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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'02.19.Wed
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2007'06.27.Wed

日立、MEMSと周辺回路を積層させた小型・低消費電力の圧力センサLSI試作に成功

CMOS回路の配線層にMEMSを積層した小型・低消費電力の圧力センサLSIの試作に成功

LSI面積を従来比で約10分の1、消費電流を半分以下に低減


 株式会社日立製作所 中央研究所(所長:福永 泰/以下、日立)は、このたび、高性能な微細CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)の製造プロセスを用いて、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:電気的機械的に動作する微細素子)と周辺回路とを積層させた、面積約1mm2の圧力センサLSIを試作し、消費電流0.6mAでの基本動作の確認に成功しました。これは、CMOS回路の配線に使う材料を用いて、MEMSを作製する技術を開発することにより、配線層へMEMSを積層することが可能になったものです。これにより、従来の、MEMSと周辺回路を平面上に配置した圧力センサLSIに比べ、面積約10分の1、消費電流半分以下と、小型化、低消費電力化を実現しています。この技術を用いて、さまざまなMEMSセンサを高性能LSIと一体化させ、小型、低消費電力、高精度な1チップセンサを実現することができます。
 なお、本研究の一部は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「高集積・複合MEMS製造技術開発事業」の研究開発項目「微細MEMSとCMOS回路混載のためのMEMS/半導体モノリシック集積化基盤技術」によって行われました。

 MEMSセンサは、半導体の微細加工技術を用いて機械的に動作可能な素子を作製し、これをセンサに利用するもので、小型センサとして、近年、圧力や加速度、角速度などのセンサに利用されはじめています。今後、携帯電話などの小型情報機器や自動車などの分野でMEMSセンサの利用拡大や、センサを搭載した小型端末をネットワークで結ぶセンサネットの本格普及に向け、MEMSセンサの更なる小型化、低消費電力化が求められています。これに対応するため、MEMSセンサとその周辺回路を1チップに集積させたMEMSセンサLSIの開発が進められています。しかし、MEMSは中空構造など機械的に動く構造を作製するために、従来は厚さが数マイクロメートルから数十マイクロメートルの加工や、1000度程度の高温熱処理などが必要とされ、それよりも低温で製造される高性能な微細CMOS回路との集積化は困難でした。このため、これまでのMEMSセンサLSIは、MEMSの製造プロセスにあわせて加工寸法の大きなトランジスタで周辺回路を形成し、それらがMEMSと平面上に配置されていました。しかし、より小型化、低消費電力化を進めるためには、MEMSセンサと高性能な微細CMOS回路との集積化が必要と考えられていました。
 このような背景のもと、日立では、CMOS製造プロセスを用いたMEMS製造技術の開発に取り組み、CMOS回路の配線層にMEMSを積層させた、1チップMEMS圧力センサLSIの試作に成功しました。
 試作したMEMS圧力センサLSIの特徴は以下の通りです。

1.LSIの配線形成プロセスを利用してMEMSセンサを作製
 CMOS回路の配線層中に、タングステン、珪化タングステンを用い、高さ300ナノメートル、幅50マイクロメートルの気密封止された空洞を400度以下の一般的な配線形成プロセスで作製する技術を開発しました。この空洞の圧力による変形を静電容量の変化として検出することにより、圧力センサとして機能します。

2.CMOS回路上にMEMSセンサを積層
 静電容量の変化を電圧に変換して出力するCMOS回路の上部にMEMSセンサを積層することで、チップ面積の大幅な小型化を実現しました。また、センサとCMOS回路が近接することで、容量や抵抗など、センサの性能に影響を及ぼす要因の低減も可能となりました。

 今回試作したMEMS圧力センサLSIは、面積約1mm2、動作時の消費電流が0.6mA、0.5から10気圧の圧力が、ばらつき0.5%以下で測定可能であり、従来の、MEMSと周辺回路を平面上に配置した圧力センサLSIに比べ、面積が約10分の1、消費電流が半分以下となっています。さらに、半導体で標準的に用いられている信頼性試験を行なったところ、10年使用相当での経時劣化は2%以下であり、実用に十分な性能と信頼性を有することを確認しました。 

 今回開発したMEMS圧力センサチップは、ガスや空気などの気体、および水や油などの液体の圧力測定など各種圧力計のほか、感圧スイッチや接触センサなどへの応用も考えられます。また、今回のMEMSセンサ作製技術は、圧力センサ以外のセンサにも利用可能であり、様々なMEMSセンサを高性能LSIと一体化させ、小型、低消費電力、高精度な1チップセンサを実現することができます。 

 なお、本成果は、1月21日から神戸で開催されるMEMSに関する国際会議「MEMS 2007」で発表します。 


以上

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