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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'01.31.Fri
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2007'09.07.Fri

松下電工、パルス通電によるフッ素イオン導入がエナメル質の耐酸性向上など検証

パルス通電によるフッ素イオン導入がエナメル質の耐酸性に及ぼす影響
~第126回日本歯科保存学会※1学術大会(2007年6月開催)で発表~


 松下電工株式会社では、東京医科歯科大学 田上教授らのグループと共同で、パルス通電によるフッ素イオン導入が、エナメル質の耐酸性に及ぼす影響について検討しました。
 フッ化物歯面塗布やフッ化物配合歯磨剤の使用などによる、フッ素イオンのエナメル質への取り込みは、エナメル質の耐酸性を向上させて歯質を強化し、う蝕(むし歯)の予防に効果的とされています。本研究により、エナメル質へのフッ素イオン導入による耐酸性向上は、単に歯面に塗布するよりも、同時に通電を加えることによりさらに効果が高まることが明らかになりました。また、直流電流よりもパルス電流による通電の方がより耐酸性向上する効果が高いことが明らかになりました。
 この結果は、2007年6月開催の、第126回日本歯科保存学会学術大会にて発表されました。 

〈※1〉日本歯科保存学会:歯科保存学(保存修復学、歯内療法、歯周病学)の発展並びに歯科医療水準の高揚と国民の健康の増進に寄与することを目的とする学術団体。 


■検証方法

 歯根を切断した抜去ウシ下顎切歯24本を、#500耐水研磨紙で表面を研削して平坦にし、同等条件のエナメル質面を調製して、その中央部の3×4mmを被験面としました。被験面の周囲はレジンで被覆・絶縁して歯尖部に電極を装着し、3本ずつ8群に分けました。処理条件は、プラチナ平板電極を入れた4%フッ化ナトリウム溶液※2に被験面を浸漬し、・通電なし、通電時間2分間または5分間
・直流通電15V、通電時間2分間または5分間
・パルス通電15V・9,090Hz、通電時間2分間または5分間
のように通電を行うもの、また、
・陰性対照として、まったく浸漬させないもの
・陽性対照として、24時間浸漬させたもの
 以上8条件を設定しました。処理後、被験面に35%リン酸ゲルを15秒間作用させた後、水洗・乾燥し、金蒸着処理を施して、走査電子顕微鏡にて被験面の観察を行いました。    

〈※2〉フッ化ナトリウム:フッ素イオンの供給源として、薬用歯みがき剤などに有効成分として配合されているフッ素化合物。 


■検証結果

 エナメル質へのフッ素イオン導入による耐酸性向上(=歯質強化)効果は

(1)単に歯面に塗布するよりも、同時に通電を加える方が効果が高い 
(2)直流電流よりもパルス電流を通電する方がより効果が高い 
(3)通電時間を長くする方がより効果が高い 


■背景

 むし歯(う蝕)は口腔内細菌が生成する酸によりエナメル質が溶解することに原因があります。
 フッ素イオン(フッ化物)には、

 1)唾液中のミネラル分が歯の内部に取り込まれる再石灰化を促進する働き 
 2)歯の再石灰化期に無機質と結合して、より結晶性の高く、酸に溶けにくい歯質を形成する働き 
 3)エナメル質の主成分である「ハイドロキシアパタイト」の水酸基がフッ素置換した「フルオロアパタイト」を生成することで、さらに安定した結晶構造をもち耐酸性が高い歯質を形成する働き 

 のあることが知られ、むし歯予防効果のある成分として広く知られています。現在、市販されている歯磨剤のほとんどにフッ素化合物が配合されています。今回の実験では、3)フッ素イオン導入による耐酸性向上の効果に着目し、その効果を高める方策について検討しました。 


■検証結果の詳細

 ※添付資料を参照


■参考文献

●可児瑞夫、岩本義史:歯科衛生士教本 口腔衛生.医歯薬出版、東京、1984. 
●飯島洋一、熊谷崇:カリエスコントロール 脱灰と再石灰化のメカニズム.医歯薬出版、東京、1999. 
●井出吉信、大里重雄、小林繁、高橋和人、戸田義久、東義景、矢嶋俊彦:新歯科衛生士教本 解剖学・組織発生学・口腔解剖学.医歯薬出版、東京、1994.  


■東京医科歯科大学 田上順次教授の経歴

1)田上 順次(たがみ じゅんじ) 
 現職:東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 摂食機能保存学講座
     う触制御学分野 東京医科歯科大学21世紀COEプログラム
     歯と骨の分子破壊と再構築のフロンティア 
 
2)職歴 
 昭和55年 東京医科歯科大学歯学部卒業 
 昭和59年 東京医科歯科大学大学院修了 
 昭和59年 東京医科歯科大学助手 
 平成 6年 奥羽大学歯学部教授 
 平成 7年 東京医科歯科大学教授 
 平成10年 東京医科歯科大学附属歯科技工専門学校校長兼任(平成17年まで) 
 平成12年 東京医科歯科大学大学院教授 
 平成17年 東京医科歯科大学歯学部長 
    
3)学会における活動 
 日本歯科保存学会(常任理事)、日本歯科審美学会(会長)、日本接着歯学会(会長)、日本歯科理工学会(理事)、日本レーザー歯学会(理事)、日本歯科医療管理学会、日本細菌学会、日本小児歯科学会、口腔病学会(会長)、日本歯科医学教育学会(理事)
 International Association for Dental Research (IADR) Dental Material Group, Pulp Biology Group, Academy of Dental Material (Fellow) 


以 上

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