エフ・イー・テクノロジーズ、240Hz駆動を実現した「nano-Spindt FED」を開発
究極の動画映像表現を可能にする世界初(*1)240Hz駆動 nano-Spindt FED開発
株式会社エフ・イー・テクノロジーズは、240Hzのフレームレートで駆動するnano-Spindt FED(Field Emission Display)を世界で初めて開発しました。
nano-Spindt FEDはインパルス型の線順次駆動を採用しており、従来の60Hz駆動でも他のフラットパネルディスプレイに比べて十分優位な動画特性を兼ね備えております。さらに、今回の開発では、フレームレートを4倍に向上させ240Hz駆動を実現することにより、究めて自然に近い滑らかな動画映像を表現することが可能になりました。ゲームやCGアニメーションの世界においてリアリティを高めるために高精細化や3D化の方向に技術が進歩してきました。新たな方向性としてフレームレートを高める動きも出てきており、当社は本デバイスによりこれらの動きに対応していきます。
弊社は、2007年8月7日~9日に米国サンディエゴで開催されるSIGGRAPH2007の弊社ブース(ブース:139)において、240Hz駆動nano-Spindt FEDの展示、240Hz映像デモを予定しております。
◇技術のポイント
[nano-Spindt FEDの高速応答]
nano-Spindt FEDは短残光蛍光体の利用や、高速応答性に優れた低抵抗・低容量カソード構造の採用により、直視型フラットパネルディスプレイとしては、世界初となる240Hzのハイフレームレート駆動を実現しました。
[ハイフレームレート駆動回路の開発]
240Hzで駆動するには従来の4倍の情報量を処理する必要があるため、入力インターフェース基板を新規開発しました。このハイフレームレート対応入力インターフェースにより240Hzで出力された信号をそのままFED上で240Hz表示することが可能になりました。
[240Hzの映像出力]
ソニー株式会社の研究結果より動画質劣化の知覚限界は240Hz付近にあることが報告(*2)されていることから、コンテンツ・記録・伝送そして表示を全て240Hzで駆動するシステムを構築しました。240Hzの映像コンテンツは株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントおよび株式会社ポリフォニー・デジタルの協力により『グランツーリスモ5プロローグ』のデモシーンを特別に240fpsでレンダリングして作成して頂きました。240Hzのシステム構築はソニー株式会社の技術協力により実現しました。
240フレーム全てを素材から作り込み、240Hzで表示することにより、リアリティの高い動画映像表現が可能となります。
◇240Hz駆動 nano-Spindt FEDの主な特徴
画面サイズ:19.2型
解像度:1280x720ドット
輝 度:400cd/m2
コントラスト:20,000:1 以上
階調数:約1,677万色(8ビット)
蛍光体:SMPTE/EBU
カソード:nano-Spindt超高密度エミッターアレイ構造
外形寸法:500(幅)x350(高さ)x55(奥行)mm
◆株式会社エフ・イー・テクノロジーズ社について
2006年12月にテクノロジーカーブアウト投資事業有限責任組合(TCI)64.5%、ソニー36.5%の共同出資によりカーブアウト(外部パートナーの投資や経営資源を積極的に活用することで成長の加速を狙うベンチャーの新形態)という手法により設立された新会社。株式会社エフ・イー・テクノロジーズでは、FED事業化に向けた研究開発、マーケティング、事業企画立案等の各種準備活動を行います。
(*1)当社調べ。2007年7月現在
(*2)Y. Kuroki, T. Nishi, S. Kobayashi, H. Oyaizu, S. Yoshimura, JSID, Vol 15.1, pp61-68, 2007,
(※ 参考画像は関連資料を参照してください。)