日本ロレアル、若々しい肌を実現する次世代アンチエイジング分子「プロキシレン」概要を発表
ロレアル、次世代のアンチエイジング分子「プロキシレン」を発表
ロレアル初の環境にやさしい合成プロセスを利用
― 皮膚を構成する3つの層に働きかけ、若々しい肌を実現 ―
世界最大の化粧品会社ロレアルグループ(本社:パリ)の日本法人である日本ロレアル株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ピエール-イヴ・アルゼル)は、パリ本社の研究部門で開発した次世代のアンチエイジング分子「Pro-Xylane(TM) (プロキシレン)」の概要について発表しました。
近年、美しく健康的に年を重ね、豊かなライフスタイルを実現したいという思いから、アンチエイジング(抗老化)に対する関心が高まっており、団塊世代が多く高齢化が進む日本では特に高い市場ニーズが見込まれます。また、「企業の持続的発展」の見地から、資源の有効利用や排出物の削減により地球環境を守る動きが世界規模でますます重要視されています。
7年にわたる開発の末に完成した新アンチエイジング分子Pro-Xylane(TM)は、皮膚を構成する3つの層(表皮・基底層・真皮)のすべてに働きかけます。各層には細胞間を埋める物質で構成される"細胞間マトリックス"が存在します。細胞間マトリックスは、エラスチン、コラーゲン、グリコサミノグリカン、プロテオグリカンなどで構成され、皮膚の若々しさを保つ重要な役割を担っています。Pro-Xylane(TM)は、この細胞間マトリックスを再構築し、老化の主な特徴である、しわ、たるみ、くすみなどに作用します。また、当社では初めて、環境にやさしい合成プロセス「グリーン・ケミストリー」を利用した成分です。
ロレアルは、本成分に関する特許を出願しており、日本では、今年1月19日に発売されたランコムの「アプソリュ」シリーズに配合されています。海外では、ランコムのほか、ラ ロッシュ ポゼ(皮膚科治療の補助用化粧品ブランド)などにも使用されており、当グループのアンチエイジング分野を牽引する有力成分として今後、主要ブランドに活用される予定です。
■ 加齢に伴う皮膚の老化について
細胞間マトリックスは、表皮・基底層・真皮の各層に存在し、細胞と細胞の間を埋めるさまざまな要素から構成され、皮膚の色合い、ハリ、密度を保持する重要な役割を果たしています。加齢に伴い、細胞間マトリックスの構成成分の質と量が変わり、皮膚への影響をおよぼします。組織学的に見ると、角層が厚みを増す一方で表皮は薄くなります。また、凹凸のあった基底層が老年では平坦になります。
真皮の細胞間マトリクッスには、線維芽細胞がつくりだすコラーゲン、エラスチンや水を保持するグリコサミノグリカン、プロテオグリカンなどの巨大分子が存在しますが、年齢とともに、これら構成成分は減少し、皮膚の柔軟性や弾性が失われ、たるみやシワをもたらします。
* 関連資料「図1」参照
■ ロレアルが実証: 老化すると真皮内で自由水が増える
ロレアルでは、高分解能核磁気共鳴画像診断によって、真皮は、加齢とともに弾性を失い膨張する一方、老人では若年層に比べて真皮上層部の自由水が増加することを明らかにしました。これは、すなわち、真皮内で水を保持するグリコサミノグリカンやプロテオグリカンの減少に伴い、水分子の結合部位が少なくなることを意味します。
* 関連資料「図2」参照
■ Pro-Xylane(TM)について
ロレアルは、真皮の構成成分である巨大分子グリコサミノグリカンの合成活性化を起点に、新しいアンチエイジング分子の開発に取り組みました。
水を保持するグリコサミノグリカンは糖類が長くつながった鎖状の分子で、キシロースを開始点として合成され、一つのタンパクと結合してプロテオグリカンを形成します。Pro-Xylane(TM)は、再生可能なブナの木に含まれる天然キシロースを出発原料に合成され、生体内でキシロースの働きを模倣し、グリコサミノグリカンの合成を促進します。
Pro-Xylane(TM)は、さらに、皮膚の老化に伴って減少するコラーゲンをはじめ、皮膚内で若々しさを保つために重要な役割を果たすさまざまな成分を活性する多機能な分子です。その高い効果は、in vitro(ヒト再構成皮膚モデル)およびin vivo(光老化した皮膚)において実証されています。
* 関連資料「図3」参照
■ ロレアル初のグリーン・ケミストリー: 環境にやさしい合成プロセスを利用
Pro-Xylane(TM)は再生可能な資源であるブナの木から抽出された天然キシロースを出発原料としています。また、水系溶媒と低エネルギーの触媒反応を用いたわずか二段階の化学合成法を用いています。さらに、ロレアルが実施した環境データにより、Pro-XylaneTMはキシロースを基本骨格としているため生分解性が高く、生体蓄積性、環境毒性も無いことが実証されています。