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2025'02.13.Thu
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2007'07.04.Wed

富士通研究所など、中国語ブログからの評判分析技術の開発に成功

中国語ブログからの評判分析技術の開発に成功


 株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所(注1))と富士通研究開発中心有限公司(以下 FRDC(注2))は、中国語のブログや掲示板など大量のテキストコンテンツから企業や製品についての評判情報を抽出し、「良い」「悪い」だけでなく、ネットワーク上の消費行動モデルであるAIDEES(アイデス)モデル(注3)に基づいて分析する技術の開発に成功しました。

 本技術は、特に中国進出している、または進出を計画している日系企業に対して、中国市場における企業や製品情報のマーケティング分析を可能にします。


開発の背景

 Web2.0という言葉に代表されるように、ユーザーによるネットワークサービスの積極的な利用形態は、時代の大きな流れになっています。中でもブログや掲示板、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)など、ユーザーが発信するメディアであるCGM(Consumer Generated Media(注4))は急速に普及しており、それらのコンテンツをビジネスに活用する試みも盛んになってきています。富士通研究所ではCGMの文章を自動で解析して評判情報を抽出し、AIDEESモデルに基づいて分析する技術を開発してきました。ニフティ株式会社(以下、ニフティ(注5))では、これをマーケティングサービス「BuzzPulse」(注6)として2006年4月より提供を開始しています。

 一方、日系企業の中国進出に伴い、日本国内だけではなく中国現地での企業や製品の評判を定量的に分析してほしいというニーズが増えています。中国国内のブロガーは年々増加しており、現在約770万人もいると見られています(2006年8月、CNNIC調べ)。そこで日本だけではなく中国のCGMを対象とした評判分析技術が求められていました。


開発した技術

 中国語CGM評判分析技術の開発にあたって、まず、富士通研究所で開発した評判情報分析処理モジュールを言語依存部分と非依存部分という観点で切り分けを行いました(図1)。

 言語依存部分に関してはFRDCと共同で開発してきた形態素解析(単語切り技術)や、「良い」「悪い」などの評価表現の辞書などの中国語処理技術を適用し、さらに日本で開発したAIDEESモデルの中国語対応を行いました。中国語対応に関しては、単なる日本語からの翻訳ではなく、中国語独自の評価表現やAIDEESモデルの各フェーズに関わる表現を新たに追加しています。また、復旦大学(注7)や華中師範大学国家言語資源監視研究センター(注8)などの中国国内の言語処理の専門機関などと協力して開発を進めることにより、評判情報の分析精度の向上に成功しています。

 図1 言語依存部分と非依存部分の切り分け 
  
   ※添付資料を参照


効果

 日系企業の進出が多く、またブログや掲示板での発言数が多い自動車業界関連のデータを中心に数千万規模のコンテンツを収集し、中国語評判分析システムを作成しました。企業や自動車の「良い」「悪い」といった評判情報の推移を時系列にグラフで表したり、そのときに頻出する評価表現をリストアップすることができます(図2)。さらに複数の企業や車種間で、評判の違いを比較しやすい形式で可視化することも可能です(図3、背景の色が濃いキーワードはネガティブな評価表現、薄いキーワードはポジティブな評価表現を表し、線が太いほど多くのキーワードが使われていることを表す)。

 このような機能を用いて、たとえば日本と中国で同時期に発表された車種の評判や日本市場と中国市場でのブランドイメージをリアルタイムに比較し、さらにAIDEESモデルの各フェーズに対応した対策を取るなどのグローバルマーケティングへの利用が考えられます。

 図2 ある自動車メーカーに関する評判の時系列変化のグラフ 
 
   ※添付資料を参照


今後

 中国国内の大手ISPである捜狐公司(注9)の協力を得て、億単位の膨大な中国語のCGMを効率的に収集し、自動車業界以外のCGMデータについても分析を進めます。また、今回開発した技術をニフティの「BuzzPulse」に適用し、中国でビジネスを行う日系企業をターゲットとしたマーケティングサービスを検討していきます。さらに、英語など中国語以外の言語への適用(多言語化)も同時に進めていく予定です。

 図3 自動車メーカー3社の評判を表すキーワード群を可視化した例 
 
   ※添付資料を参照


以上


注釈

注1 株式会社富士通研究所: 
 代表取締役社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。 

注2 富士通研究開発中心有限公司: 
 董事長 吉川誠一、所在地:中国北京市。略称FRDC(Fujitsu Research and Development Center)。1998年設立。 

注3 AIDEES(アイデス)モデル:
 丸の内ブランドフォーラム代表の片平秀貴氏が提唱するCGMを前提とした消費者行動モデル。消費者行動の各フェーズAttention(認知),Interest(関心),Desire(欲求),Experience(経験),Enthusiasm(熱中),Share(共有)の頭文字をつなげたもの。

注4 CGM(Comsumer Generated Media): 
 ブログや掲示板など消費者によって生成されるメディアの総称。 

注5 ニフティ株式会社: 
 代表取締役社長 古河建純、本社 東京都品川区。 

注6 「BuzzPulse」:
 ブログを中心としたネット上の口コミ(クチコミ)評価分析からコンサルティングまでをサポートする企業向けのマーケティングサービス。
 (2006年3月30日発表、ニフティ、「BuzzPulse(バズパルス)」開始)
  http://www.nifty.co.jp/cs/05shimo/detail/060330001391/1.htm

注7 復旦大学: 
 学長 王生洪水、所在地 中国上海市。 

注8 華中師範大学 国家言語資源監視研究センター: 
 学長 馬敏、所在地 中国湖北省武漢市。 

注9 捜狐公司(Sohu.com Inc.):
 CEO 張朝陽、所在地 中国北京市。 


関連リンク

・富士通研究所
 http://jp.fujitsu.com/group/labs/ 
・富士通研究開発中心有限公司
 http://www.fujitsu.com/cn/frdc/ 
 

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