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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'02.13.Thu
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2007'07.05.Thu

カルピスとNITE、モンゴルで微生物の食品への利用可能性を探る産官共同事業を開始

発酵乳などからの微生物収集活動をモンゴル国で実施
-付加価値のある製品開発に向けた微生物(乳酸菌・酵母)の探索-


■独立行政法人 製品評価技術基盤機構[本部:東京都渋谷区、理事長:御園生誠、略称:NITE(ナイト)]とカルピス株式会社[本社:東京都渋谷区、社長:石渡總平]は、モンゴルの発酵乳などから分離された微生物(乳酸菌や酵母)を現地で収集し、食品への利用可能性を探る産官共同事業を2007年7月から開始します。
■モンゴルは寒暖の差が激しく、砂漠、高山、針葉樹林帯、草原、塩湖等のバラエティーに富んだ環境や日本にはない特殊な環境があります。
■苛酷な環境に生息する微生物は、環境に適応するため特殊な能力を有していることが多く、例えば医薬品、健康食品、工業原料等の製造、有害物質の分解による環境浄化等への活用が、モンゴルにおいても、また、日本の産業界においても期待されています。
■モンゴルで探索・収集した微生物は日本に移転され、カルピス社において研究開発に利用された後、NITEから産業界等への提供が可能となります。
■収集した微生物は生物多様性条約に基づき、研究成果による得た特許登録および商品化に至った場合は、NITEを通じて、収益の一部をモンゴルに還元します。
 

【共同事業の位置づけ】
 今回の共同事業は、平成18年6月にNITEとモンゴル科学院が取り交わした「微生物資源の保全と持続的利用に関する包括的覚え書き」及び「モンゴルにおける微生物の分類学及び形態学の共同研究とその応用に関するプロジェクト」の合意書を背景に、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ゲノム情報に基づいた未知微生物遺伝資源ライブラリーの構築」プロジェクトの一環として実施されます。
 NITEがモンゴル政府との間で構築した枠組を利用することにより、企業自らがモンゴルにおいてニーズに合った微生物の探索が可能となります。
  

【共同事業の目的】
・NITEは、我が国の微生物を中心とした中核的な生物遺伝資源機関として、我が国のバイオテクノロジー政策に基づき、戦略的に微生物の収集・保存・提供を行うとともに、我が国の政府機関を代表し、アジアの資源保有国と生物多様性条約に基づいた協力関係を構築し、我が国の産業界が豊富な海外生物遺伝資源を利用できる仕組みづくりを行っています。
・NITEは平成18年6月、モンゴル科学院と「微生物資源の保全と持続的利用に関する包括的覚え書き」及び「モンゴルにおける微生物の分類学及び形態学の共同研究とその応用に関するプロジェクト」の合意書を取り交わし、モンゴルにおいて新規微生物の探索・収集、日本への移転、産業界等へ提供を行うとともに、モンゴルへの技術移転、研究者の育成等を通じて、モンゴルにおける微生物学の発展に貢献しています。
・カルピス社は、創業者三島海雲が内モンゴル(現:中国内モンゴル自治区)において発酵乳の健康効果を実感し、日本において乳酸菌の研究を重ね、乳酸菌発酵食品を事業化したことに始まります。創立80周年記念事業(1996年、1997年)では、内モンゴルにおいて、民族学的および乳加工技術的視点からの発酵乳の現地調査を実施しました。
・カルピス社は、約2,000種以上の乳酸菌などの菌株を保有しており、今後さらに保有菌株を充実させていくには、国内での収集以外に、海外での収集活動が有効であると考えていました。しかし、1993年の生物多様性条約において、海外の生物遺伝資源を自然界から収集・確保し、新しい製品や技術に利用するには、原産国の合意が必要となっています


