富士経済グループ、サービス産業市場の調査結果を発表
サービス産業100市場の調査を実施
~通塾率の上昇、一人当たり学習費の上昇により、少子化でも学習塾市場は拡大~
Webによる情報提供、市場調査情報サービスを展開している(株)富士グローバルネットワーク(東京都中央区 社長 表 良吉 03-3664-5844)は、雇用の拡大・新産業創生など産業構造の転換促進、不動産価値の向上を担う産業として期待されるサービス産業市場の調査を実施した。その結果を調査報告書「2007年版 サービス産業要覧」にまとめた。
<調査結果の概要>
分野 2006年見込 2009年予測 伸長率
不動産・運輸・通信市場 60.8兆円 62.9兆円 103.5%
レジャー施設市場 39.6兆円 35.8兆円 90.4%
医療・福祉市場 32.2兆円 31.8兆円 98.8%
教育施設市場 4.1兆円 4.4兆円 107.3%
不動産・運輸・通信は、トランクルーム、ハウスクリーニング、タクシー・ハイヤー業、レンタカー業、国際空港貨物、引越サービス業、コインパーキング、ネット通販業、CATV業などの20業種が対象で、そのうち全体市場の21%を占めている不動産業の市場は、2006年12兆9,100億円の見込であり、今後横ばいで推移し2009年は12兆9,500億円と予測される。トラック運送業は、2006年12兆4,000億円から2009年には11兆5,000億円で7%のマイナスと予測される。道路交通法の改正により注目されるコインパーキング市場は慢性的な駐車場不足などから2006年の1,915億円から2009年には2,750億円に44%伸長する見込みである。また、プロバイダー業、住宅リフォーム業、宅配便業、ネット広告業などの順調な成長により、全体市場は2006年の60.8兆円から2009年には62.9兆円に拡大する見込みである。
レジャー施設は、ゴルフ場、パチンコ・パチスロ店、遊園地、テーマパーク、アミューズメント施設、旅館など25業種が対象で2006年の市場は約40兆円となっている。そのうち、パチンコ・パチスロ店が28.5兆円でレジャー施設市場の70%強を占めている。2006年から2009年にかけて複合カフェ、テニスクラブ・スクール、映画館、温浴施設などの市場は拡大していくと見込まれる。しかし、パチンコ・パチスロ店は遊技機の射幸性抑制が図られることで2009年には2006年の12%減と大きく落ち込むと見られる。またレジャー施設全体に客単価の低下が進むことから2009年のレジャー施設の市場全体は2006年比10%減の約35.8兆円と予測される。
医療・福祉は、病院、歯科診療所、動物病院、療術業、有料老人ホーム、臨床検査業、病院・福祉施設給食受託などの10業種が対象で2006年の市場は32.2兆円となっており、そのうち病院が17.4兆円で、市場の54%を占めている。しかし、2006年から2009年にかけて病院の廃業や統合による施設数の減少と医療費削減による診療報酬の更なる引き下げの影響などから2009年には3%減の16.8兆円に減少すると見込まれる。そのため、一般診療所、在宅介護サービス、療術業の市場が拡大するものの、病院市場の減少により、2009年の医療・福祉市場は2006年比1%減の31.8兆円と予測される。
教育施設は、学習塾、通信教育、外国語学校、資格取得学校、保育所など9業種が対象である。教育施設市場の27%を占めている学習塾は2006年1兆1,237億円で、少子化が進む中で、一人当たりの学習費が増加することから2009年には2006年と比べて17%増加し、1兆3,146億円の市場と予測される。また、教育施設市場の21%を占めている保育所は、共働きや結婚・出産後も働くという就労形態の変化に伴い需要が増加すると予想され、2006年の8,614億円から2009年には9,788億円と見込まれる。さらに、通信教育、外国語学校、資格取得学校などの順調な拡大により、2009年の教育施設市場は2006年比7%増の4.4兆円と予測される。
<注目市場>
●パチンコ・パチスロ店
2006年見込 28兆5,000億円 2009年予測 25兆円(伸長率87.7%)
