日立、セキュリティや監査支援機能強化のエンタープライズサーバー「AP8000EX」など販売
メインフレーム製品であるエンタープライズサーバ「AP8000EX」と
オペレーティングシステム「VOS3/LS」において内部統制支援機能などを拡充
日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:篠本 学、以下 日立)は、このたび、メインフレーム製品であるエンタープライズサーバ「AP8000EX」およびオペレーティングシステム「VOS3/LS」において、金融商品取引法による内部統制報告制度(通称:日本版SOX法)への対応として、セキュリティ機能や監査支援機能などを強化し、2月23日から販売を開始します。
企業活動の社会的責任が高まる中、経営情報の適正性を確保するための実績報告と監査を義務付ける金融商品取引法が2008年4月から適用され、内部統制への対応が必要不可欠となります。ITシステムにおいても、データへのアクセス制御や、参照・操作の履歴管理・保管などを効率的かつ適切に支援する役割が求められています。
そこで今回、基幹情報システムの中枢を担う「AP8000EX」および「VOS3/LS」においても、内部統制を支援するセキュリティ機能や業務の適正化を示すことができる監査情報の拡充、および運用性向上を図りました。また、ユーザーの既存業務を有効に活用し、迅速に新たな業務を構築できるサービス指向アーキテクチャー(以下、SOA)基盤との連携機能も強化しました。
日立は今後も、ユーザーの既存資産を継承し、高信頼、高可用な基幹情報システムの構築をサポートする製品の提供と運用支援を継続していきます。
●製品強化の特長
1.日本版SOX法対応セキュリティ機能の強化
(1)監査証跡の拡充
メインフレーム向けデータベースである統合DB/DCシステム「XDM」において、システムへの侵入、不正アクセスの監査情報として、これまでのユーザー認証結果、ユーザーID、アクセス時刻、データや業務プログラムといったユーザー資産などの情報に加え、XDM運用コマンドの実行履歴も取得可能です。
(2)オンライン業務の認証機能を強化
データコミュニケーションマネージメントシステム「XDM/DCCM3」のトランザクション処理において、「総合利用者管理機能」と連携することにより、アクセス権の認証機能を強化しました。ユーザーIDでの認証に加え、使用端末名称認証を追加したことで、なりすましなど不正な端末を利用したXDMへのアクセスを防止できます。
(3)監査証跡情報の管理・運用性を向上
監査証跡情報の複数データセットへの分散出力およびマージ機能を提供し、情報の管理・運用性の向上を図ります。
(4)暗号化アルゴリズムAES*1をサポート
暗号ライブラリ「VOS3/Keymate」の暗号アルゴリズムに電子政府推奨暗号として認定されたAESをサポートしました。データセットの暗号/復号化を行うユーティリティーも提供するため、プログラムを作成することなく容易にデータの暗号化が可能です。
*1 AES(Advanced Encryption Standard):米国政府の次世代標準暗号化方式でブロック暗号方式の一種。日本の電子政府推奨暗号としても認定。
2.SOA対応機能を強化
SOAに基づいたアプリケーション基盤ミドルウェアのシステム実行環境uCosminexus Service Platformと連携することで、VOS3/LS上の業務をオープンサーバ上の業務のように利用することが可能です。これにより、プログラムを変更することなく、VOS3/LS上の業務とオープンサーバ上の業務を組み合わせることができ、新しい業務システムを迅速に構築することが可能です。
3.仮想テープ機能適用拡大や運用性向上によるストレージ管理機能を強化
日立ディスクアレイサブシステム「SANRISE」で磁気テープ装置エミュレーションを行う仮想テープ機能「DMFVTLS」において、JISラベル形式を新たにサポートしました。これにより、すべてのラベル形式において、仮想テープ機能が利用可能になります。また、仮想テープ機能利用時のテープマウント操作やコマンド投入の自動化により、運用性の向上を図ります。
4.アクセラレートプロセッサの適用処理を拡大
命令プロセッサの負荷を抑え、仮想テープ機能「DMFVTLS」やオープン系テープ装置「LTO*2ライブラリ装置」へのバックアップ機能「DMFOPDS」など特定処理を実行するアクセラレートプロセッサにおいて、メインフレーム帳票オープン連携支援「Print Data Exchange分散ライタ」*3、データベースレプリケーション機能「XDM/XT」*4、「VOS3/Keymate」(AES暗号ユーティリティー)を新たにサポートしました。
これにより、アクセラレートプロセッサ上で、メインフレーム帳票データのオープン環境への転送、データベースの一括反映、AESでの暗号化などができるようになり、積極的な業務の拡大や新規業務の導入を支援します。
*2 LTO(Linear Tape Open):Hewlett-Packard社、IBM社、Quantum社の3社が共同開発した大容量高速テープフォーマット。
*3 Print Data Exchange分散ライタ:メインフレーム上の帳票印刷データをPCに転送し、オープンプリンタへの印刷やPDF形式への変換をPCで行うことが可能なソフトウェア。
*4 「XDM/XT」:メインフレーム上のデータベース間、またはオープンサーバ上のスケーラブルデータベース「HiRDB」などとの間で、データの一括反映を可能にするソフトウェア。
5.コンパクトな新LTOライブラリ装置L18/500をサポート
「LTOライブラリ装置」において、LTO Ultrium3規格*5に準拠したドライブを採用し、従来製品よりもコンパクトな8U*6サイズの製品を提供します。バックアップデータの増加に応じたドライブやメディアスロットの柔軟な拡張ができ、ドライブ拡張モジュール(8U)を追加することで、最大113.6[TB](圧縮時)のデータを格納することが可能です。
*5 Ultrium3規格:「LTO」におけるテープフォーマット規格の第3世代。
*6 1U=高さ44.5mm
●オペレーティングシステム「VOS3/LS」関連プロダクトの価格及び出荷時期
製品名 価格*7(月額、税込) 出荷時期
XDM/DCCM3 27万7200円 (税抜26万4000円) 2007年2月28日
DMFVTLS 15万7500円 (税抜15万円) 2007年4月
DMFOPDS 15万7500円 (税抜15万円) 2007年4月
VOS3/Keymate 3万1500円 (税抜3万円) 2007年4月
*7 AP8000/100EXプロセッサ使用時の料金です。
●新LTOライブラリ装置の価格及び出荷時期
製品名 価格(税込) 出荷時期
L18/500 945万円 (税抜900万円) 2007年4月
●他社商標注記
・LTO、Linear Tape-Open、Ultriumは、米国におけるHewlett-Packard Company、International Business Machines Corporation、Quantum Corporationの登録商標です。
・その他、記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
●関連情報
エンタープライズサーバ「AP8000EX」
http://www.hitachi.co.jp/AP/
以上