人になっても夜尿で悩んでいる人は1000-2000人に1人程度はいます。
病因にあった治療を受けることにより、自然経過より数倍は早く夜尿から解放され、1年の治療で約半数は治癒できると言われています。自分で色々と悩み、工夫しても夜尿が改善しない場合には、躊躇なく医療機関を受診し、夜尿症の正しい知識を入手し、その子にあった対処をすることが大切だといえます。
※ 協和発酵では、「夜尿症(おねしょ)ナビ」 http://www.kyowa.co.jp/onesho/ を2003年に開設し、夜尿症の原因やメカニズム、治療方法などの疾患情報や、有名人のメッセージ、夜尿症が相談できる医療機関など、夜尿症に関する総合的な情報を提供しております。
■ 「夜尿症に関する意識調査」調査概要
調査期間 2006年12月~2007年5月
対象 5歳以上の夜尿症児を持つご家族
有効回答数 252家族
調査方法 夜尿症(おねしょ)ナビにおいてインターネット調査
※ グラフ1~5は、関連資料を参照して下さい。