J.D.パワー、「2006年南アフリカ自動車初期品質調査」結果を発表
南アフリカの自動車初期品質、セグメント別ランキングで
トヨタが4セグメント、ホンダが2セグメントでトップ
2006年南アフリカ自動車初期品質調査(IQS)
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見南海男、略称:J.D. パワー)は、2006年南アフリカ自動車初期品質調査(Initial Quality Study、略称IQS)の結果を発表した。
当調査は、新車購入時から3~7ヶ月経過した車のユーザーを対象に、南アフリカにおける自動車の初期品質を調べるものである。今回の調査では、ユーザーが知覚する品質をより詳細に反映することが可能となるよう調査内容を全面的に変更している。
車両性能別に9つのカテゴリーに分類される228の詳細項目に関するユーザー不満を、100台当たりの不具合指摘件数として算出する(単位はPP100:Problems per 100 Vehicles、数値が小さいほど不具合指摘が少なく、品質が良いことを示す)。9つのカテゴリーは「外装分野」、「走行性能分野」、「装備品分野」、「オーディオ/エンターテイメント/ナビゲーション分野」、「シート分野」、「空調関係分野」、「内装分野」、「エンジン・トランスミッション分野」、「その他不具合」である。
3回目となる今回の調査は、2005年12月から2006年4月の間に新車を購入した人を対象に2006年7月から8月にかけて郵送調査を実施し、9,600人以上から回答を得た。
◆新車ユーザーの間で、設計起因の不具合に対する関心が高まる◆
車両品質の改善が進んだことにより、顧客は「壊れる」、「動かない」といった製造に起因する不具合のみならず、「使い勝手が悪い」など主に設計に起因する不具合にもより多くの関心を向けるようになってきた。今回の調査ではこうした傾向を考慮し、より詳細な分析を可能とするために、不具合指摘項目を「製造不具合」と「設計不具合」の二つに分類した。
今回の調査結果で、製造不具合の指摘件数が少なかったのはアウディ、BMW、ホンダ、メルセデス・ベンツ、スバルで、設計不具合の指摘件数が少なかったのはアウディ、ダイハツ、ホンダ、スバル、トヨタ、ボルボだった。
メーカーはユーザーの知覚する品質を十分に把握しユーザーを満足させるために、製造不具合と設計不具合の両面を見る必要がある。たとえば、BMWの車はホンダやメルセデス・ベンツと共に製造不具合の指摘が少ないが、ホンダやメルセデス・ベンツと比べて設計不具合が全般的に多い。「装備品分野」における取り組みがその要因となっている。
当調査では「製造不具合」と「設計不具合」の両方における不具合指摘件数をもとに、ブランド別およびセグメント別ランキングをまとめた。
<ブランド別ランキング>
乗用車のブランド別ランキングでは、今回もホンダが首位を守った。スコアは150PP100だった。第2位はBMW(154PP100)で、以下、メルセデス・ベンツ(157PP100)、スバル(166PP100)、アウディ(169PP100)が続く。
また、ヒュンダイ、トヨタ、起亜、シボレー、ダイハツが10位内に入った。
ピックアップトラックのブランド別ランキングでは、第1位がトヨタ(202PP100)、第2位がいすゞ(267PP100)だった。
<セグメント別ランキング>
トヨタの4モデルがセグメント別ランキングのトップに立った。中でもコンパクトSUVセグメントで第1位となったRAV4は、ランキング対象となったモデルの中で不具合指摘件数が最も少なかった。トヨタのモデルで他にセグメント別ランキングのトップになったのは、タズ(アッパー・コンパクトカー)、ハイラックス・シングルキャブ(1トン・シングルキャブ・ピックアップ)、ハイラックス・ダブルキャブ(1トン・ダブルキャブ・ピックアップ)である。
トヨタの他に複数のセグメントで第1位にランクされたのはホンダで、シビックがアッパー・スモールカー・セグメントで、ジャズがローワー・スモールカー・セグメントで第1位となった。ジャズはランキング対象モデルの中で特に不具合指摘が少なく、ランキングトップは今回で3年連続となる。
その他のセグメントで第1位となったのは、ヒュンダイ・アトス(ローワー・コンパクトカー)、フォルクスワーゲン・トゥーラン(コンパクトMPV),オペル・コルサ・ユーティリティー(コンパクト・ピックアップ)、BMW3シリーズ(ミディアムカー・セグメント)だった。BMW3シリーズは3年連続でトップに立った。
<工場別ランキング>
工場別ランキングは製造不具合のみが対象となる。第1位はBMWのロスリン工場だった。スコアは88PP100で、同工場の1位は今回で3年連続となる。第2位はメルセデス・ベンツCクラスを製造しているダイムラー・クライスラーの乗用車工場(104PP100)、第3位はトヨタ・ハイラックス・ピックアップを製造しているトヨタのダーバン工場のトラックライン(155PP100)だった。
< 株式会社J.D. パワー アジア・パシフィックについて >
当社は米国J.D. パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。ISO9001およびプライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイト www.jdpower.co.jp まで。
< J.D. パワー・アンド・アソシエイツについて >
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D. パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。ISO9001取得。
< ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて >
1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズは、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D. パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界40カ国に280カ所以上の拠点を有し、2005年の売上高は60億ドルにのぼる。詳細はウェブサイト www.mcgraw-hill.com まで。