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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2007'07.04.Wed

米IBM、従来比3倍の性能を発揮するスーパーコンピューター「Blue Gene/P」を発表

IBM、従来の3倍のパフォーマンスを発揮、かつ最もエネルギー効率のよい世界最速スーパーコンピューターを発表
“クァドリリオン(10の15乗)”の壁を破るために設計された新たなBlue Gene/P


[米国ニューヨーク州アーモンク 2007年6月26日(現地時間)発]

 IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長:サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE:IBM)は26日(現地時間)、世界最強スーパーコンピューターの第2世代モデル、「Blue Gene(R)/P」を発表しました。Blue Gene/Pは、その前モデルである現在世界最速のコンピューター「Blue Gene/L」のおよそ3倍の性能を発揮すると同時に、前モデルのエネルギー効率のよさや省スペースを実現するコンピューティング・パッケージを実装しています。

 Blue Gene/Pの性能は結果的に他社のスーパーコンピュータ・システムを大きく引き離すものです。これまで対応できなかった人類の問題、たとえば新薬の影響を確認する実験においてヒトの臓器をすべて再現するなど、これまで不可能だったレベルの科学技術や商用計算分野でのスーパーコンピューティングを可能にします。

 IBM(R) System Blue Gene/Pソリューションは、1「ペタフロップス」(毎秒1,000兆回以上の演算処理)以上、もしくは1秒当たり10の15乗の速度で連続処理を実行できるように設計されています。このマシンは毎秒の演算処理で、家庭用PCの10万倍も高速で、1.5マイル(約3.2km)近くの高さに積み重ねられたラップトップ・コンピューターの能力を結集したものを上回る能力を発揮します。またBlue Gene/Pは、数年前は誰もが到達は不可能と考えていたパフォーマンスレベルである、3ペタフロップスを超えることのできる構成を組むことが可能です。

 IBMコーポレーション ディープ・コンピューティング担当バイス・プレジデントのデーブ・トゥレック(Dave Turek)は次のように語っています。「Blue Gene/Pはこれまで世界が知らなかったような、最も強力なスーパーコンピューティング・プラットフォームの進化になるでしょう。商用向けの新たなユーザーグループは、この新しくシンプルなプログラミング環境と無敵のエネルギー効率で、ビジネスの差別化が図れます。我々は、たとえばエネルギーや金融といった商業分野において、Blue Geneが興味を持たれていることを知っている。これは政府の研究所から大企業向けにといった、これまで我々が見てきたハイパフォーマンスコンピューティング市場における適用分野の変化の流れに乗るものです。」


●時代を先取りする環境にやさしい設計

 Blue Geneラインは、極めて高い拡張性と信頼性を持つ科学用コンピューティング・プラットフォームを開発するという、先見性に富んだIBM基礎研究部門の取り組みから生まれました。設計者はBlue Geneにおいて、最先端のスーパーコンピューティングに重大な制約をもたらす2つの大きな問題を解決しました。その2つの問題とは、消費電力と設置スペースです。Blue Geneは、市販されている他の製品よりもスペースと電力が少なくて済むような、特別な設計で構築されています。Blue Gene/Pは現在、他のスーパーコンピューターより少なくとも7倍は優れたエネルギー効率を発揮します。

 Blue Geneの卓越したエネルギー効率を重視したデザインとコンピューティング・モデルの影響は、かつては別世界のことのように考えられていましたが、どの産業においてもチップの演算速度に関係なく低いエネルギー消費と高いパフォーマンスを得ることを試みるようになりました。これらを克服したBlue Geneのデザインは、システムの中で5つの特化されたネットワークを通して、多くの小さな省電力チップを相互につなげて利用する設計になっています。

 世界の有力な研究機関や大学の一部は、すでにBlue Gene/Pを発注しています。米国エネルギー省のアルゴンヌ国立研究所(米国イリノイ州)では、今年後半早々に、米国内で第1号のBlue Gene/Pを導入する予定です。ドイツでは、マックス・プランク協会(Max Planck Society)とユーリヒ総合研究機構(Forschungszentrum Julich)も、2007年後半にBlue Gene/Pシステムの導入を開始する予定です。この他、米国ニューヨーク州アプトンのストーニーブルック大学とブルックヘブン国立研究所および英国チェルシー州の科学技術設備審議会のダルスベリー研究所でも、Blue Gene/Pの導入を計画しています。

 アルゴンヌ国立研究所のディレクター、ロバート・ロスナー(Robert Rosner)氏は、次のように語っています。「私たちはBlue Gene/Pの導入を、科学の進歩を支える演算技術の前進のための新たな段階の戦略的パートナーシップと見ています。」

