NECエンジニアリング、光通信用部品の組立に対応した光軸調芯装置を発売
光通信用部品の組立に対応した光軸調芯装置『NAS-V04』を発売
~溶接による光軸ずれの自動修正機能を搭載~
NECエンジニアリング(代表取締役執行役員社長:井上 憲治 住所:東京都港区)はこのたび、光通信用部品と光ファイバの光軸を調芯(Alignment:光軸合わせ)し、YAGレーザ溶接(注1)で光通信用部品と光ファイバを固定した後、溶接時の光軸ずれを自動で修正する機能を搭載した光軸調芯装置「NAS-V04」を開発し、本日より販売を開始いたしました。
近年、通信不況により設備投資を見合わせていた光通信機器メーカなどでは、ブロードバンドの普及や新興国での通信インフラの整備により光通信用部品の需要が増加の傾向にあり、それに伴い設備投資も活発になってきております。
そのような光通信用部品の生産では、安定した性能の部品を供給する必要があり、装置の自動化、組立作業の効率改善が望まれております。
新製品の光軸調芯装置「NAS-V04」は、レーザダイオードやフォトダイオードなど光通信用部品と光ファイバの接続における高精度な調芯機能にYAG レーザ溶接機能と溶接時の光軸ずれを修正する自動修正機能を一体化した装置です。
WDM(注2)用光モジュール等の高機能デバイスの光軸調芯歩留を向上し、生産性の改善を可能にしました。
溶接前に高精度な調芯を行っても、YAGレーザ溶接時に接合面の金属が伸縮することにより、光軸ずれが発生します。従来作業者が手作業で行っていた光軸ずれの修正工程を本装置では完全自動化することで、タクトタイムの短縮と高精度な組立を実現しました。
新製品の主な特長は以下の通りです。
1.溶接時の光軸ずれの修正を完全自動化
溶接時の光軸ずれの修正工程を自動化することで、従来作業者が手作業で行っていた修正を、完全自動化しました。結合損失の低減が可能となり、生産効率の向上が望めます。
2.高精度調芯機能の搭載
独自の調芯システムにより、PCやプログラマブルコントローラ等を介さないで光出力をモニタしながら調芯を行うことで、組立の高速化を実現しました。また、工程のカスタマイズが可能なので、多種多様な光通信用部品にあわせた効率の良い組立が可能です。
3.各種光通信用部品の組立に対応可能
アクティブモジュールのレーザダイオードやフォトダイオードなどに対応が可能です。
本製品の標準価格は3000万円(税込価格:3150万円、YAGレーザ込み)であり、年間10台の出荷を見込んでおります。
当社では、光通信インフラの技術革新に柔軟に対応し、お客様の用途に応じた調芯装置の開発に取り組んで参りました。今後もNGN 時代の到来に向け、積極的に新製品の開発やソリューション提案を行って参ります。
なお、新製品の仕様につきましては別紙をご参照ください。
注1 YAGレーザ溶接:YAGとはイットリウム・アルミニウム・ガーネットの略。強力な赤外線を放出し、溶接を行う。
注2 WDM:Wavelength Division Multiplexing。光ファイバを用いた通信技術。
<新製品に関するお客様からのお問い合わせ先>
NEC エンジニアリング株式会社 営業本部モジュール営業部
TEL:03-6414-5640
URL:http://www.nec-eng.co.jp/pro/fa_koujiku/index.html