日本イーライリリー、悪性胸膜中皮腫治療薬「アリムタ注射用500mg」を発売
悪性胸膜中皮腫治療薬「アリムタ(R)注射用500mg」発売
日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、社長:ニュートン F.クレンショー)は、2007年1月4日に悪性胸膜中皮腫治療薬「アリムタ(R)注射用500mg」(一般名:ペメトレキセド、以下アリムタ)の製造販売承認を取得しました。1月19日の薬価基準収載を受け、1月22日より、悪性胸膜中皮腫治療薬「アリムタ(R)注射用500mg」(以下、アリムタ)の受注および出荷を開始いたします。「アリムタ」は、抗悪性腫瘍薬であるシスプラチンとの併用療法により、この適応の承認を受けています。
アリムタ・シスプラチン併用療法は、海外におけるシスプラチン単剤との比較試験において、その効果が証明されました。この比較試験には、20カ国から448名の患者さんが参加しました。
<<海外での臨床試験結果抜粋>>
●生存期間中央値:併用療法群(12.1カ月)、シスプラチン単剤群(9.3カ月)
●奏効率:併用療法群(41.3%)、シスプラチン単剤群(16.7%)
●1年生存率:併用療法群(50.3%)、シスプラチン単剤群(38.0%)
国内での併用療法での第I/II相臨床試験では、アリムタ500mg/m2・シスプラチン75mg/m2の投与を受けた19名中、7名に腫瘍縮小効果が見られました(※1)。(奏効率:36.8%)
(※1)腫瘍の縮小の判定方法:測定できる腫瘍の大きさの積が50%以上の減少または、腫瘍の長さまたは胸膜病変の厚みが30%以上減少。
アリムタは、2005年1月24日に開催された第1回未承認薬使用問題検討会議の検討対象に取り上げられました。弊社でも、患者さんや医療関係者の皆様のニーズにお応えすべく、アリムタおよび本併用療法の早期申請・承認に向けて尽力してまいりました。
【アリムタの適正使用の推進と販売体制について】
厚生労働省と協議の結果、日本国内での本併用療法の使用経験がまだ十分ではないため、発売後一定期間は一定の基準を満たす医療機関に本剤を納入させていただくことになりました。発売後は、承認条件でもある全症例を対象とした特定使用成績調査を実施します。使用実態下での安全性情報を蓄積し、それに基づく迅速な情報提供を行うことで、本剤の適正使用の推進を図ってまいります。
なお、特定使用成績調査で得られた本併用療法の安全性情報については、医薬情報担当者(MR)を通じて医療関係者に随時提供させていただくとともに、弊社ホームページ( http://www.lilly.co.jp/CACHE/index_page_pageobj894_.cfm )上にも、調査の結果ならびに安全性情報を公開し、定期的に更新してまいります。さらに、アリムタの納入施設についてもホームページ上で情報提供させていただく予定です。また、患者会とも連携をはかりながら、患者さんやご家族への情報開示にも努めてまいります。
<<納入先医療機関の基準>>
発売後一定期間は、下記の基準を全て満たす医療機関に納入させていただき、安全性の確保ならびに適正使用の推進を図ってまいります。
1.がん化学療法に精通した医師が治療に従事している。
2.がん化学療法に精通した薬剤師、看護師が勤務している。
3.がん化学療法に関連した緊急事態に対応可能である。
4.本剤の市販後の特定使用成績調査に協力可能である。
アリムタ・シスプラチンの併用療法において報告されている主な副作用は、悪心・嘔吐、食欲不振、倦怠感、白血球・好中球・ヘモグロビンの減少などです。また、本併用療法での国内での臨床試験中に1名の患者さんにおいて投与前に認められた肺炎が悪化し死亡されたことが報告されています(本併用療法とこの肺炎の発症との直接的な因果関係は否定されていますが、本併用療法が肺炎の増悪に関与した疑いは否定されていません)。
アリムタとシスプラチンの併用療法による国内での臨床試験成績につきましては、弊社ホームページ( http://www.lilly.co.jp/CACHE/index_page_pageobj482_.cfm )にて公開しております
◆代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤「アリムタ(R)注射用500mg」の概要
(※ 関連資料を参照してください。)