ガートナー ジャパン、ビジネス・ワーカーのペーパーレス化進展状況の調査結果を発表
ガートナー ジャパン発表
ペーパーレス化にセキュリティの壁
プレゼン資料など社外向け文書で、紙媒体への回帰
ガートナー ジャパン株式会社(所在地:東京都目黒区、代表取締役社長:日高 信彦)のリサーチ部門は、ビジネス・ワーカーの文書・書類利用時におけるペーパーレス化の進展状況を調査いたしました。2006年の調査結果と比較しましたところ、文書・書類の利用については、おおむねペーパーレス化の方向に進んでいる傾向が見られましたが、その一方で、企業、あるいはビジネス・ワーカーのセキュリティに対する意識がそうした動きに「待った」をかけている状況も出てきていることが分かりました。
調査では、「顧客へのプレゼン、売り込み、訴求のための資料」「社内会議用の資料」「精算、出張申請などの申請書」「稟議書、企画書、提案書、報告書」の各文書・書類について、紙媒体と電子媒体のどちらを利用することが多いかを聞いています。種類によって多少の違いはありますが、企業内の文書・書類を利用する際に「電子データを利用することの方が多い」という人は4割程度というのが全体的な傾向のようです(図1)。これらの結果を2006年に実施した同様の調査結果と比較すると、ほとんどの文書・書類の利用において、紙媒体から電子媒体への移行が緩やかに広がってきていることが分かります。
文書・書類の利用については全体的にはペーパーレス化の流れにある中で、「顧客へのプレゼン、売り込み、訴求のための資料」のみ若干紙の利用に逆戻りしている傾向が見られました。その背景には、企業のセキュリティ対策の一環として、ノートPCの社外への持ち出しが難しくなってきたことがあるとみています。ガートナーの調査によると、個人情報保護法の全面施行後の変化として、「社内ルールでノートPCを社外に持ち出しにくくなった、禁止された」「ノートPCを社外に持ち出すのを控えるようになった」という声は決して少なくありません。
企業内にある文書・書類が、すべてペーパーレス化されればよいというものではなく、この社外文書の「紙媒体への回帰現象」についても、企業あるいはビジネス・ワーカー個人のセキュリティに対する意識、所有する情報などにより、見方が異なります。今回の結果についても、必ずしも否定的に取る必要はありませんが、企業のセキュリティ意識や対応がモバイル・ワークに及ぼす影響の一端を示すととらえています。つまり、企業では今日、モバイル・ワーク、電子データ化が進められていますが、情報セキュリティ対策がこの動きにブレーキをかけている面もあり、これらを両立するソリューションが求められているとガートナーでは考えています。
●図1.文書・書類の利用におけるペーパーレス化の進展度
(※ 関連資料を参照してください。)
なお、本リリースに関する詳しい調査内容は「GIA Report No.28」(6月29日発行)でご覧いただけます。
<ガートナー社の概要>
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(※ 図1は関連資料を参照してください。)