 ユーリヒ総合研究機構では、この2年間Blue Gene/Lを研究に使っていましたが、Blue Gene/Pの導入により、研究施設の電気使用量を予算内にとどめながら、素粒子物理学やナノテクノロジーといった分野で、さらなる科学的進歩を推進することができます。ユーリヒ総合研究機構のスーパーコンピューティング・センター担当ディレクター、トーマス・リッペルト(Thomas Lippert)氏は次のように語っています。「低電力で巨大な計算能力が実現できることにより、非常に複雑なアルゴリズムへ処理能力を高めることができます。」

●史上最速コンピューターの内部

 前モデルと同様に、Blue Gene/Pはモジュール型の設計となっており、ニーズの増大に応じた追加が可能な「ラック」で構成されます。

 1個のBlue Gene/Pチップには、4個の850MHz PowerPC(R) 450プロセッサーが内蔵されています。それぞれのチップは、毎秒136億回の演算処理が可能です。2フィート(約61cm)×2フィートのボードにはこのチップが32個搭載されており、毎秒4,350億回の演算を実行できます。これは、2コアの通常市販されているプロセッサーをベースにした一般的な40ノード・クラスターよりも強力です。32枚の小型ボードが高さ6フィート(約183cm)のラックを構成しています。各ラックは毎秒13.9兆回の演算を実行することが可能で、これは今日最速の家庭用PCよりも1,300倍高速です。

 1ペタフロップスのBlue Gene/Pの構成は、29万4,912個のプロセッサー、72ラックからなり、高速の光ネットワークに接続されます。Blue Gene/Pは、88万4,736個のプロセッサーと216ラックのクラスターまで拡張でき、その場合3ペタフロップスの性能を実現することができます。標準Blue Gene/P構成では、1ラックあたり4,096個のプロセッサーが搭載されます。

●プログラマーのための、より使いやすいインターフェース、アプリケーション互換性、スピード効率

 Blue Gene/LとBlue Gene/Pにはいくつかの重要な違いがあります。ハードウェアでは、Blue Gene/Pは、チップあたりより多くの(前モデルの2個に対して4個)、そしてより高速の(前モデルの700MHzに対して850MHz)プロセッサーを装備しています。また、より多くのメモリーとSMPモードにより、マルチスレッド・アプリケーションをサポートします。この新しいSMPモードは、Blue Gene/Pを商用クラスターと同様のプログラミング環境へ移行させます。Blue Gene/Pはこれによりネットワークの全体的な性能が劇的にスケールアップして、大規模並列コンピューティング・システムにつきものの一般的なボトルネックが最小限に抑えられます。ソフトウェアについては、3度目の重要なアップグレードがはかられており、Blue Gene/Pではシステム管理、プログラミング環境、およびアプリケーション・サポートのすべてが改良されています。

 Blue Gene/Pは、ドイツのマックス・プランク協会において、ペタフロップスス・レベルの性能に拡張された新しいアプリケーションのプラットフォームとなる予定です。マックス・プランク研究所、RZG/ガルヒング・コンピューティング・センターのアプリケーション・サポート長、ヘルマン・レデラー(Hermann Lederer)氏は次のように語っています。「次世代Blue Geneシステムにより、将来のペタスケールのコンピューティングに向けてマックス・プランク研究所のアプリケーションを作成、開発、最適化する上での私たちの能力が高められるでしょう。」

 Blue Geneのオペレーティング・システムは、オープンソースのLinux(R)をベースにしています。アプリケーションは、標準ベースのMPI通信プロトコルを使用して、Fortran、C、C++のような一般的な言語で記述されています。Blue Gene/Pは、物理学、化学、生物学、航空宇宙工学、宇宙物理学、遺伝学、材料科学、天文学、地震学における最先端の研究など、現在Blue Gene/Lで使われている多様なアプリケーションを実行することができます。

 Gene Network Sciences、TotalView Technologies, Inc.、Tsunami Development LLC、Visual Numerics、Developers of IMSLをはじめとするさまざまな独立系ソフトウェア・ベンダーは、既存のツールとアプリケーションのBlue Gene/Pへの対応を予定しています。

 詳細については、以下をご覧ください:
 http://www.ibm.com/servers/deepcomputing/bluegene.html 


以上


 当報道資料は2007年6月26日(現地時間)にIBM Corporationが発表したものの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。 http://www.ibm.com/press/us/en/pressrelease/21791.wss

 なお本日時点における、本製品の日本での対応は未定です。詳細が決まり次第お知らせいたします。


*IBM、Blue Gene、PowerPCは、IBM Corporationの商標。
*Linuxは、Linus Torvaldsの米国およびその他の国における商標。
*その他の社名、製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

<お問い合わせ先>
 ダイヤルIBM Tel:0120-04-1992

<関連サイト>
 IBM ディープコンピューティング トップページ 
 http://www.ibm.com/jp/solutions/deepcomputing/index.shtml

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