東芝、中国に火力発電所向け情報制御システム事業の拠点を設立
火力発電所向け情報制御システム事業の拠点設立について
中国・西安興儀社と陜西省西安市に合弁会社を設立
本日、当社は、中国の独立系火力発電所向け制御・計装関連メーカーの西安興儀科技股有限公司、および持ち株会社の西安興儀実業投資有限公司(両社併せて以下、西安興儀社という)と中国市場向けに、火力発電所向けの分散制御システム(DCS)及び関連する火力情報制御・計装システム*1の開発・設計・製造・販売・サービスを行う合弁会社を設立することに合意し、合弁契約を締結しました。
新会社の名称は「東芝興儀控制系統(西安)有限公司」(以下、東芝興儀社という)で、当社、当社の中国現地法人である東芝中国社、西安興儀社の出資により、7月中に中国・陜西省西安市に設立を予定しています。
当社と西安興儀社とは、2006年に火力発電所向けDCSをに納入するなど、従来から製造・販売分野で協力関係にあります。当社は、こうした関係をさらに強化し、新たに火力情報制御・計装システムの中国拠点を設置し、当社の技術力、ブランド力と西安興儀社の販売力を活用することで、中国火力情報制御・計装システム市場に本格的に参入します。
今後、新会社を国内拠点とともに東芝の火力情報制御システムのビジネス拠点として位置付け、2010年度の新会社による売上規模約50億円を目指します。
*1: 火力発電所の運転・監視・制御を司る総合情報システム。発電プラント全体の監視制御を行うDCS(Distributed Control System:分散制御システム)を中心としたシステムで、DCSと接続してプラント全体の運転履歴管理を行うプラントデータ管理システム等の上位の情報システムも含みます。
当社のDCSには脱硫システムや脱硝システムをコントロールする機能も装備されています。また、プラントをいかに高効率に運転するかがDCSの重要な機能の一つであり、当社は高効率で環境に優しい火力発電所用システムを提供していきます。
【 背景と狙い 】
近年、中国では電力需要の増大を受け、2010年まで毎年の電力成長率が年率約8.1%で伸長し、2010年には電力設備総量は7.5億キロワットを超えると考えられています。2010年以降に目を向けても、年率4%の拡大が見込まれています。なかでも中国の火力発電事業の市場は、世界の火力発電所新設需要の約2/3を占める巨大市場であり、火力発電所の運転制御を司るDCSや関連する情報制御・計装システムの需要も急拡大することが予想されます。
当社は、これまで中国市場で大型のものを中心に火力発電所向けの蒸気タービンや発電機を20基ほど納入しています。今回の東芝興儀社設立により、中国に火力情報制御システムの拠点を確保することで、蒸気タービン・発電機に加え、情報制御・計装システムについてもビジネス拡大を図っていきます。
※以下、新会社の概要などは添付資料をご参照ください。