JSRと日本ミクロコーティング、リチウムイオンキャパシタ事業の合弁会社を設立
リチウムイオンキャパシタ事業の合弁会社設立について
JSR株式会社(社長:吉田 淑則)と日本ミクロコーティング株式会社(社長:渡邉 信義)は、50:50出資の合弁会社「JMエナジー株式会社」を設立し、リチウムイオンキャパシタ事業を共同で運営することを平成19年7月17日開催の当社取締役会におきまして決議し、7月23日に合弁契約を締結いたしましたので下記のとおりお知らせいたします。
なお、新会社は、8月1日に設立する予定であります。
1.合弁会社設立の背景
リチウムイオンキャパシタは、正極に活性炭、負極にリチウムを担持したカーボン材料を用いる新しい構成のキャパシタであり、電気二重層キャパシタよりもエネルギー密度が高く、大容量化やコンパクト設計が可能なため、電気二重層キャパシタ市場以外の新たな市場開拓の可能性を秘めております。
キャパシタの市場規模は2010年~2015年で500億円~1,000億円程度と見込まれております。
2.合弁会社設立の理由
日本ミクロコーティング(株)は、独自のコーティング技術を応用して、2002年からリチウムイオンキャパシタに使用される高精度な電極塗布技術の開発を進め、同キャパシタの開発メーカーである富士重工業(株)に供給してまいりました。2006年2月には、リチウムイオンキャパシタの実用化を目指し、キャパシタ市場への新規参入を図るため、富士重工業(株)から技術供与を受けて、リチウムイオンキャパシタセルの製造技術開発に取り組んでまいりました。
一方、JSR(株)は、環境・エネルギー関連事業を次期の成長事業分野と位置づけ、新規事業の創出を積極的に進めており、キャパシタ事業に進出することで同社のノウハウを取り組むことによって、材料開発の効率化等大きなシナジー効果が期待でき、エネルギー分野への参入のスピードアップが図られると考えております。
両社は今後、新会社を通じて、リチウムイオンキャパシタの優位性が発揮できる有望な分野に集中してマーケティングを実施し、早期の事業立ち上げを目指してまいります。
3.合弁会社の事業内容
リチウムイオンキャパシタの電極製造及びセル製造を行い、マーケティングを強化し、同キャパシタの研究開発・販売を行います。
キャパシタは蓄電器の一種で、化学反応で電気を蓄える電池と異なり、急速充電や瞬間的なエネルギーの放出が可能で、寿命も長いという特性を持っております。この特性を利用して、自動車、電源・電力、ソーラー・風力発電、産業機械、事務機器等幅広い分野で用途展開が進行しており、新たな市場形成を目指してまいります。
4.今後の見通し
本合弁会社設立の業績に与える影響は、軽微であります。
また、新会社の位置付けは、持分法適用関連会社であります。
新会社は当初、当社が東京都昭島市に保有しているリチウムイオンキャパシタのパイロットプラントを利用して、商業生産を目指したプレマーケティングを展開いたします。
さらに、2008年夏の生産開始予定で、山梨県北杜市にリチウムイオンキャパシタの商業生産工場(山梨工場)を建設いたします。生産能力は年間30万セルから順次増強し、2010年には200万セルとする計画であります。
<新会社の概要>
添付資料をご参照ください。