NECエレクトロニクス、中国の設計会社と衛星放送受信用STB向けソリューションを共同開発
中国の設計会社とセットトップボックス向けソリューションを共同開発
~中国最大級の家電展示会「SINOCES 2007」で紹介~
NECエレクトロニクスはこのたび、中国の設計会社であるBeijing Cycle Century Digital Technology Co. Ltd.(社長:リー・ダンビャホ氏、本社:北京市)と当社の画像処理システムLSI「EMMA(TM)」を用いた衛星放送受信用セットトップボックス(以下、STB)向けソリューションを共同開発し、その成果を本年7月7日から中国青島市において開催された中国最大級の家電展示会「SINOCES 2007」で紹介いたしました。
今回共同開発したソリューションは、当社の「EMMA2SL/S」を搭載したリファレンスボード(注)およびSTBを動かすアプリケーションソフトで構成されており、NECエレクトロニクスがEMMA2SL/Sの技術情報をCCDTに開示するとともに、ドライバソフトの開発を行い、CCDTが開示された情報をもとにボードの設計とアプリケーションソフトの開発を行ったものであります。
新製品を採用することにより、ユーザーは短期間かつ低コストでSTBシステムの構築が可能となります。
新製品はCCDTが中国市場向けを中心として発売を予定しております。
NECエレクトロニクスは、デジタルAV向けシステムLSIの事業を中核事業のひとつと位置付け、積極的な事業展開をしております。1998年に世界で初めてデジタル放送受信用のSTB向けシステムLSIを開発して以来、事業を推進してまいりました。特にデジタルAVの核となるデジタル映像/音声の圧縮伸長技術をベースにしたシステムLSIであるEMMAは、デジタルAV製品の代表的な技術として市場から好評を博し、全世界で50社以上に採用されております。2005年度には衛星放送/地上デジタル放送受信用STB向けにおいてそれぞれ世界ランキング2位を獲得するなど、世界のデジタルAV市場をリードしてまいりました。
特に、中国ではこの分野を重点戦略市場と位置づけており、2006年3月にはソフトウェア開発、技術サポートを行う「中国デジタルAV・アプリケーション・センター(China Digital AV Application Center:CDAC)」をNECエレクトロニクス中国内に設立いたしました。NECエレクトロニクス中国では、中国のデザインハウスをサードパーティーとして協力体制を構築し、セット開発に必要なハードウェアとソフトウェアをターンキーソリューションとして一括提供することにより、積極的な事業の推進を図っております。
今回の共同開発もその一環としておこなわれたもので、開発されたソリューションの特長は(1)中国や欧州などで普及しているデジタル衛星放送の標準規格「DVB-S」に準拠した復調回路を内蔵した「EMMASL/S」を搭載したデジタル衛星放送受信に最適な基板であること、(2)視聴可能なチャンネルを自動で検索する機能や放送のチャンネルのみを表示する機能を搭載していること、(3)テレビ画面を4/9/10/13/16に分割し、各チャンネルを一度に視聴できる機能の搭載により、視聴者が多くのチャンネルの中から希望のチャンネルを手軽に選べること、などとなっております。
NECエレクトロニクス中国は、今後もデザインハウスからの協力を得ながら、EMMA製品の売上を2010年度までに10億元(約170億円)を計画しております。
CCDTの会社概要は、別紙をご参照ください。
以 上
(注)リファレンスボード
電子回路を搭載したプリント基板で、これを筐体に組み込むだけでSTBが完成する。
(備考)言及した製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。
<別紙>
Beijing Cycle Century Digital Technology Co., Ltd.
本社:北京市
社長:リー・ダンビャホ
デジタルテレビ向け部品の研究・開発企業。特に、STBメーカー向けにハードウェアとソフトウェアを一括提供するターンキーソリューションの開発に定評がある。
詳細は、http:www.cyclecentury.com をご参照ください。