ユニチャーム、第3の生理用ナプキン表面素材「FCLシート」を開発
第3の生理用ナプキン表面素材『FCLシート』を新開発
~かゆみ発生の一因となる経血が肌へつく量を1/10に低減~
繊維学会秋季大会(2007年10月)にて発表予定
ユニ・チャーム(株)は、従来の生理用ナプキン表面素材である『不織布シート』『メッシュシート』に次ぐ、第3の生理用ナプキン表面素材『FCLシート』(FCLはFluid Control Layerの略、流体コントロール層という意味)を新開発しました。また『FCLシート』を表面素材に用いた生理用ナプキンによる実験の結果、経血が肌へつく量を1/10以下(*)に低減することができました。これらの研究結果は、2007年10月の繊維学会秋季大会にて発表する予定です。
(*)・・・従来の当社不織布シートを表面素材に用いた生理用ナプキンとの比較
■開発の背景
近年、女性の生理時の悩みは、“かゆみ・カブレ・べたつき”などの肌トラブルに関するものが増加傾向にあります。これは、「自分の肌は敏感で、特に生理中は肌が敏感になる」と感じる女性が増えていることが原因だと思われます。
中でも、“かゆみ”は、生理用ナプキンを装着した時に、こすれる・ムレるために起きることもありますが、経血そのものが“かゆみ”を発生させる一因であるともいわれています。
したがって、生理中は、経血が肌へ多量に付着しない状態を保つ必要がありますが、これまでの生理用ナプキン表面素材の『不織布シート』や『メッシュシート』では、その素材特性からいずれも経血が多量に表面へ戻るため、多量の経血が肌へ残ってしまいました。
そこで当社は、新しい表面素材の研究に取り組み、この度『FCLシート』を新開発いたしました。本シートは、『メッシュシート』の開発から約20年ぶりとなる新素材の開発であり、第3の生理用ナプキン表面素材と呼ぶにふさわしい素材であると考えています。
■新開発『FCLシート』の素材特性
『FCLシート』は、当社の独自製法によって開発した、隆起した部分と溝の部分が交互に繰り返された、開口と凹凸構造をもつ新しい生理用ナプキン表面素材です。従来の『不織布シート』と『メッシュシート』のそれぞれの優れた特性を融合したような素材で、経血を速やかに透過させ、経血が肌へ付着しにくい状態を作ります。
特性1.表面に経血が広がらない
溝の部分にできた開口から、経血を速やかに生理用ナプキン下層へ流し込むので、表面に広がりません。
特性2.表面にウェット感が残らない
隆起した部分は低密度になっているので、経血が表面から生理用ナプキン下層まで一気に通り抜け、表面に過度なウェット感を残しません。
特性3.経血が肌に付着しにくい
表面の凹凸構造が、肌への接触面積を低減させるので、一旦生理用ナプキン下層へ通り抜けた経血の逆戻りを抑えることで肌へつく経血量を1/10以下(*)に低減し、経血が肌へ付着しにくくなります。
※ 関連資料「『FCLシート』断面イメージ」「『FCLシート』経血吸収イメージ」 参照
■『FCLシート』の特性評価
* 関連資料 参照
今後は、この度の研究成果を、女性の生理時のかゆみ・カブレ・べたつきなど肌トラブルの悩みに応えていく生理用品の開発に役立ててまいります。
なお、本研究結果は、繊維学会秋季大会(2007年10月)にて発表する予定です。