電気化学、創立100年に向け青海工場を強化・整備
創立100年に向けた青海工場の強化・整備について
当社は、本年4月より2015年の創立100年に向けた新たな全社計画「DENKA100」に取り組み、「高い技術力で『資源』から『価値あるモノ』を生み出す企業となる」ことを基本理念として、得意事業の拡大を図るとともに、生産プロセスの改良、収率改善などによる生産性の向上を進めるなどの施策により、確固たる企業基盤の構築を目指しています。
当社の主力工場である青海工場は、操業以来の事業であるカーバイド、石灰窒素を始めとした石灰・カーバイド系の基盤事業を中心に展開していますが、今般、主力製品である特殊合成ゴム「デンカクロロプレン」(以下CR)の新ライン増設決定を機に、石灰石の採掘鉱区の拡張開発に始まり、カーバイド、セメント、アセチレンガス、電解などの各生産設備に加えて、ユーティリティ等のインフラに至る工場全体の基盤の強化・整備に着手いたしました。
増設を決定したCRは、石灰石とコークスを主原料としたカーバイド・アセチレン法により1962年に生産を開始し、以来自社技術を深耕・蓄積することで新品種を開発するなど研究開発主導型の事業を展開し、着実に販売量を拡大してまいりました。原油高によるカーバイド法の相対的な競争力の向上と世界的な需給タイトな状況を、さらなる事業拡大の好機であるととらえ、生産能力を約10万トン/年に増強する計画です。以上の増設、基盤の強化・整備に関わる投資額は約150億円を予定しております。
また、既に発表いたしました関連会社デナールシランにおける超高純度モノシランガスの能力増強投資に加えて、需要の伸びが著しい高分子ヒアルロン酸製剤「スベニール」の能力増強投資も検討中であり、各製品の事業拡大もあわせて取り組んでまいります。
なお、今回の青海工場の強化・整備は「DENKA100・CRプロジェクト」として、技術総括役員を本部長とした「同プロジェクト本部」を設置し、全社プロジェクトとして推進してまいります。
記
1.青海(おうみ)工場の概要
所在地:新潟県糸魚川市
設 立:1921年(大正10年)
従業員:約1,200人
生産高:約700億円
生産品目:無機系素材 カーバイド、石灰窒素、セメント、特殊混和材、他
有機系素材 CR、ポバール、苛性ソーダ、モノクロル酢酸、他
その他 ヒアルロン酸製剤、モノシランガス、他
石灰石鉱区 埋蔵量 約50億トン(推定)
電力設備 自家用発電所 163,000kW(水力、火力、廃熱発電)
2.デンカクロロプレン(一般名 クロロプレンゴム)設備増強の概要
事業所:青海工場
完成後能力:約10万トン/年(現状 6.6万トン、今秋以降 7万トン)
完成時期 :2009年末完工、10年初め操業開始予定
以 上