日本鉄鋼連盟、12月の鉄鋼生産概況を発表
鉄鋼生産概況2006年12月
2006暦年粗鋼生産1億1,622万トン、前年比3.3%増
- 史上3番目の高水準
12月1,005万トン、前月比0.4%増、前年同月比10.6%増
10~12月 3,016万トン、前年同期比8.1%増
(1)2006暦年概況
◎2006暦年の銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産はいずれも前年を上回り、粗鋼及び熱間圧延鋼材生産はともに史上3番目の高水準を記録した。
○銑鉄生産は8,427.0万トンと、前年の8,305.8万トンを121.2万トン、1.5%上回り、5年連続の増加となった。
○粗鋼生産は1億1,621.9万トンと、前年の1億1,247.1万トンを374.8万トン、3.3%上回り、1973年(1億1,932万トン)、1974年(1億1,713万トン)に次ぐ史上3番目の高水準となった。
炉別生産では、転炉鋼が8,596.5万トン(前年比2.8%増/史上4番目)、電炉鋼が3,025.4万トン(同4.9%増)となり、電炉鋼比率は前年比0.4ポイント増の26.0%となった。
鋼種別では普通鋼が9,070.0万トン(前年比3.1%増)、特殊鋼が2,552.0万トン(同4.0%増)となり、特殊鋼生産は5年連続で過去最高記録を更新した。
○熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は1億411.2万トンと前年比2.9%増で、4年連続で1億トン台に乗せ、史上3番目の高水準となった。このうち、特殊鋼熱間圧延鋼材は5年連続で過去最高を更新した。
品種別にみると、広幅帯鋼は史上3番目、亜鉛めっき鋼板は史上2番目の高水準であった。
(2)12月及び10~12月概況
◎2006年12月の鉄鋼生産は、銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材のいずれも、前月比、前年同月比とも増加となった。
○12月の銑鉄生産は730.3万トンと、前月比18.6万トン、2.6%増加、前年同月比9.1%増加となり、前年同月比では6カ月連続で増加した。また10~12月では2,174.5万トンと、前年同期比6.3%増となった。なお、12月の高炉稼働基数は前月と同様に34基中28基であった。
○12月の粗鋼生産は1,005.0万トンと、前月比4.4万トン、0.4%増となり、前年同月比では10.6%増と7カ月連続の増加となり、3カ月連続の1千万トン台乗せとなった。12月としては、1973年に次ぐ史上2番目の水準であった。
この結果、10~12月では前年同期比8.1%増の3,015.9万トン(史上3番目の高水準)となった。
12月の炉別生産をみると、転炉鋼は748.1万トンと前月比2.6%増(前年同月比12.9%増)、電炉鋼は256.9万トンと同5.4%減(同4.3%増)となった。前年同月比では転炉鋼は7カ月連続の増加、電炉鋼は13カ月連続の増加となった。
12月の鋼種別生産では、普通鋼は785.6万トンと前月比0.4%減(前年同月比10.9%増)、特殊鋼は219.4万トンと同3.7%増(同9.6%増)となり、前年同月比では普通鋼が7カ月連続の増加、特殊鋼が12カ月連続の増加となった。
○12月の熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は891.0万トンと前月比1.5万トン、0.2%増(前年同月比11.3%増)となり、前年同月比では7カ月連続の増加となった。
10~12月では2,699.6万トン(前年同期比9.9%増/史上2番目)となった。
○普通鋼熱間圧延鋼材(一般)の生産は715.8万トンと前月比0.4万トン、0.1%増(前年同月比13.2%増)となり、前年同月比で7カ月連続の増加となった。
10~12月では2,165.1万トン(前年同期比10.9%増)となった。
12月の生産品種別では、条鋼類が215.9万トン、前月比3.1%減/4カ月振り減(前年同月比7.5%増)で、前年同月比では15カ月連続して増加し、一方、鋼板類は492.1万トン、前月比0.9%増/2カ月振り増(前年同月比15.6 %増)で、前年同月比では7カ月連続増となった。
12月の主要品種の生産内訳をみると、鋼板類では最大のウエイトを占める広幅帯鋼が386.8万トン(前月比2.6%増、前年同月比20.1%増)と前年同月比7カ月連続で増加したほか、厚板も96.4万トン(同3.4%減、同2.5%増)と前年同月比2カ月連続の増加となった。一方、条鋼類では中小形形鋼(12.6万トン、4.8%減、同0.9%減)が前年同月比で13カ月振りに減少したものの、小形棒鋼(104.3万トン、同5.5%減、同10.0%増)とH形鋼(41.0万トン、同2.2%増、同6.2%増)が前年同月比で15カ月連続増、大形形鋼(12.9万トン、同0.3%減、同2.7%増)が前年同月比で2カ月連続の増加となるなど、条鋼類の主要品種では前年を上回る基調が続いている。
○特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は、175.3万トンと前月に比べ1.0万トン、0.6%増(前年同月比4.3%増)と、前年同月比では7カ月連続の増加となった。
また10~12月では534.6万トン(前年同期比5.7%増)で、2006年7~9月期を上回って、過去最高を更新した。