富士経済、機能志向食品に関する市場調査結果を発表
機能志向食品に関する市場調査を実施
―機能志向食品は2007年に6,321億円予測―
総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役 阿部英雄03-3664-5811)は、このほど健康美容食品市場を効能・効果別に15分野に分類して市場の構造や特性、トレンドについて調査・分析を行った。その結果を調査報告書「H・Bフーズマーケティング便覧 2007 No.2(機能志向食品編)」にまとめた。本報告書では、味覚よりも機能面を重視した商品設計で一般用医薬品との競合が予想される商品である機能志向食品を健康食品とシリーズサプリメントに分類して調査分析した。
<機能志向食品>
機能志向食品とは味覚よりも機能性を重視した商品であり、健康食品とシリーズサプリメントが対象になる。
健康食品:
(財)日本健康・栄養食品協会で定めるところのJHFA規格品に加え、規格外の健康食品も違法性が明らかな成分を使用していないものは原則として含む。剤型的には、医薬品的形状のものを主な対象とする。
シリーズサプリメント:
健康食品のうち、ビタミン・ミネラル類などのアイテムを各種取り揃えたシリーズ展開の健康食品(剤型的には医薬品的形状が主体)を「シリーズサプリメント」と呼称する。
<調査結果の概要>
1.機能志向食品市場
2006年見込 6,278億円 2007年予測 6,321億円(前年比 100.7%)
機能志向食品市場は、2006年は前年比99.7%の6,278億円と見込まれる。2007年は微増で6,321億円になると予測される。効能別に市場をみると2007年は、骨強化が関節痛対策にサプリメントや健康食品を摂取する人が増えた事で前年比105.4%の282億円となり、肝機能改善が「ウコンの力(ハウス食品)」の好調持続により同104.4%の269億円、ターゲット層を絞った商品が好調に推移する美肌効果が同102.7%で671億円になると予測される。
2006年はアガリクスに発がん性物質が含有しているという指摘が大きな問題になった。アガリクスは、医療代替をコンセプトに認知され、セルフ販売にも対応し、機能志向食品において位置付けの高い素材であった。素材イメージの低下に伴い、流通面で取り扱いの見合わせもあり、さらには健康食品自体を疑問視する流れへと発展し、機能志向食品全体の伸び悩みにつながった。大豆イソフラボンも一日あたりの上限摂取量の見解が二転三転した。セルフ購買が主流の中でイメージ低下の影響は大きく、これらの市場は縮小に転じている。機能志向食品は今後機能性・安全性をあわせた法令順守体制の確立が求められ、中長期的な視点に立てば機能面に関して科学的なデータの裏づけのない商品は淘汰の方向に向かう。
2.健康食品・サプリメント市場
種類 2006年見込 2007年予測 対前年比
健康食品 5,105億円 5,111億円 100.1%
シリーズサプリメント 1,173億円 1,210億円 103.2%
2006年の健康食品市場は、機能志向食品の81%を占め、5,105億円と見込まれる。2007年はほぼ横ばいの5,111億円になると予測される。貧血予防・改善やダイエット市場は減少が予測されるが、滋養強壮、美肌効果の分野は拡大が予測される。
シリーズサプリメントは、2007年に前年比103.2%の1,210億円になると予測される。5%以上の成長が予測される市場は、ダイエット(112.5%)、骨強化(108.8%)、視覚改善(107.8%)、肝機能改善(106.9%)となっている。
3.注目市場
●骨強化
2006年見込 267億円 2007年予測 282億円(前年比 105.6%)
骨強化市場は、カルシウム訴求商品がシリーズサプリメントで拡大した事とグルコサミン商品が消費者に認知され受け入れられた事で拡大を続けている。
慢性的な摂取不足が指摘されるカルシウムを必須ミネラルの一つとして取り入れる消費者が増加していることから、市場は堅調に推移すると見込まれる。カルシウムの補給をめぐっては健康志向食品や一般加工食品・飲料などとの幅広い競合関係にある。今後は骨強化市場におけるグルコサミン商品の位置付けが一層高まり、新規需要の取り込みによる市場拡大が見込まれる。グルコサミン商品は関節痛対策という明確な訴求ポイントが消費者に受け入れられ、好調を維持し骨強化市場を牽引する素材となることが確実視される。また、高齢者層の増加という潜在顧客の多さもあり、グルコサミンをベースに複合配合による機能強化により差別化につなげる動きが活発化しており、今後はカルシウム補給も兼ねたマルチ型商品の登場が見込まれる。
●美肌効果
2006年見込 654億円 2007年予測 671億円(前年比 102.6%)
化粧品の高機能化と並行して、体の内側から肌をケアする健康食品、シリーズサプリメントも高い効果感を求められており、そうした消費者のニーズに対して活発な商品の開発と市場投入が進んでいる。そのため、ビタミンC、コラーゲンなどの単体の成分からなる商品の訴求力が低下している。
2004年以降に顕著になった増量、成分開発、複合成分化などによる強化商品が投入される傾向が続くとともに、エバーライフの「皇潤」、明治製菓の「アミノコラーゲン」などのようにターゲット層を絞った商品が好調な実績を示している。商品の効果に対する評価だけでなく、まとめ買い、定期購入時の割引などもリピーター育成につなげやすく、今後も通販チャネルが市場を牽引する状況が続くとみられる。また、商品の切り口としては主に働く女性をターゲットにした美容・美肌訴求商品群と、うるおい補給に加え関節痛緩和を訴求し中高年層にターゲットを絞った「皇潤」などの美容+健康訴求商品群へ二極分化が進んでいく方向にある。
●滋養・強壮
2006年見込 792億円 2007年予測 814億円(前年比 102.8%)
滋養・強壮市場は、ローヤルゼリー、ニンニク、オタネニンジンなど広く知られた滋養強壮成分で70%強のウエイトとなり、リピート需要を確保しているため安定した推移を示している。健康食品では通販ルートで展開する健康家族や山田養蜂場が大幅に実績を伸ばし、市場を牽引している。また、シリーズサプリメントではサントリーを中心にマカを商品ラインナップに加え好調に推移してきた。団塊世代の大量退職を控え、アクティブな同年代層の滋養・強壮の需要が拡大すると見込まれるため、今後も市場は拡大していくと見られる。
<調査対象分野・成分>
1.滋養・強壮 2.肝機能改善 3.美肌効果 4.整腸効果 5.ダイエット 6.生活習慣病予防 7.免疫賦活作用 8.血行促進 9.栄養バランス 10.骨強化 11.貧血予防・改善 12. 視覚改善作用 13. マルチバランス 14.ホルモンバランス 15.リラックス
<調査方法>
富士経済専門調査員によるヒアリング調査および各種公開資料等による文献調査
<調査期間>
2006年10月~12月
以上
資料タイトル:「H・Bフーズマーケティング便覧 2007 No.2-機能志向食品編―」
体裁 :A4判 228頁
価格 :100,000円(税込み 105,000円)
調査・編集 :富士経済 東京マーケティング本部 第2事業部
TEL:03-3664-5831 (代) FAX:03-3661-9778
発行所 :株式会社 富士経済
〒103-0001東京都中央区日本橋小伝馬町2-5 F・Kビル
TEL03-3664-5811 (代) FAX 03-3661-0165
e-mail: info@fuji-keizai.co.jp
この情報はホームページでもご覧いただけます。
URL: http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
URL: https://www.fuji-keizai.co.jp/