富士経済、特殊光源・一般照明の調査結果を発表
特殊光源・一般照明の調査を実施
― 液晶バックライトは2011年に5,057億円予測(対06年比 138%) ―
総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役 阿部英雄03-3664-5811)は、このほど、産業・業務用特殊光源及び一般照明市場の調査を実施した。その結果を報告書「Special Appli.光源/照明市場 実態・技術・予測 2007年版」にまとめた。市場は、光源、周辺部材が長寿命化、低価格化、高輝度化、高効率化している事で搭載機器の省メンテナンス、省エネ、省スペース化が進んでいる。
<調査結果の概要>
■特殊光源市場
2006年 6,426億円 2011年予測 8,174億円(対06年比 127%)
*一部品目については対象地域をワールドワイドとしている
対象:ディスプレイ用途、シグナル用途、センシング用途、医療・画像処理用途、光化学反応用途、自動車用途、機器組込用途
ディスプレイ用途の液晶バックライト市場と自動車用光源、センシング用途の赤外線センサ光源、光学反応用途の接着用光源が注目される。液晶バックライトは、3,669億円(2006年)とディスプレイ用途の75%を占めており、携帯電話及び液晶TV市場の拡大により今後も高い成長が予測されている。自動車用光源は自動車の光源採用個数が増加していることから高い伸びを示している。赤外線センサ光源ではフォトカプラ(電気信号をいったん光に変え再び電気信号に変える機能を持つ)とIrDAモジュール(赤外線を利用した近距離データ通信モジュール)に搭載される光源の動きが特に注目される。規模が大きいフォトカプラは市場を牽引し続けており、IrDAモジュールは、携帯電話での搭載率アップを要因として市場が拡大している。接着用光源は高出力紫外LEDが投入される事で精密接着の用途拡大が期待でき市場の成長が予測される。センシング用途のセキュリティ光源も0.6億円(2006年)と規模は小さいながらも2011年には06年比217%の1.3億円と高い伸びを示すと予測される。特に生体認証の中の静脈認証装置向け光源が好調である。
■一般照明市場
2006年 2,320億円 2011年 2,359億円(対06年比 102%)
一般照明市場は2006年に2,320億円に達した。住宅照明では省エネ効果の高い光源が必要とされている。エンドユーザーの照明に対する意識が、従来の一部屋に一灯のベース照明から、目的・シーンに合わせた照明器具をそれぞれ設置する「一室多灯」へと変化している。中でも、自宅でもムードを高めたいという消費者が、間接照明用の需要を活性化させており、落ち着いた雰囲気が演出できる白熱電球の需要が拡大している。また省エネという観点から、電球型蛍光灯など省エネ効果の高い光源の需要も高まっている。店舗・商業施設では、ダウンライト・スポットライトの他、工場・倉庫などの天井照明で、高効率で演色性の高いセラミックメタルハライドランプの需要が急拡大している。オフィス・ビル照明、屋外照明では、高効率のHF(高周波特性)蛍光灯の需要が高まっているが、インバーターを搭載した専用器具が必要で設置工事をしなくてはならない。既設の照明器具に対する置き換え需要は少ないため、新規需要が中心となる。
<注目市場>
●液晶バックライト(ワールドワイド)
2006年 3,669億円 2011年予測 5,057億円(対06年比 138%)
カラー液晶バックライトの光源として使用される冷陰極管(CCFL)とLEDが対象となっており、液晶TV、LCDモニタ、ノートPC、車載モニタやLEDを光源とするカラー携帯電話などに使用される。ノートPC、液晶モニタ、液晶TVのバックライトの主要光源であるCCFLは2006年に2,632億円となった。液晶TV向けは、PDPやSEDとの競合が懸念されていたが、世界的な需要拡大により市場は堅調に推移した。バックライト用白色LEDは、2006年に717億円となった。携帯電話の出荷数量増加により、携帯電話向け市場は拡大しているが、LEDの高輝度化に伴い、一台あたりの搭載個数がメインディスプレイで減少していることや、携帯電話のカラー化率が成熟化していることから、数量ベースでの成長は鈍化すると見られる。バックライト向けLEDの有望分野とされている液晶TV分野では、機器の低価格化に伴い、部品コスト・部品点数の削減が求められており、当面は価格面で優位であるCCFLが中心と見られる。しばらくはCCFLが液晶バックライト用光源市場を牽引する形で市場が拡大すると予測される。
●自動車用光源(外装ランプ)
2006年 456億円 2011年予測 551億円(対06年比 121%)
自動車のヘッドランプ、リアコンビネーションランプで使用されるハロゲンランプ、HID(キセノンランプ)、白熱電球、LEDを対象としている。国内自動車生産は横ばいで推移しているが、HIDヘッドランプの普及に伴う4灯式の拡大や、LEDリアコンビネーションランプの搭載率の上昇で、1ユニットあたりの光源搭載数が増えたことから、自動車用外装ランプ市場は成長を続けている。
ハロゲンランプはほぼ全ての自動車に搭載されているため、市場は自動車生産台数に影響される。キセノンランプは、ハロゲンランプと比較して、消費電力が低く、耐久性、安全性に優れており、より自然光に近くハロゲンランプの約3倍の光量で照射する事が可能な点などが評価され、国内生産自動車の搭載率が年々上昇していることから、2007年以降は市場が拡大する予測である。LEDについては、用途の大半は、白熱電球の代替光源として搭載されるリアランプ用途であり、白色LEDヘッドランプの採用は、2008年以降とされるが、本格的な普及は2010年以降と見られる。
●接着用光源
2006年 55億円 2011年予測 85億円(対06年比 155%)
プレポリマー、モノマー、光重合開始剤、顔料などの光硬化型接着剤に紫外線を照射して硬化させる用途を対象としている。UV接着用途では、主に光ピックアップ、カメラモジュールなどの光部品に対して行う精密接着「スポットキュアリング」とLCDパネルやDVDの貼合せを行う「エリアキュアリング」に分けられる。
「スポットキュアリング」では、カメラモジュール、HDD関連分野において、LED方式スポットキュアリング装置の需要が拡大したことや、一台に搭載される光源個数が増加した事を受けて市場が拡大している。2007年には、高出力紫外LEDの投入が予定されており、スポットキュアリングの用途拡大が期待されている。
「エリアキュアリング」で使用される光源は高圧水銀ランプ、キセノンフラッシュランプである。次世代DVDの立ち上がりが遅れたことにより、DVD生産量が増加しており、市場は堅調に推移している。
<調査対象>
(※ 関連資料を参照してください。)
<光源事例>
特殊光源:白色LED、可視光LED、キセノンランプ、(超)高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ
一般照明:蛍光灯、白熱電球、ハロゲンランプ、HID
<調査方法>
弊社専門調査員による関係企業、研究機関、官公庁等への直接面接取材を基本に、電話ヒアリング、その他公的データ等を元に整理・分析を行った。
<調査期間>
2006年11月~2007年2月
以上
資料タイトル:「Special Appli.光源/照明市場 実態・技術・予測 2007年版」
体 裁:A4判 341頁
価 格:97,000円(税込み101,850円)
調査・編集:株式会社富士経済 大阪マーケティング本部 第四事業部 光源プロジェクトチーム
TEL:06-6228-2020(代) FAX:06-6228-2030
発行所:株式会社富士経済
〒103-0001東京都中央区日本橋小伝馬町2-5 F・Kビル
TEL03-3664-5811(代) FAX 03-3661-0165 e-mail:info@fuji-keizai.co.jp
この情報はホームページでもご覧いただけます。
URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
URL:https://www.fuji-keizai.co.jp/