新日本石油、高過酷度流動接触分解プロセスの実証化研究装置建設・運転計画を発表
高過酷度流動接触分解(HS-FCC)プロセスの実証化研究装置の建設・運転計画について
~革新的次世代石油精製等技術開発~
当社(社長:西尾進路)は、財団法人 石油産業活性化センター(以下PEC)の「革新的次世代石油精製等技術開発」事業の一つである「重質油対応型高過酷度流動接触分解技術の開発」に参加し、石油精製部門の新日本石油精製株式会社(社長:大野 博)の水島製油所(岡山県倉敷市)に、3,000バレル/日の高過酷度流動接触分解(HS-FCC※1)プロセスの実証化研究装置を建設・運転しますのでお知らせいたします
HS-FCCプロセスは、重質油と触媒をダウンフロー反応器※2内で、高温かつ均一に短時間で接触させ、重質油の分解反応を進行させることにより、プロピレンや高オクタンガソリン等を従来型の流動接触分解装置(FCC)に比べ高収率で生産する画期的な技術です。
今後、数万バレル/日規模の商業化装置設計のための技術を確立するとともに、本年度下期中には、HS-FCCプロセス技術の確立と国内外への普及促進を図るため、当社が事務局となり、民間企業・学識経験者・団体による共同事業体※3を設立し、既存FCC技術との比較評価、石油精製と石油化学の相互利用の検討を進めてまいります。
記
1.当社が参加する事業の概要
(1)テーマ
「重質油対応型高過酷度流動接触分解(HS-FCC)技術の開発」
(2)設備建設予定地
新日本石油精製(株)水島製油所(岡山県倉敷市水島海岸通4丁目2番地)
(3)運転開始時期
2010年度目標
(4)装置の概要
能力:3,000バレル/日
製品収率(重量ベース):プロピレン約20%、ガソリン約35%
2.当社のHS-FCC研究開発の経緯
・経済産業省の補助事業として研究開発が始まり、1994年からPECの技術開発事業として触媒およびプロセスの開発を実施。
・1996年からPECによるサウジアラビアとの国際共同研究テーマとして実施。
・その後、財団法人国際石油交流センター(JCCP)の技術協力事業等して継承され、2000年からサウジアラビアのキングファハド石油鉱物資源大学、サウジアラビア国営石油会社と30バレル/日の小規模装置を建設し、実証研究を実施。
・サウジアラビアとの共同実証研究が評価され、平成18年度 石油学会 野口記念賞を受賞※4。
※1 HS-FCC(High Severity Fluid Catalytic Cracking)
※2 添付資料(ダウンフロー反応器の概要)参照
※3 (仮称)HS-FCC技術開発・普及促進コンソーシアム:参加企業、団体は未定
※4 「新規ダウンフロー型リアクターを用いた高過酷度流動接触分解プロセスのサウジアラビアでの実証研究」として『平成18年度 石油学会 野口記念賞』を受賞
以 上
●別添資料:ダウンフロー反応器の概要/従来型FCCとHS-FCCの比較
(※ 関連資料を参照してください。)