テルモ、磁気浮上型左心補助人工心臓「DuraHeart」を欧州で販売
テルモ、世界初の磁気浮上型左心補助人工心臓
「DuraHeart(R)」欧州にて販売開始
テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:高橋晃)は、子会社であるテルモハート社(本社:米国ミシガン州、社長:野尻知里)が、2007年2月にCEマーク(*1)を取得した埋め込み型左心補助人工心臓「DuraHeart(デュラハート)」の市販を欧州にて開始いたしましたので、お知らせいたします。
8月8日(現地時間)、CEマーク取得後、第1症例目となる埋め込みが、ドイツ国バード・ユーンハウゼン市(*2)にある心臓病センター(*3)で行われました。
(*1) CEマークとは、EU指令(EU:The European Union/欧州連合)の求める要件を満たしていることを示すマークであり、これを取得することは、ヨーロッパで販売する認証を得たことになります。
(*2) Bad Oeynhausen
(*3) Heart and Diabetes Center NRW, University Hospital of the Ruhr University of Bochum
この埋め込み型左心補助人工心臓「DuraHeart」は、1995年以来テルモが開発を進めてきたもので、世界初の磁気浮上型遠心ポンプ方式を採用した左心補助人工心臓の実用化となります。テルモハート社が2004年1月よりドイツ、オーストリア、フランスの3ヵ国で行った臨床試験の結果は、埋め込み日数はのべ7,000日を越え、成功率(3ヶ月のエンドポイント到達)は82%と大変良好な結果が得られました。現在まで33名の患者さんに使用され、埋め込み期間は15名が6ヶ月以上、そのうち7名が1年以上、最長は2年以上となっています。
今後は米国、日本での早期の導入を目指し、準備を進めてまいります。
■ テルモの左心補助人工心臓について
心筋梗塞や心筋症などにより心臓のポンプ機能が著しく弱くなった、いわゆる重症心不全の患者さんにとっては、心臓移植以外に有効な治療法が現在のところありません。このような病気の新たな治療法として、主に左心室の機能を補助する「左心補助人工心臓(Left Ventricular Assist System、略称LVAS)」が注目を浴びています。
テルモは、第3世代の左心補助人工心臓と呼ばれる長期使用が可能なLVASの開発を目指し、遠心ポンプの内部で回転して血液を押し出す羽根車を、磁気で浮かせて回す独自の「磁気浮上方式」(※2)を採用しました。そのため、機械的な接触部がなく長期の耐久性が期待できます。また、血液のよどみがなく流れがスムーズなため血栓ができにくい構造になっています。サイズが小型なため、小柄な患者さんへの埋め込みも可能です。
※2. 磁気浮上方式は、元京都大学工学部赤松映明教授とNTN株式会社が共同で考案した磁気浮上型遠心ポンプの技術を導入し、共同開発しました。
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