ルネサステクノロジ、新機能追加した「携帯TV電話ミドルウェアパッケージ」を4月から提供開始
アプリケーション・プロセッサ「SH-Mobile」用のソフトウェア「携帯TV電話ミドルウェアパッケージ」に、H.264とAMR-WBの対応機能を追加
~H.264とAMR-WBによる高品位のTV電話機能を容易に実現可能~
株式会社ルネサス テクノロジ(本社: 東京都千代田区、会長&CEO 伊藤 達)は、このたび、アプリケーション・プロセッサ「SH-Mobile(注1)」を使用する組み込みシステム向けソフトウェア「携帯TV電話ミドルウェアパッケージ」で、3G-324M(注2)規格の追加仕様であるH.264(注3)とAMR-WB(注4)の対応機能を追加しました。機能追加した「携帯TV電話ミドルウェアパッケージ」は、2007年4月から提供を開始します。
「携帯TV電話ミドルウェアパッケージ」は、H.264/MPEG-4(注5)フル・ハードウェアアクセラレータを搭載した「SH-Mobile」用のソフトウェアで、第3世代(3G)携帯電話のオーディオ・ビジュアル通信の規格3G-324Mに準拠した高品位のTV電話機能を実現できます。
本製品の特長は以下のとおりです。
(1)H.264とAMR-WB対応のTV電話アプリケーション開発のソリューションを提供
3G-324Mは、3G携帯電話のTV電話等に使用されているオーディオ・ビジュアル通信規格です。本製品は、3G-324Mの従来仕様であるMPEG-4とAMR-NB(注6)に加え、追加仕様であるH.264とAMR-WBに対応します。本製品を使用することで、H.264とAMR-WBでの通信による遠隔監視モニタなどのTV電話アプリケーションを、短期間で容易に開発できるソリューションを提供します。
(2)広帯域音声対応に拡張したエコーキャンセラ機能
従来の「携帯TV電話ミドルウェアパッケージ」でも搭載していたエコーキャンセラ機能を拡張しました。従来の8KHzサンプリングに加え、16KHzサンプリングの広帯域音声をサポートします。これによりAMR-WBで通信した音声を、サンプリング周波数を下げることなく、高音質なTV電話機能を実現可能です。
(3)アルゴリズムを最適化し、低いCPU動作周波数でTV電話機能を実現可能
アルゴリズムの最適化により、「SH-Mobile」が内蔵しているH.264/MPEG-4フル・ハードウェアアクセラレータやDSP(Digital Signal Processor)の性能を最大限に引き出します。これにより、例えば、15fps(frame per second)のTV電話の場合で、従来のMPEG-4とAMR-NBの組み合わせに比較し、H.264とAMR-WBの組み合わせによる高品質・高音質なTV電話を、CPU動作周波数の増加が20MHz程度で実現することができます。
<製品化の背景>
近年の3G携帯電話システムでは、TV電話機能が標準機能として搭載され始めており、遠隔監視モニタなど携帯電話以外のシステムでもTV電話を利用した機能の搭載が増加しています。しかし、TV電話アプリケーションの開発では、動画像の圧縮・伸張処理や音声の圧縮・伸張処理に加えて、多重化処理やプロトコル処理など、多様な処理が必要であり、開発期間の増加を招いています。
当社は、携帯電話システムにおけるマルチメディア・アプリケーション開発を容易に実現するため、アプリケーション処理専用のプロセッサ「SH-Mobile」を製品化しています。加えて、マルチメディア対応の様々なミドルウェアを用意することで、アプリケーション開発のソリューションを提供してきました。
TV電話機能の開発ソリューションとしては、3G-324M規格準拠でかつエコーキャンセラ機能等を搭載した「携帯TV電話ミドルウェアパッケージ」を製品化し、ユーザにおけるTV電話アプリケーションの開発に貢献しています。そして今回、3G-324Mの追加仕様となり、高品質なTV電話を実現可能なH.264とAMR-WBに対応する「携帯TV電話ミドルウェアパッケージ」を開発しました。これにより、今後ますます拡大すると見込まれるTV電話アプリケーションについて、ユーザにおける開発ソリューションを提供します。
*以下、詳細は添付資料をご参照ください。