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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'01.28.Tue
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2007'09.19.Wed

食品総合研究所、日本酒・ワインから原料品種を判別できる技術を開発

食総研が世界で初めて日本酒、ワインから原料品種を判別できる技術を開発 


 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所では、日本酒を分析しただけで、原料となった米の品種を判別できる基礎的な技術を開発しました。
 米の品種判別技術としては、植物体や穀粒の形態の差異に基づく方法等が知られていますが、これらの方法は、日本酒の原料の米品種の判別には使用できません。
 また、DNAによる方法でも、日本酒は加工度が高いために、これまで、日本酒から原料の米品種を判別することはできませんでした。しかし、このたび、日本酒から原料米のDNAを抽出する方法により、DNAによる米の品種の判別技術を開発しました。また、この技術は、ワインから原料ブドウ品種を判別する方法としても応用可能です。
 今後は、専門機関とともに、今回開発された技術を実用化に向けて更に研究を進めていく予定です。こうした技術を用いれば、最近輸入が増えつつある、日本酒における原料の米品種が判別できるなど育成者権の保護等に貢献することが期待されます。
 本研究は、農林水産省の委託プロジェクト研究「安全で信頼性、機能性が高い食品・農産物供給のための評価・管理技術の開発」により実施しました。

(参考資料)

[背景・ねらい]
 品種判別には、植物や穀粒の形態に基づく方法や、酵素多型による方法が知られていますが、これらの方法は、加工品である日本酒の原料米を判別する場合には適用できません。また、日本酒では、PCR法(注)によって原料米のDNAから品種判別を行うに際し、(1) 発酵中の微生物酵素によって米DNAが分解される場合があること、(2) 麹菌および酵母のDNAが日本酒中に共存すること、(3)PCRを阻害する成分が混在する、という問題がありました。本研究では、日本酒やワインに残存する極微量のDNAの相違に基づいて、各品種に特有なDNA塩基配列のみを増幅できるPCR法という方法によって原料米品種を判別する基礎的な技術を開発し、また、今後、この品種判別技術の有用性を市販品の日本酒やワインで実証を行うことが期待されます。

[成果の内容・特徴]
1.日本酒から、PCR法による分析用のDNAを抽出・精製する方法として、耐熱性α-アミラーゼおよびプロテアーゼKを用いる「酵素法」および糖質を効率的に除去できる「CTAB法」を併用することにより、日本酒に残存する極微量のDNAを抽出することが可能であることを明らかにしました(図1)。

2.日本酒やワインに混在するポリフェノール等のPCRを阻害する物質とDNAを分離するために、70%エタノールによる精製過程を加える方法を開発しました(図1)。

3.日本酒中に存在する麹菌や酵母等の発酵微生物由来のDNAを増幅させずに、原料米のDNAのみを増幅させることのできるプライマーを選定・開発しました。

4.市販の「コシヒカリ100%」と表示している日本酒から図1に示す方法でDNAを抽出精製し、当研究ユニットで開発した3種類の「コシヒカリ判別用プライマー」を用いてPCRを行った結果、コシヒカリ特有のDNAは出現せず、この酒の原料米はコシヒカリではない可能性が示されました(図2)。

5.酒米あるいは市販日本酒を試料とし、3種類のプライマーを用いたPCR法によって原料米の判別を行った結果、4種類の酒米品種を相互に識別することが可能であり、「山田錦100%」と表示した市販日本酒Cは、他の酒米特有のDNAが出現することから、「山田錦100%」ではない可能性が示されました(図3)。

6.ブドウの葉及びワインから図1の方法で調製したDNAをPCRにより識別性のあるDNAが増幅することがわかりました(図4)。

7.ブドウの葉とワインから増幅したDNAの塩基配列は一致しており、ワインから増幅した識別用DNAは、酵母等の由来ではなく、ブドウ由来であることが確認されました。

(注)PCR(polymerase chain reaction、ポリメラーゼ連鎖反応)法:増幅したいDNAを、その塩基配列に基づいて、試験管内で、短時間に大量に増幅する方法。

[成果の活用面・留意点]
1.本技術により、日本酒の原料米の品種を判別できます。
2.本技術は、ビール等の醸造酒の原料植物判別の基本技術としても発展が期待できます。
3.原料米が混米されている場合には判別が困難となります。
4.専門機関と共同で実用化に向けた更なる研究を進め始めるところです。
5.他機関との共同試験により、方法の妥当性の確認を行う必要があります。

 ※参考画像は添付資料を参照

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