マイクロソフトと日本IBM、三菱UFJ証券の金融シミュレーションにクラスターシステムを提供
三菱UFJ証券のWindows ServerならびにIBM BladeCenterによるクラスターシステム
がTop500にランクイン
- 金融分野における大規模ミッションクリティカルシステムにWindows Compute Cluster Server 2003を採用、ブレードサーバーによるクラスターシステムで高度な金融シミュレーションを実現 -
マイクロソフト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表執行役 社長:ダレン ヒューストン、以下マイクロソフト)と日本アイ・ビー・エム株式会社(本社:東京都港区、社長:大歳卓麻、NYSE:IBM、以下:日本IBM)は、三菱UFJ証券株式会社(本社:東京都千代田区、取締役会長:五味 康昌)が金融工学シミュレーションシステムに448ノードのMicrosoft (R) Windows Server (R) 2003ならびにIBMのブレードサーバー「IBM (R) BladeCenter (R) 」によるクラスターシステムを採用したことを発表します。また、同システムは、日本IBM実施によるLinpackベンチマークテスト(*1)において6.52 TFlopsを実現し、2007年6月27日に発表された世界のスーパーコンピュータランキングであるTop500( http://www.top500.org )で193位となりました。これは金融機関の所有するシステムとしては世界第二位となります。
Linpackベンチマークテスト実行に際して、マイクロソフトのハイ・パフォーマンス・コンピューティング向け製品である Windows Compute Cluster Server 2003(以下 Windows CCS)が利用されました。Windows CCSには、オペレーティングシステムに加え、HPCクラスターシステムを構築するために必要な通信ライブラリ、ジョブスケジューラ、リソース管理ツールが全て含まれているため、本システム構築にあたり追加の投資は不要でした。Windows CCSは2006年10月の提供開始以来、製造業、アカデミック、金融など、幅広い業界で採用が進んでおり、今般、三菱UFJ証券の大規模なミッションクリティカルシステムにおいても、導入方法の簡便さと高性能が証明されました。
また、ハードウェアは448台のインテル製Xeon (R) プロセッサーを搭載したIBMのブレードサーバー「IBM BladeCenter HS21」を採用した、896個のCPU、計 1,792個のコアを持つ大規模なクラスターシステムとなります。BladeCenterはシャーシ(筐体)に最大14枚のブレードサーバーを格納でき、従来のタワー型やラック形のサーバーに比べ省スペース、低消費電力であると共に、システム管理の容易さをも持つブレードサーバーによるシステムで、Webアプリケーションや一般業務から、今回のような大規模クラスターまで幅広く採用されています。
大規模クラスター導入の意義
三菱UFJ証券では、今後ますます高まるデリバティブへのニーズに対応すべく、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の株式・金利・為替・クレジット等の基礎商品及びこれらを内包した各種オンバランス・オフバランス商品を対象とした包括的なデリバティブ業務に必要な諸機能を集約しています。これにより、先進の商品開発力とリスク管理体制に基づく幅広い商品ラインアップを実現するとともに、MUFGのグローバルネットワークを活用した業務体制の下、複雑化・専門化したデリバティブ商品をお客さまのニーズに合致した最も利便性の高い形態でタイムリーに提供可能になりますが、これを実行するためにITによる先進的なシミュレーション環境が必要となります。
三菱UFJ証券ではWindows Server 2003を利用したクラスターシステムを導入し、これまで抱えていたデリバティブ業務における問題の解決にあたっています。このWindowsクラスターのもたらす時間短縮により、デリバティブの商品開発、プライシング、リスク管理などのモデルをこれまで以上にシミュレーションすることで、リスク管理の精緻化、差別化された商品の開発を目指しています。また日々実行される時価計算、リスク管理もこのクラスターシステムの重要な役割になっているため堅牢性も追及しています。Visual Studio (R) とVisual C++ (R) を使って行われているシステム開発と一貫性のあるWindowsベースのクラスターを採用することで、開発の効率化と使い易さを実現しています。
また、BladeCenterはシャーシの仕様を発売以来統一しており、今後のシステム拡張の際にも、容易かつ柔軟なブレードサーバーの追加が可能です。さらに、448台という大量なシステムの設置スペースを従来のラック型1Uサーバーに比べ縮小するとともに、消費電力や発熱の観点からも通常のラック型サーバーに比べ環境に配慮したシステムを構築しています。また、BladeCenterが持つ特長であるケーブル数の削減やシステムの一元管理などにより、安定的でかつ効率的な運用もあわせて実現しています。
Top500について
Top500 ( http://www.top500.org )は1993年に開始され、以来ハイ・パフォーマンス・コンピューティングの一貫性のあるトレンドを提供し続けています。Top500リストは年に二回Linpackベンチマークの結果を元に更新され、世界の最も高速な500台のスーパーコンピューターを掲載しています。
注)
*1:Linpackベンチマークテスト:連立一次方程式を解くベンチマークテストでコンピュータの浮動小数点演算性能を測定する際に広く用いられています。大規模並列化に対応しているので、パソコンからスーパーコンピューターまで様々なシステムの性能を測定できます。
以上
Microsoft、Visual C++、Visual Studio、Windows Server、は Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標。
Xeon は Intel Corporationまたは子会社の米国およびその他の国における商標または登録商標。
IBM、BladeCenterは、IBM Corporationの商標。
その他文中の社名、商品名は、商標または登録商標です。
<お客様からのお問い合わせ先>
マイクロソフト;カスタマーインフォメーションセンター Tel: 0120-41-6755
日本IBM;ダイヤルIBM Tel: 0120-04-1992
<ホームページ>
マイクロソフト ホームページ http://www.microsoft.com/japan
日本IBM ホームページ Webサイト: http://www.ibm.com/jp/