■背景
近年、企業がインターネットを利用してホームページで自社のPRやインターネット販売を行ったり、メールで取引先や顧客との連絡を行うことがあたりまえになっています。しかし、自社でのサーバー運用は、近年のセキュリティを維持した運用を行ったり、障害に対する対応など企業にとって大きな負担になるため、レンタルサーバを利用した運用がされています。
しかし、レンタルサーバーにした場合に、レンタルサーバーの運用先がDNSサーバーの管理まで行っているため、レンタルサーバー業者が倒産したり、他の業者に乗り換える場合に、本来ユーザーの財産であるはずのDNSドメインの管理権限がユーザー側で管理されていないため、移行に煩雑な手続きが必ず必要となり、スケジュール従ったスムーズな移行ができなくなるという問題があります。
これを避けるため、DNSサーバだけは自社サーバーで運用することが勧められます。
しかし、DNSサーバーを動作させるためだけに、無停電電源付きのパソコンを準備し、これにOSをインストールして、さらにDNSの設定を行うことは大きな負担になります。また、24時間運用するための電力も必要になります。
今回の IPnuts4.0用のDNSサーバー向けのオプションパッケージソフトウェアは、これらの問題を解決します。
■IPnuts4でのDNSサーバの運用
IPnuts4.0は、パソコンをアプライアンスファイアーウォールにするためのソフトウェアですが、ダウンロード版とCF版があります。いずれもハードディスクを必要とせず、RAMディスクで動作するため通常のサーバーに付きまとうシャットダウン操作も必要ありません。また、設定ファイルもフロッピーディスクにすべて保存されるため、障害からの復旧も、バックアップフロッピーをさして、IPnutsを再起動するだけで、元の設定で動作するように設計されています。
また、ハードディスクを使用しませんので、低消費電力で、静音なサーバーを構築することができます。さらに、 面倒なインストールの必要もありませんし、300MHz程度のCPUと64MBのメモリで十分動作しますので、中古パソコンの有効利用もできます。
今回のDNSサーバー用のオプションパッケージソフトウェアは、このIPnuts4.0に追加して使用することで、IPnuts4.0の本来のセキュリティを確保した上で、運用性に優れたDNSサーバー機能を提供するものです。
DNSには最新のBIND9.2.3を利用し、通常どおり設定するだけで、DNSサーバとなります。
ネットワーク構成としては、IPnuts4.0のファイアーウォール機能との兼用も可能ですが、セキュリティ上、ファイアーウォールとは別に通常のDNSサーバとして利用することをお勧めします。また、IPnuts4.0自体ファイアーウォールですので、単体で利用する場合には、別途ファイアーウォールを準備する必要はありません。
DNSサーバー用のオプションパッケージは、セサミオンラインショップよりエキストラメンバーキー(\\3,800- 1年間有効)を購入し、エキストラメンバーとなることで、ダウンロードできるようになります。このオプションパッケージは以下の商品で利用できます。
・IPnuts 4.0r2 CDROM
・IPnuts 4.0r2 BASIC
・IPnuts 4.0r2 VPN