東北大と山形大と福島県立医科大、南東北にがん治療の専門家養成拠点を設立
南東北にがん治療の専門家養成拠点
「東北がんプロフェッショナル養成プラン」
わが国では今でも一生涯のうち3人に1人ががんで死亡すると言われ、死亡率第1位の疾患ですが、がん診療の専門家が全国的に少なく、その養成が急務とされています。また、近年の高度化したがん医療の推進は、がん医療に習熟した医師、薬剤師、看護師、その他の医療技術者の各種専門家が参画し、チームとして機能することが重要となっています。
このたび、宮城、山形、福島の南東北の3県が連携し、東北大学、山形大学、福島県立医科大学が協力してがん専門医療者を系統的に養成していくことで合意しましたのでお知らせいたします。
わが国のがん医療水準向上のためには、不足する放射線治療医、がん薬物療法専門医、緩和ケアなどがん治療の専門家の育成が不可欠であり、国のがん対策の1つである文部科学省の平成19年度予算・がんプロフェッショナル養成プランに、東北大学を中心に、山形大学、福島県立医科大学が連携する「東北がんプロフェッショナル養成プラン」が採択されました。この養成プランは、3大学3県が連携してがん専門医療人を養成する広域連携プランで、大学院を中心として、各大学の資源を生かした時間・空間を越える教育システムを構築し、3県の大学病院と全てのがん診療連携拠点病院が参加してがん医療人を育成するほか、大学、病院、自治体、職能団体が一体となって臨床試験・がん登録を推進する地域の枠組みを構築する計画です。
具体的には、3大学大学院に、腫瘍専門医養成コース(博士課程)10コース、コメディカル養成コース(修士課程)7コース、インテンシブ・コース(社会人のための大学院科目履修)18コースの合計35コース(東北大学 19、山形大学 8、福島医大 8コース)を設置します。そして、この連携拠点から、放射線治療専門医、がん薬物療法専門医、乳腺専門医、婦人科腫瘍専門医などの専門医を年間20人以上、専門看護師、専門薬剤師、医学物理士などの専門的コメディカルを年間20人以上養成することを目標にしています。将来的には医療機関にがん専門医療者を配置するとともに、大学・拠点病院に指導者を確保し、南東北のがん撲滅を3県が一体となってめざしていくことにより、わが国のがん医療水準の向上を図るものです。
学生の受け入れは平成20年度からとし、大学間単位互換、大学・病院間連携、インターネットスクールの活用、社会人入学の推進など、従来の大学院教育の枠組みを超えた広域プロフェッショナル養成システムです。
* 関連資料 参照
(図表)図1:プラン概要、 図2:各大学のコース、 図3:組織概要