三菱化学、米国で機能性樹脂製造設備が稼動開始
米国における機能性樹脂製造設備の稼動開始および欧州での事業展開について
三菱化学株式会社(本社:東京都港区、社長:小林喜光、以下「MCC」)の100%子会社である三菱ケミカルパフォーマンスポリマーズ社(本社:米国サウスカロライナ州、社長:田中弘夫、以下「MCPP」)は、機能性樹脂コンパウンド設備の第2系列(能力:4,600トン/年)を予定通り2007年6月に完工し、7月から生産を開始致しました。
MCPPは、2002年よりサーモラン(R)(オレフィン系熱可塑性エラストマー(以下「TPO」))を自動車用エアバックカバー向け中心に北米市場にて製造・販売をしてまいりましたが、旺盛な需要に対応すべく、既存の第1系列に加え、今回第2系列での生産を開始したことにより、生産能力は9,200トン/年となり、北米市場にてTPOを製造する日系メーカーとしては、最大の生産能力を有することになります。
更に、今回増設された第2系列設備は、第1系列設備で製造可能な非架橋タイプのサーモラン(R)(TPO)に加え、自動車用内装シート材・モール類等の用途にて需要拡大が見込まれる「動的架橋タイプ」の熱可塑性エラストマー(TPV、商品名はTPOと同じく「サーモラン(R)」)や、コンソールボックス等の自動車用内装部品への用途展開が期待されるスチレン系熱可塑性エラストマー(以下「TPS」、商品名「ラバロン(R)」)等、既に日本国内において実績のある他製品も製造可能な設備となっております。これにより、自動車関連分野向けの熱可塑性エラストマーに関して、日本とほぼ同様な供給体制を整えることができました。また、今回の増設に加えて、更なる設備投資も検討しております。
一方、グローバルな供給体制を構築すべく、欧州においても、MCCの100%子会社である三菱化学ヨーロッパ社(本社:ドイツ・デュッセルドルフ市、社長:金子正光)が、TPO生産を2008年7月から委託生産(工場:フランス)にて開始することを予定しております。更に2009年にはTPSの委託生産も同様に開始する予定です。
MCCグループでは、自動車関連分野を重点市場領域と位置づけ、上記機能性樹脂に加えポリプロピレンコンパウンド事業、エンジニアリングプラスチックについても、既に中国広東省への工場建設を進めています。これらの計画の実施により、伸展を続けるお客様のニーズに応えてまいります。