ヤマハ発動機、高速・高精度でロングストローク対応の直交ロボット「NXY」を発売
中空サーボモータを採用し、高速・高精度を実現したロングストローク対応モデル
ヤマハ直交ロボット「NXY」新開発
ヤマハ発動機株式会社の社内カンパニーである「IM カンパニー」(所在地:静岡県浜松市、カンパニープレジデント:加藤敏純)では、中空サーボモータを採用し、ボールナットをダイレクトに駆動する新タイプの軸を採用した直交ロボット「NXY」を新たに開発し、2007年8月1日より発売する。
直交ロボット「NXY」は、従来ボールネジ駆動のロボットでは難しいとされていた、ロングストロークでかつ最高スピードの低下を抑えたロボットである。
ベースとなる軸(X軸)に、中空サーボモータによりボールナットをダイレクトに駆動するナット回転型ボールネジを採用。これにより、ロングストロークの移動においても最高スピードで動作することを可能にした。さらに、同軸上に複数のキャリアを配置できる構造により、双腕(ダブルY軸)タイプの直交ロボットとしても使用できる。
「NXY」は、最高スピードを押さえる必要の無いことによるサイクルタイム短縮や、デッドスペースの少なさと、ダブルY軸仕様の標準設定などによる省スペース化により、多様化するユーザーニーズに対応できる直交ロボットとして、今後のロボット市場の拡大が期待される製品である。
<名 称> ヤマハ直交ロボット「NXY」
<発売予定日> 2007年8月1日
<価 格>
NXY-50-15 :X軸ストローク500mm、Y軸ストローク150mm 仕様:¥933,000
NXY-W-25-15 :X軸ストローク250mm、ダブルY軸ストローク150mm 仕様:¥1,683,000
(コントローラ・ケーブルセット含む)(消費税含む)
<初年度販売計画> 600台(国内外)
<製品の概要>
ボールネジ駆動の直動軸は、ボールネジの回転危険速度の影響で、ロングストローク(約650mm以上)で使用する時には最高速度を下げるのが一般的であり、最長ストロークにも制限があった。これに対し、ヤマハ直交ロボット「NXY」は、ロングストロークでの最高スピードの低下を解決した新タイプの直動軸を採用した直交ロボットである。さらに、キャリアそのものにモータが付いているため、ストローク端のデッドスペースが小さく、コンパクトにレイアウトができる。
また、ベースとなるX軸は、複数のキャリアを配置できるため、Y軸をそれぞれ取付けたダブルY軸仕様も標準設定されている。ダブルY軸仕様では、通常のボールスクリュー仕様でストロークが不足する場合への対応や、2 台の直交ロボットを並べてのアプリケーションに対し、レイアウトをコンパクトにまとめることを可能にした。
さらに、広範囲なアプリケーションが想定でき、電気・電子部品、機械部品の組立、挿入、取り出し、搬送から、ネジ締め、接着剤塗布、ハンダ付け等の作業を行なう自動化装置に組み込んで、幅広い用途に使用することができる製品である。
<製品の特徴>
(1)コンパクト
ボールネジ固定で、コンパクトな専用中空モータを使用し、ロングストロークでも軽量化と小型化を実現。
(2)ロングストローク・高速・高精度
ナット回転型ボールネジの採用により、従来のロングストロークで採用されているラックピンニオンやタイミングベルトを使用した製品と比べ、高い精度とスピードを発揮。
さらに、従来のボールネジ仕様に比べ、ストロークの範囲を広げロングストロークの領域で特にその特徴を発揮する。(X軸最長2000mm ストローク、最高スピード1200mm/sec確保)
(3)双腕(ダブルY軸)タイプを標準設定
ナット回転型ボールネジ駆動の特徴を活かし、キャリアを2個同軸に配置が可能。2台の直交ロボットが必要な時にも1台のロボットで可能となり、設備の省スペース化とコストの削減が可能。
(4)省スペース
キャリアにモータが内臓されているため、両方のストローク端ともデッドスペースが最小で、装置がコンパクトに設計できる。
(5)優れた耐久性
中空構造のレゾルバ(磁気式位置検出器)や高性能ガイド、高剛性フレームを採用し、高い対環境性と耐久性を実現。
(6)環境対応
環境意識の高まりに配慮して、有害物質を排除し、各種規制、指令に対応(CE、欧州Rohs 等)。
(7)優れた操作性・使い易さ
従来のヤマハ単軸コントローラの使い易さと操作性を継承し、プログラム資産の活用、プログラミングボックス、パソコン支援ソフトの共用が可能。
<基本仕様>
添付資料をご参照ください。