日本ゼオン、岡山県・水島工場に高機能樹脂COP製造設備を増設
日本ゼオン、岡山県水島工場に高機能樹脂COP製造設備を増設
日本ゼオン株式会社(社長:古河 直純、本社:東京都千代田区 以下日本ゼオン)は、7月19日、水島工場(岡山県倉敷市)で高機能熱可塑透明樹脂シクロオレフィンポリマー(COP:製品名ZEONEX(R)(ゼオネックス)、ZEONOR(R)(ゼオノア))プラントの起工式を行った。
本設備は主にゼオノアフィルム(R)と呼ばれる光学フィルムに使用される高機能樹脂ZEONOR(R)(ゼオノア)の生産を目的としている。
現有の生産設備は、2005年6月に年間10,000トンの生産能力に増強したのち、2007年5月より年間13,000トンへ更に増強し稼動中。今回は、新規に同規模プラントを建設し、COP(シクロオレフィンポリマー)の生産能力は、高機能樹脂ZEONEX(R)(ゼオネックス)と合計で、年間31,000トンとなる。完成時期は2008年7月末を予定している。
ゼオノアは上述のように光学フィルム原料に用いられる他、液晶画面の導光板・拡散板などの材料としても多用され、近年急激にその需要を伸ばしている。
その特長としては、
(1)吸水性がほとんど無く、寸法安定性が非常に高い
(2)広い波長領域で高い透明性を示す
(3)光学的に異方性が低く、また波長分散・光弾性ともに低く光学フィルム用樹脂として極めて優れた性能を有している
等の優位性である。
<補足説明>
COP(シクロオレフィンポリマー)
「ZEONOR(R)(ゼオノア)」は、PC・携帯電話用導光板、液晶テレビ用拡散板・光学フィルム、光ディスク用途、自動車のランプ周り、食品用容器、などに幅広く採用されてきている。これらの実績のもとに高流動性と精密転写性を活かした薄型製品(バイオ関連分析・培養器具、次世代光ディスク関連材料など)や、電気特性を活かした電気絶縁製品など広く特性が認められてきている。「ZEONEX(R)(ゼオネックス)」は、高透明性や低複屈折性などの優れた光学特性を有しており、カメラ付き携帯電話やデジタルカメラ・コンパクトカメラのレンズ・プリズム、OA機器のfθレンズ、CD・DVDのピックアップレンズなど光学用途、医薬品分野の容器や包装材、その他の分野で使用されている。