昭和電工、窒化ガリウム系青色LED素子の生産能力を増強
窒化ガリウム系青色LED素子生産能力の追加増強について
昭和電工株式会社(社長:高橋 恭平)は、2008年6月までに、千葉事業所における窒化ガリウム系青色LED素子の生産能力を月産2億個までに引き上げることを決定いたしました。同事業所では2007年2月時点で月産30百万個の生産能力を、今年末までに1億個に引き上げる工事の実施中であり(2007年2月20日付け当社ニュースリリースご参照)、現時点の生産能力は60百万個となっております。現在、予想を上回る受注を頂いていることから、今般、新たに50億円の追加設備投資を前倒しで行うことといたしました。
窒化ガリウム系青色LEDは、現在、主に携帯電話、ディスプレイなどに使用されていますが、さらに液晶バックライト等への用途開発が進んでおり、今後5年間では年率20%近い成長が期待されています。本年に入りお客様からの受注が急増し、供給のご要請に的確にお応えするために、スケジュールを早めて生産能力の増強を行います。
本LED素子の製造には、従来のMOCVD法*1と当社が開発したPPD(TM)(Plasma assisted Physical Deposition)法*2とを組み合わせた当社の独自技術による「ハイブリッドPPD(TM)法」を用いております。これにより、従来MOCVD法では困難とされていた4インチウェハーでの生産を可能としました。当社は、「ハイブリッドPPD(TM)法」によりLED素子の品質向上と競争力強化に努めるとともに、LED素子出力レベルにおいて世界トップクラスを目指します。
当社は現在推進中の中期経営計画「プロジェクト・パッション」において、窒化ガリウム系LED(青・緑色)や、アルミニウム、ガリウム、インジウム、リンの四つの元素化合物から構成される4元系超高輝度LED(赤・オレンジ・黄・黄緑色)を"育成事業"と位置づけ、積極的な資源投入を行っています。当社は、これらの超高輝度LED素子の売上高を、2008年には200億円にすることを目標としております。
*1 MOCVD法:有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)の略。化合物半導体結晶の製造方法として最も一般的な結晶成長方法。
*2 PPD(TM)法:プラズマ物理気相成長法(Plasma assisted Physical Deposition)の略。当社が窒化物半導体結晶用に開発した結晶成長技術。
以上