近鉄、大阪の阿倍野・天王寺地区に高さ日本一の超高層複合ビルを建設
阿部野橋ターミナルビル整備計画について
～広さ日本一の百貨店、国際級ホテル、最先端オフィスを擁する、高さ日本一の超高層複合ビルを建設します～
近鉄では、大阪阿部野橋駅および近鉄百貨店阿倍野本店として利用する阿部野橋ターミナルビルの旧館部分について、建替えを検討してまいりましたが、この度、都市再生特別措置法に定める「都市再生特別地区」の都市計画に関する協議を大阪市と始めましたので、事業の概略についてお知らせします。
「アベノ」は、当社、地下鉄、ＪＲなどが乗り入れ、１日の乗降客数約８０万人を誇る、「キタ」、「ミナミ」に次ぐ大阪の中心地であり、また当社にとって最大のターミナルです。当社では、このアベノ地区の更なる発展に寄与し、ひいては当社事業の成長の原動力とするため、地区の都市機能やイメージを飛躍的に向上させるインパクトのあるプロジェクトとして、高さ約３００メートル、日本一の超高層複合ビルを建設することとしました。
このタワー館（仮称）は、地下５階地上５9 階、延床面積約２１万平方メートルとし、低層階に営業面積日本一の百貨店を配置するほか、中層階には大阪でも有数のフロア面積を誇るオフィス、高層階には大阪で最高層に位置する国際級ホテルを導入し、アベノ地区の都市機能の充実を図ります。加えて、美術館や、展望台を設置することにより、南大阪エリアの新しい文化・観光拠点の形成を図ります。
建物には、複数の屋上緑化施設を配置することで、街の景観の向上を図るほか、低層階では新たな公共的空間の確保と歩行者回遊ネットワークの整備を行い、建物周辺への人の流れを円滑にすることで、地区の賑わいを創出します。
当社は平成２２年に創業百周年を迎えますが、四つのコア事業（鉄道、流通、不動産、ホテル・レジャー）全てを結集し、加えて地区の活性化に貢献する本計画は、当社の新しい世紀を拓くシンボルであり、また本建物が大阪の新しいシンボルとなることを期待しています。
本計画は、都市再生特別地区が都市計画決定され、容積率の緩和等を受けることが前提であるため、今後、正式に都市計画決定された後、具体的な計画を推進します。
・タワー館（仮称）北西側外観 イメージパース
※添付資料を参照
・阿倍野・天王寺地区 周辺地図
※添付資料を参照
１．地区の現状と本計画検討の背景
（１）地区の現状
阿倍野・天王寺地区は、当社、大阪市営地下鉄、ＪＲ西日本、阪堺線などが乗り入れ、一日の乗降客数が約８０万人と、梅田（約２５０万人／１日）、難波（約１００万人／１日）に続く大阪第３のターミナルです。
周辺には、近鉄百貨店のほか天王寺ミオなどの商業施設、大阪市立美術館などの文化施設、大阪市立大学医学部附属病院などの医療施設の他、大阪の観光名所である「天王寺公園」や「四天王寺」もある、多彩な表情を持った地区です。
一方、金塚地区の阿倍野再開発事業など、再開発プロジェクトも進行中ですが、現在以上に多様な都市機能の集積を進め、地区の魅力を向上させることが、キタ、ミナミとの競争力の維持のために求められています。
（２）都市再生緊急整備地域への指定
ターミナルビルを含む阿倍野地区約２１ヘクタールは、都市再生特別措置法にかかる都市再生緊急整備地域に指定されています。本計画が地域整備方針に沿うものとして都市計画審議会の議を経て、都市再生特別地区の都市計画決定を頂き、容積率の緩和等を受けることで、地区のポテンシャルそのものを引き上げるプロジェクトが可能となります。
※地域整備方針等詳細は内閣官房都市再生本部ホームページを参照
（http://www.toshisaisei.go.jp/）
（３）百貨店間の競争の激化
近鉄百貨店阿倍野本店は、昭和１２年の開業以来、近鉄沿線や南大阪の商業の中心として、多くの顧客に親しまれてきた、近鉄百貨店の旗艦店です。一方、梅田地区では阪急百貨店うめだ本店の建替え、大丸梅田店の増床、三越大阪店の開業が予定され、難波においても高島屋の増床が計画されるなど、今後、大阪の百貨店間の競争が激化する中で、近鉄百貨店阿倍野本店においても、競争を勝ち抜く新たな魅力づくりが急務となっています。
（４）建物の老朽化
ターミナルビルの旧館部分については、度重なる増築の結果、現状はエレベーターやエスカレーター等が最適に配置されておらず、百貨店の売場もお客様にとって分かりにくい配置となっています。
また、建設当初から既に７０年近くを経過し、建物躯体、設備もかなり老朽化が進んでいるため、抜本的な対応が必要となっています
※「２．施設計画の概要」など詳細は添付資料を参照