長瀬産業、ローズマリーのAMPK活性化作用と寿命延長作用など研究成果を発表
~目指せ健康長寿~
ローズマリーのAMPK活性化作用と寿命延長作用
~日本薬学会第127年会にて発表~
長瀬産業株式会社(本社東京都中央区、代表取締役社長:長瀬洋)は、日本薬学会第127年会(富山、平成19年3月28~30日開催)において学術発表を行います。
http://nenkai.pharm.or.jp/127/pc/ipdfview.asp?i=1589
<ローズマリーで寿命が延びる!?>
健康長寿は、誰もが望むことです。しかし、残念ながら誰もが健康で長生きできるわけではありません。
ですが、健康長寿を達成する方法が、一つだけ科学的に明らかとされています。それは、カロリーを制限することです。昔から腹八分目といいますが、ビタミンなどの必要な栄養素は、十分に摂取したうえでカロリーを6割程度に制限すると、ミジンコのような下等生物から猿にいたるまで健康で長生できることがわかっています。運動もカロリー消費を増大させることによって、カロリー制限と同じ効果を生み出すと考えられています。つまり、摂取カロリーvs消費カロリーのバランスをとり、摂取カロリーが過剰にならないようにすることが肝要です。カロリー制限すると代謝系が改善され、いわゆるメタボリックシンドローム(糖尿病、肥満、動脈硬化、ガンなど)が予防できます。しかし、おいしいものがあふれている現代ではカロリー制限を続けることは、なかなか難しいことですし、定期的に適度な運動を継続するのも簡単なことではありません・・・
最近、AMP-activated protein kinase(AMPK)という細胞内分子が発見されました。この分子は、代謝をコントロールするマスターレギュレーターとして機能します。すなわち、AMPKを活性化すると、カロリー制限をしたのと同じような効果が得られるということがわかってきました。従って、ダイエットや運動をしなくても、なんらかの方法でAMPKを活性化することさえできれば、メタボリックシンドロームを予防して、健康長寿を達成できるかもしれません。そこで、鋭意探索した結果、ローズマリーの成分にAMPKを強力に活性化する作用があることを見出しましたので、本学会で発表させていただきます。
(学会発表内容)
カロリー制限をするとなぜ健康長寿となるのか・・その機構についてはまだ不明な点が多いものの、世界中の多くの研究成果から、エネルギー代謝システムの活性化が鍵となると考えられています。カロリー制限を行うとエネルギー代謝に関連するシステムが活性化されます。その鍵となるのがAMPKです。AMPKを活性化すると、ミトコンドリア(細胞の中にあるエンジンのような器官)が活発になり、エネルギー代謝能が改善されることがわかっています。実際、カロリー制限をすると、AMPKの活性化がおこります。
最近、赤ブドウに含まれていて、抗老化作用があるといわれているレスベラトロールというポリフェノールにAMPK活性化作用があることが報告されました。
私たちは、これまでにローズマリーにさまざまな抗老化・疾病抑制作用があることを見出しています。そこで、ローズマリーにAMPKの活性化作用や寿命延長作用があるのではないかと考え、実験を行いまし
た。
【実験】
カロリーを大量に消費する組織は筋肉と脳です。そこで、筋肉芽細胞株(L6)と神経様細胞株(PC12)にローズマリーの成分を添加し、ミトコンドリアおよびAMPKのリン酸化(活性化)に対する影響について検討しました。代謝系に与える影響については、代謝関連遺伝子の変動をリアルタイムPCRという手法で確認しました。また、運動しにくいようにマウスを狭いところで飼育し(つまりメタボリックシンドロームになりやすいような環境)、片方には通常食を、もう片方にはローズマリーエキスを含有した餌を与えて(自由摂取)、体脂肪量(副睾丸周辺の脂肪量)および延命効果について検討してみました。
【結果】
ローズマリーエキスをマウスに1週間投与して、脂肪量を確認してみたところ、およそ6-8割程度に減少していました。体重はほとんど変化がありませんでした。延命効果についてですが、スタートはそれぞれ12匹からはじめたのですが、およそ1年半後、ローズマリーエキスを食べさせていたマウスは、8匹生存しているのに対し、通常食を食べさせていたほうで生存しているのは4匹しかいませんでした。このことから、ローズマリーを適度に摂取することによって延命効果が期待できることがわかりました。
ローズマリーには多種多様なポリフェノールが含まれていますが、その主要成分であるカルノシン酸を筋肉細胞に与えると、AMPKのリン酸化(Thr172P-AMPK)が亢進することを見出しました。また、カルノシン酸を添加して培養した細胞のミトコンドリア活性について検討したところ、ミトコンドリアが活発化していることがわかりました(膜電位・酸化還元ポテンシャルの上昇)。従って、カルノシン酸は、AMPKを介してエネルギー代謝系(ミトコンドリア)を活性化、その結果として寿命の延長作用を発揮した可能性が示唆されました。
【今後の展望】
ローズマリーには、強い抗酸化力(活性酸素消去能力)があることがわかっています。活性酸素も老化・疾病の主要な原因であることから、ローズマリーは、抗酸化力とエネルギー代謝系の改善によって老化・疾病予防効果を発揮する可能性があります。人でもローズマリーを摂取することで、老化を予防できるかもしれません。今後更なる検証をしていき、アンチエイジング素材としてのローズマリーの有用性を確立していく所存です。
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