丸紅ソリューション、米社製マルチ樹脂対応3次元造形機「FDMシリーズ」の上位モデルを販売
多品種、小ロット製品の生産に対応
マルチ樹脂対応3次元造形機「FDM 400mc」販売開始
エンプラ並みの物性を実現
MSOL(丸紅ソリューション株式会社 東京都渋谷区渋谷3-12-18 社長:吉光 澄)は、米ストラタシス(Stratasys Inc.ミネソタ州イーデンプレーリー、米国株式市場NASDAQ SSYS、社長:スコット・クランプ氏(Mr.Scott Cramp)社製ラピッドプロトタイピング(RP)システム/マルチ樹脂対応3次元造形機「FDM 400mc」の販売を2007年8月20日より開始します。
FDM 400mcは、CADで作成された造形用データ(STLフォーマット)をもとに、ABS樹脂*をはじめとした、各種プラスチック樹脂材を熱で溶かし、積層することで立体モデルを造形する3次元造形装置ストラタシス社製RPシステム「FDMシリーズ」の上位モデルです。ベースユニットとなるFDM400mc-S(造形エリアが標準サイズ)と、造形エリア拡張オプションを追加し大型造形ができるFDM400mc-L(造形エリアが大型サイズ)の2機種となります。造形速度は、従来機種FDM Vantage S,SE, TITAN-TIに比べ約29%アップ。また、造形テーブルの動作改良により、造形精度が向上しています。
造形用樹脂には、ストラタシス社が新たに開発したABS樹脂の新素材「エービーエス エム30(ABS M30)」をはじめ、PC-ABS、PC、PPSF*に対応します。各種樹脂はオプションで、自由に選んでいただくことが可能です。ABS M30は、従来のストラタシス社製ABS樹脂に比べ、25~70%強度が向上、エンプラ並みの物性を実現しました。試作のみならず、実際の製品を生産する「ダイレクト・デジタル・マニュファクチャリング」にも対応可能です。
初期導入は安価なFDM400mc-Sからスタート(2500万円(税別)より)し、造形エリア拡張や他の樹脂材料への対応が必要になった場合には、オプションを追加することで機能拡張が可能です。
FDM 400mcは、積層造形経路の編集機能を装備した高機能ドライバソフト「Insight」が標準で付属しています。最大造形サイズは幅35.5センチ、奥行き40.6センチ、高さ40.6センチ(FDM400mc-L)。造形する際の積層ピッチはデフォルト設定で0.178mmか0.254mmを選択し造形することができる他、射出幅調整機能により0.153mm~0.477mmまで自在に変更が可能。CADデータに、より忠実で剛性のある造形を実現します。また、STLデータを任意の部分でカットすることも可能。最大造形サイズを超えるモデルデータを造形する場合でも、再度CADソフトで再編集する手間がなく、分割造形することができます。
モデルの成形を支えるサポート材は、アルカリ水溶液で溶かすタイプにのみ対応。超音波洗浄機等を用いサポート材による造形の補助部分を溶かすことで、従来工具等を使用しても除去が難しかったダクト形状内部などのサポート材溶解が可能で、工数を低減します。FDM400mcは、RPにおいても精密さや強度を要求する日本のユーザーに、最終製品と同等のスペックをもつ造形モデルを提供します。
FDM 400mcの標準価格は、2500万円(税抜)から。当社では、FDM 400mcを含むハイエンド3Dプリンタ(ストラタシス社名称:FDMシリーズ)全体で約10億円の売り上げを計画しています。
*ABS樹脂:アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ブタジエン(Butadiene)、スチレン(Styrene)共重合合成樹脂
*PC樹脂:ポリカーボネート樹脂
*PPSF樹脂:ポリフェニールソルフォン樹脂
【仕様】
※添付資料を参照
【新製品を出展する展示会のご案内】
関西設計製造ソリューション展10月3日~10月5日(インテックス大阪)展示予定
メカトロテックジャパン10月17日~10月20日(ポートメッセ名古屋)展示予定
*文中の製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です。価格・形式は予告なく変更する場合があります。
【ストラタシス社について】
STRATASYS社(ミネソタ州イーデンプレーリ、米国株式市場NASDAQ:SSYS、社長:スコット・クランプ氏(Mr.Scott Crump))は、全世界で出荷台数第1位のRP(*)開発製造メーカで、RP関連の約100の特許を所有しています。製品は、試作モデルの素材となるABSなどの樹脂と、モデルの成形を支えるサポート材となる樹脂を、熱で溶解して射出・積層する造形技術(熱溶解積層方式)が大きな特徴です。1989年の設立以来、ハイエンド中・大型RP、3Dプリンタ合わせて6000台(2006年12月末時点)以上製造・販売しています。
(*)3次元CADで作る仮想的なモデルから、手軽に試作品や成形品などの実物を作製するラピッド・プロトタイピング技術のこと。
【ストラタシス社 FDMシリーズについて】
コンピュータ上の三次元データを、自動的に立体造形するシステム。FDMシリーズは、ABS樹脂造形だけでなく、ポリカーボネート樹脂、PC-ABS樹脂、ポリフェニールソルフォン樹脂造形に対応します。自動車・家電・情報機器分野等の試作モデルでは、アウトソーシング化が進んでいます。しかし、コストや効率面から全てをアウトソーシングでまかなうことが難しく、ラピッドプロトタイピングを併用することにより、効率化をはかっている企業も増えています。また、試作品の作成だけでなく、製造用治具や多品種少量製品の製造に活用したいという要求も高まっています。MSOLでは、ラピッドプロトタイピングシステム導入の初期投資を低減し、ラピッドプロトタイピングの利用分野を増やすことで、市場を活性化したいと考えています。
【MSOLについて】
エムソル(丸紅ソリューション株式会社の略称)は、丸紅株式会社の事業会社で、エレクトロニクスとITのソリューションプロバイダ。ITを基盤に、コンピュータネットワーク、機械設計、半導体設計と製造、電子部品、SIなどのさまざまなソリューションを、多業種に提案しています。