ザイン、フルHDテレビ倍速表示対応の高速LVDS製品を開発
フルHDテレビ倍速表示対応の高速LVDS新製品のお知らせ
-業界で初めてピクセルレート160MHz、色階調10bitに対応、画像伝送品質を向上しトータルコストを低減-
当社は、画像用のデジタル伝送用高速インターフェースであるLVDS(注1) LSIのリーディング企業であり、業界で初めて、画像情報伝送速度(ピクセルレート)160MHzの高速性能を実現し、フルHDテレビ(注2)1080p(注3)などに対応する新製品を開発いたしましたのでお知らせいたします。
テレビ市場においては画像の解像度の向上、表示色彩の向上、高画質化が進んでおり、画像デジタルデータの伝送には高速化、伝送品質の向上に対するニーズが強まっています。また、液晶テレビにおいては動画性能を向上するため1秒間に従来60枚のフレームで画面を表示していたものを120枚で表示する倍速化のニーズがあり益々画像デジタル伝送の高速化が加速されています。さらに、信号伝送時に周りの電子機器・部品に影響を与える電磁的ノイズ輻射(EMI(注4))を低減することも性能面では重要な課題となっています。
今回開発した新製品は、フルHDテレビ1080pで要求されるピクセルレート148.5MHz、色階調10bitに対応しながら、従来の製品と比較して伝送ケーブル数を半減させるメリットがあります。また、電磁的ノイズ輻射を低減するために使われる周波数拡散(SS:Spread Spectrum)という手法にも対応するため最高ピクセルレートは160MHz という高速性能を達成しています。
上記のピクセルレート160MHz、色階調10bitに対応した新製品は、送信用LSI としてTHC63LVD105(画像信号RGB各10bit入力1系統に対応)、THC63LVD1025(画像信号RGB各10bit入力2系統に対応)の2製品を用意しております。また、受信用LSIとしては、液晶パネルに搭載される画像信号処理LSI製品(タイミング・コントローラ)となります。これらの出荷時期はTHC63LVD105が2007年第1四半期、THC63LVD1025およびタイミング・コントローラが第2四半期を予定しております。
新たな高速LVDS LSIは今後のテレビ市場における高画質化、ピクセルレート・色階調の増加、低EMI化要求に応える新製品であり積極的に市場開拓を行ってまいります。また、テレビ・画像処理チップメーカーに回路設計資産(IP)供給の話を進めております。
■倍速表示対応の高速LVDS新製品の特長
-ピクセルレート160MHz
-色階調RGB10bit
-EMIを低減するために使われる周波数拡散方式(SS:Spread Spectrum)に対応
-従来のLVDSに比べてフルハイビジョンテレビでケーブル本数を半減しトータルコスト低減、省スペース化を実現
-電源電圧変動に対する耐性を強化
(注1)LVDS: Low Voltage Differential Signalingの略。LCD(TFT)等フラットパネルの画像データ伝送において広く用いられる高速差動信号伝送方式
(注2)フルHDテレビ: 1080pを用いた高解像度(high definition)テレビを指し、テレビの標準画質(解像度720×480)の12倍のピクセル総数を持つ高画質を実現する。
(注3)1080p: プログレッシブ方式による解像度1920×1080による画面モードのことを指し、ハイビジョンテレビの最高品質モードとして定義されている。プログレッシブ方式は、従来の地上波テレビ(NTSC)で用いられるインターレース方式(走査線を1本おきに飛び越す走査線により画像をつくる方式)と異なり、全ての走査線により画像を作るので、より高精細画像となる。
(注4)EMI: Electro-Magnetic Interference(電磁障害)の略。電磁障害とは、電磁的ノイズ輻射によって引き起こされる装置、伝送チャネルまたはシステムの性能低下のこと。
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