パチンコ店は、国民の身近で手軽な大衆娯楽場であるが、1995年をピークに縮小傾向にある。競争の激しいエリアでは淘汰されるパチンコ店が増加しており、資金力のある「マルハン」や「ダイナム」などの大手企業が、郊外立地の大型店舗を新規出店し業績を拡大している。パチスロ専門店は2005年で2,002店、小型店舗での営業が可能なことから駅前のビルにテナント出店し、前年比13%増加している。一方、パチンコ店は、駅前の小型店舗の閉鎖が多く、郊外のロードサイドに大型店の新設が増加している。遊技機の入れ替え費用がパチンコ店経営に大きな負担となるため、参入企業の淘汰も進み店舗数は今後減少すると見られる。また「遊技機の射幸性の抑制」が求められ、客単価の減少が進むことから、2009年のパチンコ・パチスロ市場は2006年比12%減の25兆円と予測される。
●学習塾
2006年見込 1兆1,237億円 2009年予測 1兆3,146億円(伸長率117.0%)
学習塾の対象学習層は小学生及び中学生である。学習形態は高校受験対策を行う進学塾と授業の補習を補う補習塾などであり、いずれも通学形態を取っているものとする。「文部科学統計要覧」「子どもの学習費調査」によると、2005年の学習費は前年比104.8%の1兆702億円となっており、また2005年の通塾率は小学生が約42%、公立中学生は約74%、私立中学生は約55%、公立高校生は約35%、私立高校生は約44%で国公立、私立共に中学生の通塾率が高く、このような業界環境から今後は小・中学生に注力した学習塾が増加すると予測される。少子化の影響で業界内での競争激化が見込まれるが、公立中高一貫校の新規開校や小学校英語必修化の動きなどにより、少子化という環境下においても通塾率や学習費の高さが維持され、規模拡大は続く見込みである。2009年には2006年の17%増の1兆3,146億円と予測される。
●葬儀社
2006年見込 1兆147億円 2009年予測 1兆1,553億円(伸長率113.9%)
葬儀社とは、臨終後から通夜、葬儀、出棺、埋葬まで、遺族をサポートしながら執り行う業者である。ここでは葬儀社を対象とし、会員加入者向けに冠婚葬祭サービスを行う互助会は含んでいない。経済産業省によると、2005年の1事業所当り年間取り扱い件数は161件であり、単純計算を行うと死亡人口の72.6%に当たる約78万件が葬儀社にて葬儀を執り行ったことになる。1997年以降の死亡人口の増加に伴い需要が増加している。異業種からの新規参入をはじめ企業間競争の激化や同一地域で葬儀社の乱立などが見られる中で、今後死亡者数の増加が予想されていることから市場は拡大し、2006年から2009年にかけて14%増加すると予測される。
<調査対象>
* 関連資料 参照
<調査方法>
富士グローバルネットワーク関連データベース、各種公的機関の統計資料をもとに富士グローバルネットワーク専門調査員が調査・分析
<調査期間>
2006年9月~12月
以上
資料タイトル:「2007年版 サービス産業要覧」
体裁:A4判 213頁
価格:95,000円(税込み 99,750円)
調査・編集:富士グローバルネットワーク
TEL:03-3664-5844 (代) FAX:03-3661-6093
発行所:株式会社 富士グローバルネットワーク
〒103-0001東京都中央区日本橋小伝馬町2-5 F・Kビル
TEL03-3664-5844 (代) FAX 03-3661-6093 e-mail:info@fgn.co.jp
この情報はホームページでもご覧いただけます
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URL: http://www.fgn.co.jp/
【企業情報】
株式会社富士グローバルネットワーク
代表者:代表取締役社長 表 良吉
設立 :1969年(昭和44年)5月15日(2002年4月23日に現社名に変更)
資本金:1,000万円 社員数:20名(富士経済グループ全体 300名)
富士経済グループのデータベース事業、Web関連事業を担当。市場調査レポートデータサービス「FK-Mards」(1996年~)、およびエンプラネット(2003年~)、マーケティング情報パック(2005年11月~)等Webによる情報提供、市場調査を主業務とする。