大日本印刷など、動画像を記録できる新型ホログラムを受注開始
~1枚のホログラムに100コマ以上の動画像を収録~
模倣品対策として、偽造が困難な新型ホログラムの受注を開始
大日本印刷株式会社(以下、DNP)とソニーPCL株式会社(同、ソニーPCL)は、ステレオグラム技術を用いてアニメーションや実写映像などの動画像を記録できる新たなリップマン型ホログラムをセキュリティ用途向けに受注開始します。新型ホログラムは、1枚に100コマ以上の画像を収録でき、偽造が極めて困難なため、正規品認証シールなどに用いることで模倣品との判別などに効果を発揮します。
【 背 景 】
近年、世界各国で意匠権や商標権などを侵害する模倣品や著作権を侵害する海賊版などが生産・販売される知的財産権侵害品問題が深刻化しています。特に模倣品については、模倣する側の製造技術が進んだことで、正規品との区別が困難なものも生産されるようになっており、模倣品対策には、より高度で識別しやすい技術が求められるようになってきました。
【 製品の概要 】
今回発売する新型ホログラムは、素材表面の物理的な凹凸で画像を記録する現在主流のエンボス型ホログラムとは異なり、レーザーの干渉光により感光層の中に特殊な縞模様を形成することで画像を記録するリップマン型ホログラムです。
リップマン型ホログラムは、使用する感光剤の入手が困難であることや、他のホログラムには無い独自の画像表現ができること、製造技術が特殊であることから、偽造が極めて困難です。今回さらに、独自の線順次記録技術により、1枚のホログラム上に100コマ以上の画像を記録することができるため、フライングロゴやアニメーションのような動きのある画像も収録可能で、ホログラムの不正複製を一層困難にします。また、動きのある画像は、一目で偽造品との見分けを付けることができるため、模造品との判別などのセキュリティ用途に最適です。
製品形状は、シール、転写箔、脆質タイプと要望に応じてさまざまな形状での供給が可能です。
【 新型ホログラムの仕組み 】
添付資料をご参照ください
【 ホログラムの製造プロセス概要 】
添付資料をご参照ください。
【 価格と売上目標 】
DNPは、1972年より各種ホログラム商品の開発に着手し、今までに多くのホログラム商材を製造・販売してきました。2001年に「セキュアイマージュR」の量産体制を確立して以降、リップマン型ホログラムのセキュリティ用途への市場開拓を進めてきました。今回、1枚のホログラムに100コマ以上の画像を記録する新型ホログラムを、DNPの量産製造工程に適合させることによって、これまでにない動画像の表現が可能で、よりセキュリティ性の高い模倣対策品が実現できます。この新型ホログラムにより、セキュリティ市場でのホログラムの更なる利用拡大を目指します。
ソニー株式会社では、1989年よりホログラムの応用研究を開始、画像記録技術などの開発を行なってきました。ソニーPCLは、それらのホログラム技術にコンテンツ制作技術とCDやDVD、BD(Blu-ray Disc)で培った高精度原盤製造技術を組み合わせることで、ホログラムを新たな映像製品として位置付け市場開拓を目指しています。特に、新型ホログラムには、1枚のホログラムに100コマ以上もの映像を記録することができるため、従来方式のホログラムでは成し得なかった細やかな動きを実現、セキュリティ市場をはじめとする様々な分野での利用を目指します。
この新型ホログラムは、約1年半にわたりフィールドテストを実施した結果、模倣品対策としての高い効果が確認できたため、このたび本格的に運用することとなりました。
ステレオグラム技術によるホログラムの原盤製作技術を持つソニーPCLと、高品位なホログラム生産技術・設備を保有するDNPとの協業により、セキュリティ向けホログラムは更に高度化します。両社は、協業を通じて同市場の拡大を積極的に進めてまいります。
【 お客様からのお問い合わせ窓口 】
大日本印刷株式会社 CBS開発本部 電話:03-3513-2818
http://www.dnp.co.jp/bf/hologram/index.html
ソニーPCL株式会社 事業開発部 電話:03-5792-9362