【共同事業の概要】
・カルピス社は、モンゴル国の発酵乳などに含まれる微生物資源を収集する枠組みを有しているNITEと共同で、本年7月の1ヶ月間、モンゴル国の中央部(ウランバートル近郊)、東部(チョイバルサン)、西部(ウブス湖)において、乳酸菌などの微生物の収集・分離を行ないます。
・カルピス社とNITEは、研究員を現地に派遣し、モンゴル科学院生物研究所の協力のもと菌株を分離します。分離した微生物は、モンゴル国の合意の下、日本に移転されます。
・乳酸菌は、整腸作用だけでなく、カルピス社の研究成果から血圧調節作用、抗アレルギー作用、睡眠の質、保湿・美肌効果など、幅広い生理機能を持つことが解明されてきています。今後、抗ストレス、抗メタボリックシンドローム、アンチエイジングなどの分野においても大きな可能性を秘めていると考えられています。
・カルピス社は、単独での海外の微生物資源収集が困難ななか、モンゴル国と協定を結んでいるNITEと産官共同で探索することにより、乳酸菌ライブラリーの強化と新規乳酸菌の発見、また、付加価値の高い製品開発を目指していきます。


<参考資料>

○「ゲノム情報に基づいた未知微生物遺伝資源ライブラリーの構築」プロジェクト
 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託して実施している研究開発事業です。平成14年度から19年度までの予定で実施されている事業であり、未発見の微生物や難培養微生物、それらの遺伝子等の「遺伝資源」を環境中から取得する技術開発を目的としたものです。予算規模は年間3~4億円程度です。
 具体的には、以下のような技術開発を行っています。

 【1】未知微生物の収集、培養及び保存するための技術の開発
 【2】取得した未知微生物の系統分類、及び有用機能解析技術の開発
 【3】難培養微生物の遺伝子の収集、保存のための取得技術の開発
 【4】獲得した有用微生物及び遺伝子からの有用遺伝子の獲得
 

○NITEの海外事業の成果
 NITEは、生物多様性の豊富なアジア諸国と密接な連携をはかり、それぞれの国に生息する多種多様な微生物をその国と共同で分離・収集し、それらを有効に利用することで関連する産業の発展に貢献することを目指して活動しています。
 モンゴルは、NITEがこれまでに微生物探索を行っているインドネシア、ベトナム、ミャンマーが亜熱帯から熱帯地域に属しているのとは対照的に、針葉樹林地帯(タイガ)、草原(ステップ)、砂漠という気候区に属している国です。このため、これまでとは全く異なる動植物の分布が見られ、存在する微生物も熱帯地方とは異なる有用機能を有する新規微生物の発見が期待されています。現在NITEが実施可能な微生物探索地域は、南は赤道のインドネシアから北はモンゴル(北緯50度)まで拡大され、より多様な微生物資源の探索が可能となっています。
 そのため、生物多様性条約を遵守し、相手国と微生物の保全と持続的利用に関する協定を結んで、微生物探索、それら資源の産業利用を精力的に進めています。微生物探索を行っているのは、インドネシア、ベトナム、モンゴルですが、タイ、中国とも協力関係を構築しています。
 これまでにインドネシア、ベトナム、ミャンマー、モンゴルにおいて放線菌、カビを中心に1万株以上の微生物を収集しました。これまでの解析結果から約2~3割が新種であると推測されます。これらの成果は論文や各種学会で発表していきます。
 これらNITEが収集した海外の微生物は、スクリーニング材料として広く提供することが可能です。詳細はNITEまでお問い合わせ下さい。


○モンゴル科学院(Mongolian Academy of. Sciences)
 1960年モンゴル大学から分離して設置され、特定の省庁には属さない独立した政府機関である。17の研究所と1000人の研究員を要し、付属の研究所を合わせると45の研究機関があり、そのほとんどが、ウランバートルに所在している。
 17の研究所のうち11が動物、植物、生物、化学、物理等の自然科学系の研究所であり、物理技術研究所、天文地球物理学研究所、情報学研究所、生物学研究所、植物学研究所、地球生態学研究所、地理学研究所、地質鉱物資源研究所、化学及び化学技術研究所、言語文学研究所、歴史研究所、考古学研究所、哲学社会学法律研究所、国際学研究所、国家開発研究所、国際遊牧研究所、水研究所から構成されている。
 微生物分野に関しては、生物学研究所に微生物部門があり、生分解に関する研究や微生物の分離・同定・保存等が行われている。

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