フジッコ、カスピ海ヨーグルトの特徴である「粘り」を科学的に証明
- 学会発表予定 -
カスピ海ヨーグルトの食感特性を検証
カスピ海ヨーグルトの特徴である粘りを科学的に証明
-日本食品科学工学会第54回大会で発表-
「カスピ海ヨーグルト」は広く日本で親しまれている独特の粘りとまろやかな酸味が特徴的な牛乳発酵物ですが、当社ではこのヨーグルトについて家森幸男氏(武庫川女子大学国際健康開発研究所長・財団法人 生産開発科学研究所 学術顧問)の協力のもとに優良株である Lactococcus lactis subsp. cremoris FC株(ラクトコッカス ラクティス サブスピーシズ クレモリス エフシー株、以下クレモリスFC株)を分離し、安全に家庭で植え継ぐことの出来るカスピ海ヨーグルトの種菌やそれを用いた製品開発を行ってきました。その健康効果については既に整腸効果や肌機能低下の予防効果など、数多くの学術報告が行われています。
今回、大阪市立工業研究所の畠中芳郎先生との共同研究で、カスピ海ヨーグルトの物性において最大の特徴である「粘り」に着目し、物理的な評価を行いました。その結果、クレモリスFC株で作ったヨーグルトは他の乳酸菌株で作ったヨーグルトと比較して、やわらかいけれども弾力性があり、糸いと曳ひきは強いけれどもべたつきが少ないという特徴を有し、飲み込みやすさに長けた性質を示すことがわかりました。また、クレモリスFC株で作ったヨーグルトに含まれる多糖の量が他と比較してきわめて多いこと、さらにその多糖がヨーグルトの中でネットワーク構造を形成していることから、クレモリスFC株が生成する菌体外多糖がカスピ海ヨーグルト特有の物性に関係しているものと考えられました。
ヨーグルトはたんぱく質などの栄養が豊富で、やわらかく流動性のあることから嚥下(えんげ)が困難な高齢者の介護食にも適していると言われています。今回の研究結果からは、カスピ海ヨーグルトの物性が他のヨーグルトに比べて飲み込みやすい事が示されており、今後、高齢者に向けた機能性食品としても期待されます。
さらにこれまでの当社の研究から、クレモリスFC株の菌体外多糖は精神的ストレスによる肌機能低下の予防効果など、生体機能に有益であることが分かっています。
以上のことから菌体外多糖を多く含んだ、粘りの強いカスピ海ヨーグルトの摂取によって、特徴的な食感が楽しめると同時に幅広い年齢層の人の健康維持がより強くサポートされることが期待されます。
この研究成果は、日本食品科学工学会第54回大会(会期:2007年9月6日(木)~9月8日(土)、会場:中村学園大学、福岡県福岡市)において発表いたします。
*以下、発表内容の詳細は添付資料をご参照ください。