ロシュ・ダイアグノスティックス、TaqManプローブを用いたリアルタイムPCR法試薬キットを発売
TaqManプローブを用いたリアルタイムPCR法試薬キット 薬事承認取得
“コバス TaqMan HCV「オート」”および“コバス TaqMan HBV「オート」”
医薬品製造販売承認取得および発売のお知らせ
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:小川 渉)は、TaqManプローブを用いたリアルタイムPCR法試薬キット“コバス TaqMan HCV 「オート」”および“コバス TaqMan HBV 「オート」”がそれぞれ2007年6月22日付、同じく26日付で医薬品の製造販売承認を取得したことを受け、同年11月26日より両製品を発売いたします。
弊社では、肝炎ウイルス診断用の製品群として、HCV(C型肝炎ウイルス)診断用試薬キット「アンプリコア HCV v2.0シリーズ(定性)」および「アンプリコア HCVモニター v2.0シリーズ(定量)」、またHBV(B型肝炎ウイルス)診断用試薬キット「アンプリコアHBVモニター(定量)」を既に販売しています。このたび、それらの後継品として、2007年6月22日付で医薬品の製造販売承認を取得した “コバス TaqMan HCV「オート」”、および同年6月26日付で医薬品の製造販売承認を取得した“コバス TaqMan HBV「オート」”を同年11月26日より発売いたします。本製品は、次世代遺伝子検査技術「TaqMan PCR法」を測定原理とし、増幅工程と検出工程を1ステップで同時におこなうリアルタイム遺伝子解析装置「コバス TaqMan」、または「コバス TaqMan48」(ともに2005年市場導入)を用いて測定します。また、前処理には全自動核酸抽出装置「コバスAmpliPrep」(2005年市場導入)を用います。
“コバス TaqMan HCV「オート」”および“コバス TaqMan HBV「オート」”は、既存品に比べ「高感度」かつ「広範囲」にわたる測定が可能となったことにより、治療目的に応じた複数の検査法の使い分けが不要となるとともに、検査法の一本化による検査業務の効率化を実現します。また「コバスAmpliPrep」と「コバス TaqMan」を組み合わせ、本キットを使用することで、ウイルス核酸増幅検査では世界初となる全自動測定が可能となり、夜間の運転による省力化の実現や、オペレーター間で発生するばらつきを抑え信頼性の高いデータを得ることができます。
<製品特性>
■「高感度」かつ「広範囲」な測定を実現(図1参照)
・測定の高感度化により、既存品に比べより正確な血中ウイルス量のモニタリングが可能
・定性検査と定量検査の使い分けが不要に(HCV)
■全自動測定が可能
・「コバス AmpliPrep」と「コバス TaqMan」の組み合わせにより、ウイルス核酸増幅検査では世界初となる全自動測定が可能
・3項目(HCV,HBV,HIV-1*)の連続測定が可能
・検体と消耗品を交換することにより、1日あたり最大192検体の連続測定が可能
*)薬事申請中
■測定時間の短縮
・既存品で約8時間かかっていた測定時間が、約5.5時間に短縮(HCV定量、24テスト測定時)
<希望販売価格>(すべて税抜価格)
コバス TaqMan HCV「オート」(48テスト) 187,200円
コバス TaqMan HBV「オート」(48テスト) 120,000円
<TaqMan PCR法の測定原理>
PCR法を基本原理とする核酸増幅法の一種であり、分解により蛍光を発するTaqManプローブを利用して増幅サイクルごとにリアルタイムに増幅の状態をモニターできる測定法。
TaqManプローブは、「レポーター」と呼ばれる蛍光色素と「クエンチャー」と呼ばれる蛍光を吸収する消光物質が修飾されたオリゴヌクレオチド(DNAの断片)で、PCR増幅領域に結合し、DNA合成反応時にDNAポリメラーゼ(DNA合成酵素)の作用によって分解されるよう設計されている。増幅反応の進行に伴いTaqManプローブの分解は指数的に進み、消光物質(クエンチャー)から遊離したレポーター色素の蛍光が検出される。またそのタイミングは試料中のターゲット核酸の量に依存する。すなわち、ターゲット核酸の量が多い場合は早期の増幅サイクルで蛍光シグナルが検出され、少ない場合は増幅サイクルの終盤で検出される。これを応用し、増幅サイクルごとに蛍光シグナルを確認することでリアルタイムにターゲット核酸の定量が可能となる。
ロシュ・ダイアグノスティックスは、今後も臨床検査領域において、検査室での業務効率の向上を実現し、信頼性や経済性を兼ね備えた製品を総合ブランドである「コバス」シリーズより導入してまいります。
以上
◇ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社について
1896年スイス・バーゼルに設立されたF・ホフマン・ラ・ロシュの診断薬事業部門の日本法人です。2006年12月現在、代表取締役社長兼CEO 小川 渉のもとに従業員760人、全国9都市に支店、物流センターを有し、モレキュラー・ダイアグノスティックス事業、プロフェッショナル・ダイアグノスティックス事業、ダイアベティス・ケア事業、アプライド・サイエンス事業、インダストリアル・ビジネス事業の5事業を展開。2006年の売上高は394億円で、国内第1位であり、診断薬事業部門全体のワールドワイドの売上高は世界1位です。株主はRoche Pharmholding BV(100%)(オランダ)
●図1 および 製品写真(試薬および機器)
(※ 関連資料を参照してください。)