シスコ、東大病院のワイヤレスLAN集中管理システムなどにソリューションを提供
東大病院、ネットワークを拡充し、ワイヤレスLANの集中管理を実現
~ワイヤレスアクセスポイントを利用した位置検出システムの実験を開始~
シスコ(代表取締役社長:黒澤 保樹、住所:東京都港区赤坂)は、東京大学医学部附属病院(住所:東京都文京区、以下「東大病院」)が、「Cisco Wireless Control System」の導入によりワイヤレスLANの集中管理システムを構築し、さらに「Cisco Wireless Location Appliance」によって位置検出システム実験を開始したことを発表しました。
東大病院では、2001年9月の新しい入院棟竣工に伴いギガビットネットワークを整備してから、2003年にはフィルムレスシステムを導入・運用を開始し、放射線部などからの大量の画像データの取り扱いニーズに伴い、データが爆発的に増大していました。このような中、2006年8月には中央診療棟2も竣工され、2001年に構築したギガビットネットワークの拡張が必要となりました。
従来のCTやMRIの静止画像はもとより、多様化する検査動画やCTのマルチスライス化、他施設からの提供取り込みデータなども含め、ネットワーク上での新規発生の画像データは2007年度だけでも約20テラバイトに増える見込みであり、さらなる広帯域化への充分な拡張性が求められています。
また、マルチキャストを使った手術状況のリアルタイム動画配信なども実施しており、手術に参加する医師チームが別室のモニターで進行状況を確認したり、手術管理部門が進行管理や次の手術のスケジュール調整をしたりなど、ネットワークの帯域の効率化だけではなく、医師や管理部門のプロセスと時間の効率化も実現しています。
そして今回、東大病院では、従来3台だったシスコのコアスイッチ「Cisco Catalyst 6500シリーズ」を病棟の拡張と増大するネットワーク要求と共に現在では9台にまで段階的に拡張し、「Cisco Catalyst 3750シリーズ」と「Cisco Catalyst 2900シリーズ」も合計で約220台稼動させています。
さらに、東大病院では、ネットワークの拡充とともに、システム運用管理の向上にも取り組みました。ワイヤレスLANのアクセスポイントとして導入している「Cisco Aironet」は現在合計で約400台にまで増えてきており、その管理を効率的に行うため、「Cisco Wireless LAN Controller」「Cisco Wireless Service Module (WiSM)」および集中管理ソフトウェアの「Cisco Wireless Control System」を導入し、アクセスポイントと電波環境の集中管理を行い、状況把握が難しい電波環境の見える化と運用負荷の軽減を図りました。
さらに「Cisco 2700 シリーズ Wireless Location Appliance」を採用し、Wi-Fi端末とWi-Fiアクティブタグを利用した位置検出システムを、データ通信用インフラを有効活用して実験的に導入を開始しています。
これにより、輸液ポンプや人工呼吸器などの移動型医療機器の管理や、こうした機器に異常が検出された場合、その位置情報の検出により患者様への適切な対応などの安全管理への応用を検討しています。最終的には、無線接続の電子カルテ端末等の業務端末の他に、職員のマネージメントも視野にいれており、管理対象は1000以上に上ると想定しています。
現在、位置検出システムは数メートル誤差程度の精度を実現しており、物品管理や安全管理にも十分有効な稼動レベルであり、人・モノ・プロセスのミスマッチをどのようにモニタリングするのかや、機器の稼動状況と位置の組合せでどのような運用サービスの提供が可能かの実用に向けた事象解決を図る実験を積み重ねています。また、「Cisco Aironet」の公開されているAPIの活用により独自のアプリケーション開発や試作品の開発なども進めており、さらなる業務と資産の効率化および安全管理への研究を進めています。
<東大病院ネットワーク図>
添付資料をご参照ください。
同病院が今回ネットワーク機器の選定・導入にあたって重視したのは以下の点です。
1.信頼性
・従来からのシスコ製品の大規模利用の経験にもとづく信頼性と安定性への評価
2.運用性
・幅広いシスコ製品群の利用による運用ノウハウの蓄積と、変更・拡張に対する柔軟性
・標準技術の採用による接続機器類、サードパーティや独自開発アプリケーションへの高い親和性
3.将来性
・シスコならではの継続的サポートおよび将来構想
・ファームウェアのアップグレードによる機能追加への対応
4.効率性
・導入済みのワイヤレスアクセスポイントを利用した位置検出システムの構築、高い費用対効果
・システム全体の集中管理による管理コストの効率化
今後は患者様へのサービスの一環として自分の検査結果を自宅などからリモートで確認できる環境を提供し、患者様の病院での滞留時間の軽減や時間に縛られない状況確認などによるストレスの軽減を図る取組みや、必要により外出先の医師からの受け持ち患者様への的確なアドバイスの提供など、安心して質の高いサービスの提供を受けられるリモートアクセス環境の構築も検討しています。
このほか、「Cisco ASA 5500 シリーズ 適応型セキュリティアプライアンス」と「Cisco Secure Desktop機能」を利用することにより、セキュアな接続と、接続先からの情報流出リスクの回避を考慮したリモートアクセス環境を本年度中に稼動開始する予定です。
【 東京大学医学部附属病院について 】
東京大学医学部附属病院は、1858年(安政5年)に設立された「神田お玉ヶ池種痘所」に端を発し、現在に至るまで約150年にわたり地域の中核病院としての役割を担うとともに、日本ならびに国際社会における医学・医療の進歩に貢献しています。2006年8月に、最新の医療機器を備えた放射線部や検査部、大幅に拡充された手術部、最先端の臨床医学や医療関連サービスの研究・開発を行う22世紀医療センターなどが入る中央診療棟2を竣工し、さらに充実した医療、教育、研究の実現を目指しています。東京大学医学部附属病院の概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/
【 シスコシステムズ株式会社について 】
シスコは、米国シスコ(NASDAQ:CSCO)の日本法人です。シスコは、ビジネスの基盤となるインテリジェントなネットワーキングソリューションから、音声、映像、データ、ストレージ、セキュリティ、エンターテイメントをはじめとする新しい分野、そして、人々の仕事や生活、娯楽、学習のあり方を一変させることのできるネットワークプラットフォームの提案を目指しています。
シスコの会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
http://www.cisco.com/jp
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