浜松ホトニクス、世界最小重水素ランプ搭載の小型紫外-可視ファイバ光源を発売
世界最小の熱陰極型重水素ランプを新しく開発し搭載
同サイズの光源では世界最高の安定性で高出力を実現した、
小型紫外-可視S2D2ファイバ光源「L10671」を新発売
当社は、従来品の約5分の1と世界最小の熱陰極型重水素ランプを開発し搭載した、高安定で高出力な小型紫外-可視(UV-VIS)S2D2ファイバ光源「L10671」を、8月29日から国内外の小型分光器など分析機器メーカーに向けて発売します。これにより、工場内で廃液の水質検査をする高性能でハンディタイプの環境計測器をはじめ、小型サイズの分光光度計やバイオ研究機器などの開発が期待されます。
なお、本製品は、8月29日(水)から幕張メッセ・国際展示場(千葉市美浜区)で開催される、分析に関する日本最大規模の展示会「2007分析展」に出展します。
<製品の概要>
S2D2ファイバ光源(Stable&Small Deuterium(D2) Lamp)は、世界最小の熱陰極型重水素ランプを搭載した、放射波長範囲が紫外から可視光(200nm~1600nm)の計測機器に用いられるファイバ出力の光源です。
新たに開発した重水素ランプは、絶縁部にセラミックスを採用し、当社の電子管製造技術によって、従来品の約5分の1まで小型化に成功したものです。ランプの小型化によりファイバ光源も当社従来品の約25分の1と大幅に小型(72mm×90mm×40mm)になり、同程度に小型で重水素を用いた無電極放電管(以下、EDL)を搭載した光源に比べ、安定性が約50倍と世界最高で、光出力も約10倍と高輝度を実現しています。
近年、環境規制が厳しくなるなかで、工場内の水質検査でもハンディタイプで簡便に、しかも高精度で計測できる検査機器の開発が望まれていました。本製品は、材料などの成分を分析する分光光度計をはじめ、重金属・鉛などの水質や窒素酸化物などの大気の環境計測、核酸やアミノ酸などのバイオ関連の計測、ウエハ膜表面の半導体検査、残留農薬の検査などに有用です。また、高安定であることから、分析化学などで用いられる高速液体クロマトグラフィ(HPLC)にも使用が可能です。
<主な特長>
1、小型化により高性能なハンディタイプの計測機器が実現
当社ならではの電子管製造ノウハウで、絶縁性・耐熱性の高いセラミックスを積層して位置精度を高め、陰極を低ワット用に設計することによって、世界最小の熱陰極型重水素ランプを新たに開発しました。このランプをファイバ光源に搭載したことにより、当社従来品の約25分の1、EDLを搭載した光源と同等以下まで小型化を実現しました。
また、10VAと低消費電力により、持ち運び可能なバッテリー駆動の計測機器の開発が期待されます。
2、高安定により高精度な計測が可能
高い安定性で実績のある熱陰極型重水素ランプと同じ構造で設計したため、出力変動のフラツキは0.004%p-p(typ.)で、同程度の高い安定性を実現しています。
これは、EDLに比べて約50倍と同じサイズのファイバ光源では世界最高の安定性を実現しています。これにより、より高精度な計測が可能になります。
3、高出力により高精度な計測が可能
EDLは、面光源のため集光が難しく光出力が低くなるため、ファイバ出力に向かないというデメリットがあります。本製品に用いた重水素ランプは、熱陰極型の点光源のため1点から出る強い光を効率よく集光してファイバに導光できるため、EDLに対しては約10倍、当社従来品の約25分の1の大きさにもかかわらず、出力は約8分の1程度に留め高出力を実現しています。これにより、より高精度な計測が可能になります。
4、ランプ交換が容易
ランプはソケットへ挿入するタイプとなっており、ケースカバーを外すだけでランプ交換が可能です。
●主な仕様
* 関連資料 参照
●発売日
2007年8月29日
●価格(税別)
小型紫外-可視(UV-VIS)S2D2ファイバ光源
「L10671」23万円(ライトガイド別売)
●販売目標金額
1年目 8,000万円/年、3年後 2億円/年
■この件に関するお問い合わせ先
浜松ホトニクス株式会社 電子管営業部 外国営業
〒438-0193 静岡県磐田市下神増314-5
TEL0539-62-5248 FAX0539-62-2205
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