東京電力、米国でのABWRの建設などに関する技術コンサルティングを行う契約を締結
米国における改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の建設・運転管理に関する技術コンサルティング契約の締結について
~1979年以降、米国初の新規建設を目指すプラントに、当社の約10年間にわたるABWRの運転経験に基づく知見を提供~
当社は、本日、米国で初めてABWRを採用する予定の「サウステキサスプロジェクト原子力発電所」3・4号機増設計画に関し、米国の原子力発電運転管理会社「STPニュークリア・オペレーティング・カンパニー(以下、STPNOC社)」との間で、同社に対して改良型沸騰水型軽水炉(以下、ABWR)の建設・運転管理に関する技術コンサルティングを行う契約を締結いたしました。
最近、原油価格高騰への対応やエネルギーの安定供給確保、地球温暖化防止の観点などから、世界的に原子力プラントの新増設に向けた動きが活発化しつつあります。
また、米国では、2005年8月に制定された「2005年エネルギー政策法(Energy Policy Act of 2005)」において、原子力発電がエネルギー供給の重要な柱として位置づけられ、積極的な支援策が盛り込まれたほか、本年1月、甘利経済産業大臣と米国エネルギー省(DOE)ボドマン長官によって合意された「エネルギー安全保障に向けた日米エネルギー協力」の中にも、今後、日米両政府が協力して新規原子力プラントの建設を支援していくことが盛り込まれております。
こうした中、テキサス州では、大手IPP事業者のNRGエナジー社(以下、NRG社)が、「サウステキサスプロジェクト原子力発電所」3・4号機の増設を計画しております。
この計画では、米国で初めてABWRを採用することとしており、STPNOC社が、同発電所の所有者の一つであるNRG社から、プラントの建設と運転管理を受託しております。現在、STPNOC社は、米国原子力規制委員会(NRC)への「建設・運転一括許認可」の申請など、プラントの建設に向けた準備を進めておりますが、その過程で、ABWRの建設・運転経験などの知見を有する当社に対して、技術コンサルティングの要請をいただいたものです。
当社は、これまで、柏崎刈羽原子力発電所6・7号機において約10年間にわたるABWRの運転経験を有しており、当社の持つこれらの知見を米国内の原子力発電所新増設計画に反映させることは、日米のエネルギー安全保障における協力を具現化するという意味でも、非常に意義深いものと考えております。
なお、NRG社は、このプラントが1979年以降、米国初の新規建設となることを目指しております。
このたびの契約は、提供する知見の取り扱いや実施期間などの基本事項を定めたもので、具体的なコンサルティング内容等、詳細については、今後、STPNOC社と調整してまいります。
このたびの契約の概要は、別紙の通りです。
当社は、引き続き、新たな成長・発展を目指し、海外において当社の技術力やノウハウを活かしたコンサルティング事業や発電事業などを推進してまいります。
以上