大阪ガス、商業地域で「大阪水素ステーション」が開所し実証を開始
8月23日 「JHFC大阪水素ステーション」が開所します
― 日本初、商業地域に定置式水素ステーションを建設、実証を開始 ―
大阪ガス株式会社(社長:芝野博文)が、経済産業省の「水素・燃料電池実証試験(JHFCプロジェクト(※1))」において、商業地域における日本初の定置式水素ステーションとして建設を進めてきた「JHFC大阪水素ステーション」(以下、大阪水素ステーション)が、8月23日に開所致します。当社は今後、燃料電池自動車への水素充填などの運用を通じた実証を開始します。
大阪府(知事:太田房江)はJHFCプロジェクトを支援し、大阪水素ステーションの用地提供ならびに燃料電池自動車の運用を行い、大阪地区における水素エネルギーの普及促進を行います。
走行時に水(水蒸気)しか排出せず、エネルギー効率が高い燃料電池自動車は、次世代を担う環境に優しい自動車として期待されています。また、天然ガスは化石燃料の中で最もクリーンなエネルギーとして今後更に利用拡大が 予想されており、水素エネルギー源としてもその利用が期待されています。大阪水素ステーションでは、既に都市部で整備されているインフラである都市ガスを有効活用し、当社が開発したコンパクトな水素発生装置により燃料電池自動車の燃料となる水素を作り出す「天然ガス改質型水素ステーションシステム」の実証を行います。
また、実際に走行する燃料電池自動車が少ない水素エネルギー社会の黎明期においては、水素ステーションの稼働率の向上が大きな課題となります。そのため、大阪水素ステーションでは、燃料電池自動車だけでなく、他の水素利用機器へも水素を供給することにより、水素ステーションの多目的利用の実証も行います。
当社は、今後、平成22年度まで大阪水素ステーションの運用を通じて、各種データの収集を行う予定です。
大阪水素ステーションの特徴は以下のとおりです。
【大阪水素ステーションの特徴】
1. 水素ステーションの多目的利用を実証
水素ステーションの稼働率向上を図るため、燃料電池自動車以外に燃料電池車椅子や燃料電池カートなどの小型移動体や、定置式燃料電池へも水素供給を実施することにより、水素ステーションの多目的利用の実証を行う予定です。また、燃料電池車椅子やカートの実用化に向け、運用データの収集も行われます。
2. 都市ガスインフラを利用した「天然ガス改質型水素ステーションシステム」の確立
当社が開発し、従来比50%まで小型化した水素発生装置【商品名:HYSERVE(ハイサーブ)】を活用し、既存のインフラである都市ガスから改質して水素を作り出すことで、省スペースでかつ効率的な水素供給システムの確立を目指します。
3. 日本初の都市部における水素供給実証で広く一般の認知度を向上
これまでの水素ステーションの実証は、法規制の関係上主に工業地域で行われてきましたが、大阪水素ステーションは規制緩和された新基準に沿って設計、建設が行われており、定置式水素ステーションとして日本で初めて商業地域(大阪市中央区)に建設されました。この日本初の都市型水素ステーションの運用により、広く一般に水素エネルギーの認知度の向上を図ります。
(※1) JHFCプロジェクトとは、経済産業省が実施する「水素・燃料電池実証試験(Japan Hydrogen and Fuel Cell Demonstration Project)」の略称で、「固体高分子形燃料電池システム実証等研究補助事業」に含まれる「燃料電池自動車等実証研究(実施者:財団法人 日本自動車研究所)」と「水素インフラ等実証研究(実施者:財団法人 エンジニアリング振興協会)」の二つの実証研究を合わせたプロジェクトです。
JHFCプロジェクトは、燃料電池自動車の実用化に向け、燃料電池自動車と、多様な水素製造方式による水素ステーションを運用する大規模な実証試験です。各種燃料からの水素製造方法や、現実の使用条件下での燃料電池自動車の性能、環境特性、エネルギー総合効率や安全性などに関する基礎データを、収集・共有化することを目的としています。第1期は平成14年度~17年度まで関東圏および中部圏にて実証が行われ、第2期では実証エリアを関西圏にも拡大して平成18年度~22年度まで実証が行われる計画です。
以 上