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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'02.06.Thu
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2007'08.07.Tue

フジタ、長野市内のPET施設工事に医療施設向け多機能低放射化コンクリートを適用

世界初 医療施設向け多機能低放射化コンクリートを実用化
JA長野厚生連のPET施設新築工事に適用


 株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:網本勝彌)は、従来の低放射化※1コンクリートと比べ1.7倍以上中性子遮蔽性能が高く、無収縮性も備えた「多機能低放射化コンクリート」を独自開発し、長野市内で建設中のPET※2画像診断施設に付帯した医療用小型サイクロトロン装置※3の放射線遮蔽体として、世界で初めて実用化しました。(特許出願中)
 材料の遮蔽性能向上に伴い、遮蔽壁や遮蔽床の厚さを低減できるため、建物内の有効スペースが増加します。また、無収縮性を実現したことにより、ひび割れが入りにくく、充填コンクリートとしても使用できるなど、遮蔽体としての性能を十分に確保します。

 先端医療分野の目覚しい発展を背景に、がんの早期発見など予防医学の見地からPET検査を実施する検診施設の需要が急速に高まっています。PET検査用の診断薬※4はPET施設に併設したサイクロトロン装置で製造する必要がありますが、同装置は放射線を発散するため、装置の規格仕様に応じた重厚なコンクリート遮蔽体(厚さ0.4~2.0m程度)で囲い、RI施設※5として厳格な管理が必要です。最近多用されている自己遮蔽型サイクロトロンの場合においては、遮蔽壁厚さを0.4~0.6m程度まで薄くすることができますが、機械本体下方に対しては自己遮蔽していないため、非自己遮蔽型と同様の遮蔽床が必要となります。
 遮蔽体コンクリートに閾値(しきいち)※6以上の放射能が蓄積した場合、廃棄処分するには広大な放射性廃棄物埋設処分地の長期にわたる確保が必要となり、将来の莫大な費用負担が懸念されます。

 当社はコンクリートの残留放射能の問題にいち早く着目し、1993年には普通コンクリートに比べ放射能の蓄積が極めて少ない低放射化コンクリート(蓄積放射能比1/10~1/50)を開発し、実績※7を重ねてきました。
 このたびの多機能低放射化コンクリートの開発では、特に遮蔽性能を追求するためにコンクリート中にボロン化合物を添加し、従来の当社が開発してきた低放射化コンクリートに比べ1.7倍以上の中性子遮蔽性能を実現しました。また、ボロン化合物の添加による諸影響を考慮した配合設計により、コンクリートとしての基本的物性は通常のコンクリートと同程度以上とし、さらに無収縮性も兼ね備えることができました。
 これらの開発から、遮蔽体の厚さを従来より40%以上薄くできるため、RI施設をコンパクトにして医療施設としての有効な面積を多く確保できたり、階高を押さえられるなどのメリットが生じるほか、無収縮性を実現したことにより、ひび割れが入りにくく、充填コンクリートとして使用しても一体性が確保でき、遮蔽体としての性能を十分に発揮できます。
 
 今回、JA長野厚生連(長野市、滝澤瑛光理事長)様、株式会社CMI(東京都渋谷区恵比寿、木戸章夫社長)様のご承認を得て、「長野PET・画像診断センター」新築工事(長野市若里)のサイクロトロン施設へ、世界で初めて多機能低放射化コンクリートを適用しました。今回は、施工上の理由から、現場打設の方式を採用しましたが、従来どおり工場で製作するプレキャストコンクリート(PCa)での施工も可能です。
 当社は、今後も需要増大が見込まれるPET関連施設や(重)粒子線がん治療施設をはじめとする先端医療施設にこの技術を積極的に提案してまいります。それにより、当社の営業重点分野の一つである医療福祉施設の受注拡大を図る一方、将来発生が懸念される放射性廃棄物の最小化に貢献してまいります。


※1 低放射化:放射化しにくいという意味。放射化とはある物質に中性子や陽子などの放射線が衝突すると核反応が起こり、γ線やβ線などの放射線を放出する放射能を持つようになること
※2 PET:がん検診等に用いる陽電子放射画像診断装置(Positron Emission Tomography)の略
※3 医療用小型サイクロトロン装置:PET、SPECT用の放射性医薬品を製造する小型の陽子加速器
※4 PET検査用診断薬:18F-フルオロデオキシグルコース(FDG;18F-fluorodeoxyglucose)など
※5 RI施設:放射性同位体(Radioisotope)施設の略
※6 閾値:それより低ければ生物的反応に放射線の影響がない線量値
※7 実績:PCa工法化により、日本メジフィジックス株式会社の8ヵ所のPET用製剤施設への導入(2003~2004年度)および中電病院PET検診センター(2005年度)への導入


【JA長野厚生連 長野PET・画像診断センター新築工事の概要】

施工場所: 長野県長野市若里六丁目
事業者:   長野県厚生農業共同組合連合会(JA長野厚生連)
納入者:   株式会社CMI
設計者:   株式会社誠設計事務所
施工者:   株式会社フジタ名古屋支店
工 期:   2006年7月1日~2007年2月28日
工事内容: 建築面積  1,004 m2     延床面積  1,669 m2
        構 造    RC造 地上2階
        用 途    病院施設(診療所)

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